算数は手に覚えさせろ|短時間テストを何十枚も回す理由
算数は手に覚えさせろ。理屈を理解してから解く、という上品な順番を守っている間は、偏差値50台の壁は越えられません。反復練習を続けているのに伸びないご家庭は、まずこの順番を疑ってください。
なぜ丁寧な1問より、雑な30問のほうが効くのか
僕が海外の教室で算数を教えていたとき、授業の中心に置いていたのは、3分未満で解き終わる小テストでした。公式や典型的な解法を一つずつ入れた小さなテストを、1回の授業で何十枚も解かせます。
質の高い1問をじっくり解く、という発想は美しいのですが、試験本番で問われるのは速さと再現性です。じっくり派の子は、見た瞬間に手が動かないため、時間切れで落ちます。
サッカーの練習に例えると、狭いコートで短い試合を何度も回すのと同じ構造です。本番と同じ動きを高密度で経験した子から、体が先に反応するようになります。
理解は、反復のあとから遅れて届く
ここが大切なところです。手が解法をなぞれるようになった子は、あるとき突然、この式がなぜ成り立つのかを腑に落とします。理解が先ではなく、反復が先で、理屈は後払いです。
腑に落ちた子は、初見の応用問題でも、手持ちの型を組み合わせて解きに行きます。逆に、理解してから反復しようと待っている子は、型が増えないので、応用問題で材料不足になります。
予習シリーズの基本問題を、3分テストに変える
家庭で再現するのは難しくありません。予習シリーズや塾のテキストの基本問題から、重要な3〜5問だけを切り出して、3分で解き切るセットにします。
1セットは3分以内に終わる量にする
1日に数セットだけ、時間を計って解く
間違えた問題だけを翌日にもう一度解く
ポイントは、全部をやり直さないことです。できる問題を何度も回す反復は、気持ちは良いものの、得点にはほとんど効きません。間違えた問題だけを集中的に回す冷たさが、成績を動かします。
親がやるべき非情な決断
ドリルを1冊、毎日ノルマとして課す方式は、始める前から子どもが疲れるので、おすすめしません。1回を軽くして、回数で勝つ。これが続く反復の設計です。
丁寧に解かせたい、という親心はよくわかります。ただ、その親心が反復の量を削っているなら、それは愛情ではなく、遠回りです。
まとめ
算数は、短くて軽い反復を大量に回し、理解を後払いで受け取る教科です。お子さんがどの型でつまずいているのか、まずは外から見てみませんか。
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