「うちの子、物理が苦手で…」 そう感じたら読んでほしいこと
「物理だけ点数が伸びない」「本人もだんだん諦めてきている」——そんなご相談を保護者の方からよくいただきます。物理は、得意・不得意がはっきり分かれる教科です。しかし、「うちの子は物理が向いていないんだ」と決めつけてしまうのは、少し待ってください。多くの場合、苦手の正体は才能ではなく、もっと具体的な「あるパターン」にあります。今日はそのことをお伝えしたいと思います。
物理は「イメージ」の教科
まず、物理という教科の特性をお伝えします。数学や化学と大きく違うのは、「公式を覚えること」より先に「現象をイメージすること」が求められる点です。たとえば「力」や「加速度」は目に見えません。それを頭の中で絵として描けるかどうかが、そのまま得点に直結します。
学校の授業は進度が速く、そのイメージが固まる前に次の単元へ移ってしまうことがよくあります。「なんとなくわかった気がする」まま進んでいくうちに、ある日突然「まったくわからない」状態になる——物理の苦手はこうして生まれることがほとんどです。
「苦手」の正体はほぼ決まっている
多くのお子さんの「物理が苦手」を丁寧に紐解いていくと、ほぼ必ず「最初につまずいた単元」が見つかります。力学の基礎だったり、ベクトルの概念だったり、場所はそれぞれですが、そこが曖昧なまま次へ次へと積み上げてきた結果、全体がぐらついている状態です。
逆に言えば、そのポイントを丁寧に解きほぐすことができれば、理解はぐっと進みます。「物理が向いていない」のではなく、「積み上げ直す機会がなかっただけ」というケースが、実際にはほとんどです。
物理の苦手は、才能の問題ではありません。どこでつまずいているかを見つけて、そこから丁寧に積み上げ直す——それだけで、見える景色がまったく変わります。
「わからない」にも種類がある
お子さんが「物理がわからない」と言うとき、その「わからない」には実はいくつかの種類があります。
ひとつ目は、「概念がイメージできていない」タイプ。言葉や公式は知っているけれど、それが何を意味しているのかがピンとこない状態です。
ふたつ目は、「どの公式をどう使うかわからない」タイプ。個別の知識はあるけれど、問題を前にすると手が止まってしまいます。
みっつ目は、「そもそも何がわからないかわからない」タイプ。これが一番つらい状態で、どこから手をつければいいかすら見えない、いわば「霧の中にいる」感覚です。お子さんがこの状態のとき、保護者の方も何をしてあげればいいのか途方に暮れてしまうのではないでしょうか。
まず「現状を整理する」ことから
どのタイプであっても、最初にすべきことは同じです。「どこから怪しくなったか」を丁寧に整理することです。どの単元でつまずいているか、どんな問題で手が止まるか——それが見えてくるだけで、次の一手がはっきりします。
大切なのは、お子さん自身を責めないことです。物理でつまずくのは、その子の能力の問題ではなく、イメージが固まるタイミングや、つまずきに気づいてもらえるタイミングのずれによるものがほとんどです。「なぜこんなこともわからないの」ではなく、「どこから一緒に整理しようか」という視点が、お子さんの気持ちを前に向けます。
何かお気軽にご相談ください
「どこでつまずいているのか整理したい」「今の状況をまず聞いてほしい」——そんなご相談から始めていただいて構いません。「わからない」の正体を一緒に探すところから、始めましょう。