定期テストは高得点なのに模試の英語が取れない高校生へ|「学校の英語」だけでは実力がつかない5つの理由と、保護者が今知るべき真実
「うちの子、学校の英語は90点なのに、模試になると偏差値50前後…」

このようなご相談を、保護者の方から本当に数多くいただきます。通知表の評定は4や5。提出物もきちんと出している。それなのに、模試の英語になると急に点が取れなくなる。「本番に弱いだけ」「たまたま調子が悪かった」と考えたくなるお気持ちはよく分かります。
しかし、20年近く大学受験英語を指導してきた立場から、はっきり申し上げます。これは偶然でも性格の問題でもありません。定期テストの勉強と、英語の「実力」をつける勉強は、そもそも別物なのです。
この記事では、なぜ高校の定期テスト対策だけでは英語力が身につかないのか、その証拠として模試で何が起きているのかを、具体例を交えて詳しく解説します。お子さまが早慶・MARCH・医学部を目指しているなら、ぜひ最後までお読みください。
【理由1】定期テストは「覚えた文章」が出る。模試は「初めて見る文章」が出る

これが最大の違いです。
定期テストの長文問題は、ほぼ例外なく授業で扱った教科書本文から出題されます。生徒は本文を何度も音読し、和訳プリントを読み込み、場合によっては本文をまるごと暗記してテストに臨みます。つまり、テスト用紙を開いた瞬間には「もう内容を知っている文章」を解いているのです。
一方、模試や大学入試で出題されるのは、100%「初見」の英文です。知らない話題、知らない単語、知らない構文。その中で、自力で文の構造をつかみ、論理の流れを追い、設問に答えなければなりません。
例えば、定期テストで「下線部を和訳せよ」という問題に完璧に答えられる生徒が、同じレベルの英文を模試で初めて見ると、主語と動詞すら見つけられない。これは決して珍しいことではありません。その生徒が持っていたのは「読解力」ではなく「記憶力」だったのです。
【理由2】テスト範囲が狭すぎて「英語の総合力」が測られていない

定期テストの範囲は、教科書のLesson 2〜3課分、ページにして10〜20ページ程度が一般的です。文法も「今回は関係詞」「今回は仮定法」と単元ごとに区切られています。
この形式だと、何が起こるか。「今回は関係詞の問題が出る」と分かった上で解くので、関係詞を選べば正解できてしまうのです。
ところが模試の文法問題は、時制・準動詞・関係詞・仮定法・比較・語法がランダムに混ざって出題されます。「この空所に入るのは不定詞か動名詞か、それとも分詞か」を、ヒントなしで判断しなければなりません。単元別に「なんとなく正解できていた」生徒は、ここで一気に崩れます。
模試の文法問題で正答率が低い生徒の多くは、文法を「理解」していたのではなく、「単元ごとのパターン」で処理していただけなのです。
【理由3】語彙量が圧倒的に足りない

学校の授業で扱う単語は、教科書に出てくるものが中心です。定期テストでは「教科書の新出単語」を覚えれば点になります。
しかし、大学入試で求められる語彙量はまったく次元が違います。一般に、共通テストで高得点を取るには4,000〜5,000語程度、早慶や医学部レベルでは6,000〜8,000語以上が必要と言われています。教科書の単語だけを覚えていても、この水準には到底届きません。
模試の長文で「知らない単語が1行に2つも3つもある」状態になれば、どれほど文法を理解していても内容は読み取れません。模試の結果が振るわない生徒の答案を見ると、そもそも単語が分からず、推測で読んでいるケースが非常に多いのです。
【理由4】「スピード」という概念が定期テストには存在しない

共通テストのリーディングは、80分で約6,000語前後の英文を読み切る必要があります。早慶の入試でも、長大な英文を限られた時間で処理する力が求められます。
一方、定期テストはどうでしょうか。50分のテストで、すでに内容を知っている英文を読み、時間が余ることも珍しくありません。「速く正確に読む」という訓練を、学校の定期テスト対策ではほとんど積んでいないのです。
模試を受けた生徒から「最後の大問まで時間が足りなかった」「途中から焦って適当にマークした」という声をよく聞きます。これは能力不足というより、速読の訓練をしてこなかった当然の結果です。
【理由5】「教科書ガイド」と「学校ワーク」が思考を奪っている

多くの高校生が定期テスト対策に使っているのが、教科書ガイド(いわゆる「虎の巻」)と、学校配布の問題集です。
教科書ガイドには全文和訳が載っています。生徒は英文を自力で読む前に和訳を見て、「分かったつもり」になります。学校ワークの問題は定期テストにそのまま出ることも多く、答えを暗記すれば点が取れてしまう。
これは効率的なテスト対策ではありますが、英語力の向上という点ではほぼ効果がありません。自分の頭で英文の構造を考える時間が、完全に抜け落ちているからです。
【具体例】評定4.8、模試偏差値52だった生徒のケース

実際にあった例をご紹介します。
ある私立高校2年生の生徒は、英語の定期テストで常に85点以上、評定は4.8でした。保護者の方も「英語は得意科目」と安心されていました。ところが、大手予備校の全国模試を受けたところ、英語の偏差値は52。
答案を分析すると、原因は明らかでした。長文読解では、段落ごとの要旨が取れておらず、選択肢の「本文にある単語と同じ単語が入っているもの」を選んで誤答。文法問題では、動名詞と不定詞の区別が曖昧。語彙問題では、基本的な入試頻出単語の半分以上を知りませんでした。
つまり、この生徒は**「定期テストで点を取る技術」は身についていたものの、「英語を読む力」はほとんど育っていなかった**のです。
この生徒は、その後、英文の構造を一文ずつ正確に分析するトレーニングと、入試レベルの語彙の徹底強化に取り組みました。半年後、同じ模試で偏差値は75を超えました。正しい方法で取り組めば、英語力は必ず伸びます。
【保護者の方へ】「通知表の評定」を英語力と勘違いしないでください
ここ数年、高校の評定は全体的に上がる傾向にあります。定期テストの平均点が高めに設定されていたり、提出物や授業態度の比重が大きかったりするためです。
そのため、評定が高い=英語ができる、とは限らないのが現実です。保護者の方が見るべきなのは、通知表ではなく模試の偏差値と、その中身です。
特に次のような状況に当てはまる場合は、早めの対策が必要です。定期テストは85点以上なのに模試の英語が偏差値60未満である、模試で長文問題を最後まで解き終わらない、単語帳を学校の小テストのためにしか使っていない、教科書ガイドの和訳を見ながら予習している。ひとつでも当てはまれば、「隠れ英語苦手」の可能性があります。
【まとめ】英語力は「初見の英文を自力で読めるか」で決まる

高校の定期テストは、範囲が決まっていて、出題される英文も事前に分かっています。だからこそ、努力すれば高得点が取れます。それ自体は素晴らしいことです。
しかし、大学入試で問われるのは、見たことのない英文を、限られた時間で、正確に読み解く力です。この力は、定期テスト対策の延長線上には自然には身につきません。意識的に、正しい方法でトレーニングする必要があります。
「定期テストは取れているから大丈夫」ではなく、「模試で取れているか」で判断する。この視点の切り替えが、志望校合格への第一歩です。
早慶・MARCH・医学部を目指す高校生の英語指導について
「定期テストは取れるのに模試で伸び悩んでいる」「英語をどう勉強すればいいのか分からない」というお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。英文の構造を一文ずつ正確に読み解く力を、基礎から入試レベルまで体系的に指導しています。
この先生のおすすめコース
- 高1・高2のうちに、英語だけは本物の実力をつけておき、圧倒的な実力で入試を有利にしたい
- 英語の偏差値は55前後あるが、早慶合格ラインの65以上に届かずに伸び悩んでいる
- 文法や読解は「なんとなく」わかるが、実力テストになると崩れてしまう
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