「98点は、0点と同じだ。」英単語テストで満点を取れない受験生が、早慶・医学部に落ちる本当の理由
「9割取れればいい」が受験を壊す。英単語テストで満点を求める本当の理由|ターゲット1900の勉強法と保護者が知るべきこと

英単語テストで「次は9割を目指します」。一見、前向きで立派な目標に聞こえます。しかし私は、この言葉を聞いた瞬間に生徒を止めました。範囲の決まったテストで最初から1割の失点を許す。その考え方こそが、**難関大学受験で伸び悩む生徒に共通する「最大の落とし穴」**だからです。
この記事は、高校生のお子さんを持つ保護者の方、そして今まさに単語帳と向き合っている受験生本人に向けて書いています。
100問中58問。90分のテストが突きつけた現実
先日、ある生徒の授業で、ターゲット1900を使った英単語チェックに90分をかけました。結果は100問中58問の正解。
前回の授業の段階で、すでに準備不足ははっきりしていました。だからこそ、今回こそは仕上げてくると期待していました。しかし結果は、正直に言って厳しいものでした。
ここで大事なのは、58点という数字そのものではありません。点数は努力すれば必ず上がります。私が本当に問題だと感じたのは、テストの後に本人が口にした一言でした。
「次は90%以上を目指します」が危険な理由
本人は次回の目標を「90%以上の正解」と申告しました。保護者の方から見れば、58点から90点を目指すのは大きな前進に思えるかもしれません。
しかし、はっきり申し上げます。
範囲が決まっている単語テストで、最初から1割のミスを許す目標は、目標ではありません。
出題範囲は事前に分かっている。何が出るかも分かっている。それなのに「10問は間違えてもいい」と最初から決めてしまう。この時点で、準備は必ず甘くなります。人は自分が許した基準までしか努力しないからです。
9割を目指した生徒は、8割で終わります。満点を目指した生徒だけが、9割以上に届きます。

受験本番で「1割の甘さ」が命取りになる
早稲田・慶應、そして私立医学部の入試では、1点、2点の差で合否が分かれます。長文読解で知らない単語が1つあるだけで、設問の根拠となる一文が読めなくなることは珍しくありません。
単語の「なんとなく覚えた」は、本番では「知らない」と同じです。
覚えたつもりの単語、見たことはあるけれど意味が出てこない単語。この曖昧な知識が、本番の緊張の中で真っ先に崩れます。基礎の段階で「完璧」を求めるのは、厳しさのためではありません。本番で崩れない土台を作るためです。
だから範囲を減らした。満点を取るために
私はこの生徒に対し、次回のテスト範囲を見直すことにしました。本人が「これなら確実に100%取れる」と言える範囲を改めて確認し、これまでの範囲から300語減らして、ターゲット1900の500番までに絞りました。
範囲を減らすのは、決して後退ではありません。
「広く浅く」ではなく「狭くても完璧に」。満点を取る経験こそが、学習を変える第一歩です。
一度でも「準備を徹底すれば満点が取れる」という経験をした生徒は、勉強への向き合い方が変わります。逆に、毎回6割、7割で終わることに慣れてしまうと、「このくらいでいいか」という感覚が体に染みついてしまいます。
100点の実力では、100点は取れない
ここで、多くの受験生が誤解していることをお伝えします。
100点を取る人は、100点の力を持っている人ではありません。120点、150点の力を持っている人です。
テスト当日の体調、緊張、問題の出され方、ほんの一瞬のど忘れ。本番では、必ず何かが起こります。実力ぴったり100の生徒は、その「何か」が一つ起きただけで95点になり、90点になります。
だから満点を取り続ける生徒は、例外なく「余力」を持っています。何度見ても迷わない。どの角度から聞かれても答えられる。焦っていても、手が勝手に正解を書く。そこまで仕上げて、ようやく100点が「確実」になるのです。
スポーツに置き換えると分かりやすいでしょう。試合で100%の力を出せる選手はいません。本番で実力の8割しか出せないことを前提に、練習で120%を積み上げた選手だけが、本番で100%に届きます。勉強もまったく同じです。
では、9割を目標にした生徒はどうなるか。90点ぶんの準備しかしていない生徒は、本番で7割、6割まで崩れます。今回の58点は、まさにその結果でした。
満点とは、実力の上限ではありません。余力の証明です。

98点と100点。その差は、たった2点ではない
言い換えれば、こういうことです。
98点と100点の間には、目に見えない巨大な壁があります。
98点の生徒は、「ほとんど覚えている」生徒です。100点の生徒は、「すべてを完全に支配している」生徒です。前者には、まだ迷いが残っています。後者には、迷いが一つもありません。
98点の答案の裏側には、「たぶんこれ」「見たことはある」という小さな揺らぎが、いくつも隠れています。たまたま正解できただけの単語も混じっているかもしれません。一方、100点を取る生徒の答案には、偶然の正解が一つもありません。すべてが必然です。
この差は、同じテストを10回受けたときにはっきり表れます。98点の生徒は、ある日は95点、ある日は90点と揺れ動きます。100点を取る生徒は、10回受けても10回とも100点を取ります。
2点の差は、能力の差ではなく「再現性」の差です。そしてこの再現性こそが、入試本番で合否を分けます。
最後の2点を埋める作業は、それまでの98点を取る作業よりも、はるかに地道で、はるかに苦しいものです。苦手な単語に何度も戻り、似た単語の区別を徹底し、自分の弱点から目をそらさない。多くの生徒がここで「もう十分だろう」と手を止めます。だからこそ、最後までやり切った生徒だけが、まったく別の場所に立つことができるのです。
98点で満足する人と、100点を当たり前にする人。1年後、その差は単語テストの2点では済みません。読める英文の量、解ける問題の質、そして本番で揺るがない自信。そのすべてが、桁違いに変わっていきます。
問われているのは単語力ではなく「準備する力」
今回の件は、単に英単語を覚えているかどうかの問題ではありません。
決められた目標に対して、どう計画を立てるのか。どこまで準備を徹底するのか。足りなかったときに、どう行動を修正するのか。つまり、学習に向かう姿勢そのものが問われています。
受験勉強では、目標を掲げるだけでは何も変わりません。その目標を達成するために、何を、いつ、どれだけやるのか。ここまで具体的に考えて実行できる生徒だけが、最後に結果を出します。そしてこの「準備する力」は、大学に入ってからも、社会に出てからも、一生使える力です。

保護者の方へ
お子さんの点数が伸びないとき、つい「もっと勉強しなさい」と声をかけたくなるものです。しかし本当に見ていただきたいのは、勉強時間の長さではなく、「どこまで仕上げたか」という中身です。
ご家庭でできることは、決して難しくありません。「次のテスト、何点を目指すの?」と聞いてみてください。もし「9割くらい」という答えが返ってきたら、「範囲は決まっているのに、どの1割を捨てるの?」と問い返してみてください。その一言が、お子さんの意識を変えるきっかけになります。
自分の課題を客観的に見て、目標に向けて行動を修正する。これが学習習慣として根づくまでには時間が必要です。だからこそ、早く始めた生徒ほど有利になります。
「9割でいい」を「満点が当たり前」に。その一歩を、ここから始めましょう。
この先生のおすすめコース
- 高1・高2のうちに、英語だけは本物の実力をつけておき、圧倒的な実力で入試を有利にしたい
- 英語の偏差値は55前後あるが、早慶合格ラインの65以上に届かずに伸び悩んでいる
- 英検2級程度以上の実力のある生徒
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
英語のおすすめの指導コース
- 楽しく的確な指導で確実に英検に合格したい方
- リスニングと文法と単語学習を一度に勉強したい方
- 英検に挑戦したいけど何からどのくらいやればよいのか分からない方
- 楽しく英語を勉強したい生徒さん
- 3ヶ月後に、テストで5~10点アップを目指したい生徒さん
- 特性を理解してくれる先生を探している保護者さん
- 苦手分野のみをピックアップして総復習・模試もしてほしい
- 学校のテストの傾向を分析&テスト前の1-2週間の計画の立て方を教えてほしい
- 通常授業だけだと足りない!テスト前に数回補習をしてほしい
- 英語が面白くないと感じている方
- 英語ができる感覚を手に入れたい方
- 英単語力、文法理解、英作文、リスニングを同時に向上させたい方
- 英検の英作文が苦手
- 何を書けばいいか分からない
- 自分の英作文を添削してほしい