適性検査 記述で満点逃す子の共通点
公立中高一貫校の適性検査、特に資料を読み取って書く記述問題になると、急に点数が伸びなくなる子がいる。原因のほとんどは資料の読み込み不足ではなく、答案からたった一つの言葉が抜けていることにある。
僕自身、算数がまるでできない子供だった。できないなりに、なぜ自分の答案に点が入らないのかを一問ずつ数えて調べていた時期がある。その経験から言えるのは、記述問題の採点というのは、実は書いた内容の正しさより先に、文の構造そのものを見ているということだ。
適性検査の記述は事実ではなく理由を採点している
資料から読み取れる事実を並べただけの答案は、部分点しかもらえない。たとえばゴミの削減について「嫌いな食べ物を食べなくなった」とだけ書く答案がある。事実としては正しい。だが、これでは60点満点の設問で23点しか取れない。採点者が見ているのは、その行動がどういう結果につながるかという因果の部分だからだ。
「嫌いな食べ物を食べなくなり、残してしまうから」まで書くと、同じ内容が満点近くまで跳ね上がる。付け足したのはたった数文字の理由だ。事実の後ろに「だから」を一つ差し込めるかどうかが、適性検査の記述では合否を分ける。
これは資料読解に限った話ではない。理科分野の記述、たとえば密度や気圧の変化を説明する設問でも同じ現象が起きる。「空気が押し縮められた」で止まる子と、「空気が押し縮められ、元に戻ろうとする力が大きくなったから」まで書ける子とで、点数は大きく変わる。原因と結果を一文の中でつなげる癖がついているかどうかが、単元をまたいで得点力の差になっている。
なぜならを後付けにしない書き方の型
この癖をつける一番早い方法は、記述の下書きの段階から「だから」を先に決めてしまうことだ。順番を逆にする子が多い。まず事実を書き、余裕があれば理由を足す、という発想では、時間切れで理由が抜け落ちる。
僕が授業で叩き込んでいるのは次の順番だ。
まず結果を先に決める、次にその結果に至る一番シンプルな理由を一つだけ選ぶ、最後に事実と理由を「だから」でつなげて一文にする。
この順番を守ると、資料をどれだけ丁寧に読んでも記述が埋まらない、という事態が減る。理由を先に決めているので、事実を探す作業も的が絞られるからだ。
数字にすると分かりやすい。理由が抜けた答案は10点満点の設問で0点になることが多い。逆に、理由を一文加えるだけで同じ答案が満点になる例を、僕はこれまで何度も見てきた。差はセンスではなく、書く順番だけだ。
適性検査の記述は、公立中高一貫校を受ける層のほとんどが苦手意識を持つ分野でもある。だからこそ、ここで型を持っている子とそうでない子の差が、他のどの単元よりも点数に直結しやすい。
正直に言うと、事実だけを並べて満足している答案を読むたびに、僕はため息をつきたくなる。だが、それは子供が悪いのではなく、誰もその型を教えていないだけだ。明日からは、子供が記述を書き終えたときに「これ、だからって言葉入ってる?」と一言だけ聞いてみてほしい。それだけで答案の質は変わる。優しく添削してあげるという発想は、今日で一旦捨てたほうがいい。
結局のところ、適性検査の記述で伸び悩む子のほとんどは、資料が読めていないのではなく、理由を書く型を知らないだけだ。事実の後ろに「だから」を一つ足す、それだけを徹底すれば、点数は驚くほど動く。
このあたりの型作りは、僕のマナリンクのお試し・算数コース、親子喧嘩ゼロへ、元大手塾講師に丸投げプランでも扱っている内容だ。無料相談も受け付けているので、記述で伸び悩んでいる場合は一度話を聞いてみるのも悪くない。
なお、この理由づけの弱さは、帰国子女の意見文でも同じ形で出てくる。この点は「帰国子女の作文でなぜならが浮いてしまう理由」というテーマでも詳しく書いている。
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