中学受験 家庭学習|不完全でいい。止めなければいい。
今日も計画どおりに終わらなかった。決めた10問のうち、7問で時間切れになった。そんな日の夜、自分を責めているご家庭に向けて書きます。
私は中学受験算数の得点設計を専門とする講師です。面談でご家庭ごとに状況はさまざまでも、いただくご質問とお伝えする答えは、ほとんど同じです。その答えを並べてみて、自分が何度も同じことを言っていると気づきました。今日はその、いちばん多く言っている言葉を書きます。
完璧にやろうとすると、崩れます
勉強は、完璧にやろうとしてはいけません。不完全でも続けるほうが、結局は完璧に近い質になります。
一日を完璧にこなそうとすると、できなかった日に崩れます。10問と決めて7問で終わっても、それでいい。むしろ「もっとやりたかった」というもやもやが、次の日の勉強につながります。
完璧にやり切った日は、達成感と一緒に「終わった」という区切りが生まれます。翌日、また同じ量をやる気力が湧かない。逆に、少し足りないまま終えた日は、翌日に持ち越されます。この差が、3ヶ月後に大きく開きます。
「適当」は、悪い言葉ではありません
適当という言葉は、本来「ぴったり当てはまる」という意味です。いい加減も、書けば「良い加減」です。
お子さんの状況に合わせて、やり方をその都度変えていく。今日は疲れているから量を減らす、この単元は苦戦しているから一週間続ける。その柔らかさが、実はいちばん精度の高い勉強法になります。
ただし、手を抜いてよいという意味ではありません。やり方は柔らかく、続けることだけは譲らない。これが私の言う不完全勉強法です。
親は、自転車の後ろを押さない
子どもが自転車に乗れるようになるとき、親は後ろを押します。ですが、いつまでも押していると、子どもは自分でこげるようになりません。
家庭学習も同じです。答えを教える、丸つけをしてあげる、今日やる問題を選んであげる。どれも良かれと思ってのことですが、押し続けている限り、本人は自分で進めません。
手を離すのは怖い。転ぶかもしれない。ですが、転ばないと乗れるようにはなりません。私が保護者様にお願いするのは、押すのをやめて、横を走ることです。
テストは「ある意味100点」から見る
テストが返ってきたとき、何点だったかを先に見ていませんか。
私は、点数より先に答案を見ます。どの問題を落としたか、なぜ落としたか。知識がなかったのか、時間が足りなかったのか、条件を読み違えたのか。この3つのどれかに分類すると、次にやることが決まります。
点数は結果であって、原因ではありません。原因を見ずに点数だけを見ると、落ち込むか安心するかのどちらかで終わり、何も変わりません。
過去問は、届かなくて当たり前
秋に初めて過去問を解いて、合格最低点に遠く及ばない。毎年、多くのご家庭がここで不安になります。
ですが、今の時点で届いていないのは当たり前です。過去問は、入試当日の学力で解くことを想定して作られています。9月の学力で解いて届かないのは、順調な証拠でもあります。
見るべきは点数ではなく、あと何をすれば届くかです。その設計ができていれば、今の点数は気にしなくて構いません。
私自身、勉強は得意ではありませんでした
正直に書きます。私は中学受験を経験していませんし、大学でも同級生と比べて勉強が苦手でした。授業についていくのに必死だった側の人間です。
だから、できない子の気持ちが分かる、と言いたいわけではありません。ただ、完璧にやろうとして潰れる怖さと、不完全なまま続けることでしか前に進めなかった経験は、よく知っています。
中学受験を経験していない保護者様が、お子さんの勉強を見るのは大変なことです。分からないことだらけで、正解も見えない。それでも毎日向き合っていること自体が、すでに十分なことだと思います。
明日から親がすべき、非情な決断
今日やり残した分を、明日取り返そうとするのをやめてください。
取り返そうとした瞬間、明日の分も崩れます。やり残しは、なかったことにする。明日は明日の分だけをやる。この割り切りができるご家庭だけが、1月まで走り切れます。
不完全でいい。止めなければいい。
【関連する指導コース】
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