中学受験の勉強法|算数講師が「国語から上げて」と言う理由
中学受験の勉強法で「何から手をつければいちばん効率がいいか」と聞かれたら、算数を専門に教えている私は、迷わず国語と答えます。算数の成績を上げたいご家庭ほど、この答えには意外な顔をされます。
算数が苦手だった講師の、遠回りな気づき
私は中学受験をしていません。算数も数学も得意ではなく、分数を本当に理解したのは、塾で教える側に立ってからでした。
それでも算数を教えられるようになったのは、解説を何度も読み、なぜこの式になるのかを言葉で追いかけ続けたからです。わからない箇所は、わかるまで読み返しました。
振り返ると、私が使っていたのは算数の才能ではありませんでした。文章を読み、筋道をたどる力です。そして生徒を見ていると、子どもにもまったく同じことが起きています。
中学受験で国語力が四科目の土台になる理由
ここでいう国語力は、文章を読む力だけではありません。物事を順序立てて考え、言葉で整理する力のことです。これが、ほかの科目にも次の三つの形で効いてきます。
一つめは、問題文が読めること。算数の文章題で止まる子の多くは、計算ではなく「何を聞かれているか」でつまずいています。理科や社会も資料を読ませる出題が増え、読めなければ知識は点になりません。
二つめは、筋道をたどれること。国語の読解で問われるのは、本文のどこに根拠があるかです。前の段落とどうつながるかを追う作業は、算数で条件を整理する作業と同じです。
三つめは、自分の勉強を管理できること。今日やること、終わったこと、残っていることを整理するのも言葉の仕事です。
「そこそこできる」では波及しない
いちばんお伝えしたいのはここです。
国語は、そこそこできる程度では他の科目に効きません。そこそこしか読めない子は、算数の文章題もそこそこにしか読めないからです。
反対に、国語が頭一つ抜けている子は、初めて見る問題でも読んで筋道を追えるので、どの科目でも伸びていきます。一科目にかけた時間が四科目分になって返ってくる。これが、国語がいちばん効率のいい勉強法だと考える理由です。
家庭でもできる、国語の三つの練習
一つめは、答えの理由を必ず言わせることです。正解かどうかより「どうしてそう考えたの」と聞き、さらに「本文のどこに書いてある?」と問い返します。答えを教えなくても、子どもは自分の考えの穴に自分で気づきます。
二つめは、音読です。黙読だと読み飛ばしに気づけませんが、声に出すと読めない言葉や意味の取れない文がはっきりします。読みながら大事な部分に線や丸をつけさせると、読み流しがさらに減ります。
三つめは、段落ごとに要点をつかむ練習です。一つの段落が伝えたいことは、たいてい一つです。それを拾いながら進めば、長い文章でも骨組みが見え、時間内に読み切れるようになります。
苦手から入った講師として
算数が得意だった先生なら、こうは言わないかもしれません。苦手なところから始めた私だからこそ、算数ができるようになる道が、読んで考える力の上にあると断言できます。
お子さんの国語が伸び悩んでいるなら、算数より先にそこを手当てしてください。遠回りに見えて、実はいちばんの近道です。
お子さんの今の状況に合わせて、国語と算数のどちらから、どう手を打つかを一緒に考えたい方は、ヒロユキのプロフィールページからご相談ください。
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