中学受験の国語で漢字が覚えられない、その本当の原因

「うちの子、漢字だけは覚えが悪くて」というご相談を受けるたびに、僕は同じことを聞き返します。何回書きましたか、と。大抵の答えは「毎日ちゃんとやっています」であって、回数ではありません。ここに、偏差値40台が抜け出せない典型的な罠があります。
漢字の失点は「覚え方」ではなく「反復回数」の問題
漢字の書き取りで失点する生徒の答案を見ると、8割は「覚え方」ではなく「反復回数」の問題です。予習シリーズや新演習の漢字ページを一度書いて満足し、次の週にはもう新しい範囲に進んでいる。これでは記憶に定着するはずがありません。海外で育った生徒や、日本語を母語としない生徒でも、正しい回数を反復すれば漢字は覚えられます。逆に言えば、覚えられていないのは反復が足りないだけで、地頭とはほぼ無関係です。
真面目な家庭ほど、ここで「もっと難しい漢字ドリル」を買い足します。実に良質な養分です。必要なのは新しい教材ではなく、同じ漢字を正しい間隔で繰り返す仕組みのほうです。
分散学習と「9割合格」の仕組み
具体的な戦術はこうです。まず、出題範囲の漢字を「1回で書けた」「2回で書けた」「3回以上かかった」の3グループに仕分けます。1回で書けたものは、もう時間を使う必要がありません。3回以上かかったものだけを、翌日・3日後・1週間後の3回、間隔を空けて再テストします。これは記憶の研究で分散学習と呼ばれる方法で、同じ回数を一気にやるより、間隔を空けたほうが定着率が上がることが分かっています。
もう一つの戦術は、書き取りテストの合格ラインを「満点」ではなく「9割」に設定することです。満点を求めると、1つのミスで子どものやる気が折れます。9割を合格ラインにすれば、1問間違えても「合格」という成功体験が残り、次のテストへの反復が続きます。中学受験の国語で漢字が覚えられないと悩む家庭の多くは、実はこの「満点主義」がやる気を削いでいるだけだったりします。
漢字の配点は決して大きくありませんが、確実に取れる問題です。取れるはずの点を落とし続けている状態を、僕はもったいないと思う以上に、非効率だと感じます。
漢字の失点が読解の得点にも響いているようなら、予習シリーズをベースにした算数・国語の総合的な指導コースで、答案全体の設計から一緒に見直すことができます。マナリンクのプロフィールにその指導コースを掲載していますので、気になる方はご確認ください。無料相談も受け付けていますので、まずは今の答案を見せていただくところから始めても構いません。
漢字は、覚えようとする根性の問題ではなく、間隔をどう置くかという設計の問題です。今日から仕組みを変えるだけで、来月の漢字テストの数字は変わります。
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