旅人算 ダイヤグラム 書けない|線と単位で減点を止める
旅人算のダイヤグラムが書けない子の失点は、頭の良し悪しではなく、問題文を読み終える前に鉛筆が動いてしまう手順の悪さで起きています。解説を聞けば分かる。なのに次の問題で同じところを落とす。偏差値50前後で速さが伸び悩むご家庭では、この光景が毎週のように再演されています。
旅人算で点を落とす子は、計算より先に読み方で負けている
授業で見ていると、考え方そのものは理解しているのに、スタート地点や二人の間の距離を読み落として、別の問題を解いてしまう生徒がいます。計算力を鍛えても、問われていないものを正確に計算するだけです。
旅人算の失点は、ほぼ次の三つに分類できます。
・問題文の読み落とし(出発点、二人の間の距離、途中の停車時間)
・単位の混在(分速と秒速、mとkm、分と時間)
・図を描く順序が毎回違うこと
三つとも、算数の才能とは関係がありません。ですから、外側から手順を足せば止まります。ここが救いです。
ダイヤグラムは、上下を最初に固定してから描く
ダイヤグラムが書けない子は、描きながら考えています。これは順序が逆です。先に枠を決め、そこへ情報を流し込む。それだけで迷いは激減します。
僕が授業で求めるのは次の手順です。
・上側を家、下側を学校と最初に決める
・時間0で同時にスタートした点を打つ
・出会いの時刻、ゴール時の状況の順で点を打つ
家と学校の位置を毎回同じにしておくと、グラフの形が頭に残り、予習シリーズの速さの単元で見かける似た問題が同じ顔に見えてきます。
たとえば、家と学校の間が1800mで、姉が家から分速90m、妹が学校から分速60mで同時に向かい合って出発するとします。出会いまでの時間は、1800 ÷ (90 + 60) = 12分です。姉は家から 90 × 12 = 1080m の地点にいて、妹は 60 × 12 = 720m 進んでいます。1080 + 720 = 1800 で一致します。この検算までをダイヤグラムの余白に書く癖をつけてください。
距離が同じなら、速さは時間の逆比になる
往復の旅人算で、行きに12分、帰りに20分かかったとします。距離が同じなら、速さの比は時間の逆比ですから、行きと帰りの速さの比は 20 : 12 = 5 : 3 です。
距離が分からないときは、12と20の最小公倍数の60を距離と置きます。すると行きは分速5、帰りは分速3になります。本当の距離は分からなくても、比のまま最後まで進めるのが得点設計の基本です。方程式を立てる前に、まず比で押し切れないかを疑ってください。
単位を書く。式を省かない。それだけで減点は止まる
地味ですが、いちばん効きます。式に単位を書く子は、分と秒を混ぜた瞬間に自分で気づきます。式を省略せずに書く子は、検算の足がかりが残ります。
授業では、問題文の中の聞かれている部分に線を引き、分かっている数値を書き出し、単位を式の中に残す、という三点を何度も繰り返します。うるさく感じられるかもしれません。ですが入試は、答えだけでなく途中の姿勢まで採点されます。うるさい親になる覚悟より、減点される覚悟のほうが高くつきます。
2分で見通しが立たない大問は、いったん飛ばす
ダイヤグラムを描いても、列車の停車や追い越しが絡んで複雑になる大問があります。その場合は、おおむね2分考えて道筋が見えなければ、印をつけて次へ進む判断も得点設計の一部です。全問を解き切る子ではなく、取れる問題を取り切る子が合格最低点を超えます。
明日から親がやること
結論はこうです。旅人算の失点は、読み方、単位、描く順序という手順の欠陥で、手順は後から足せます。
・問題文の聞かれている部分に、本人に線を引かせる
・計算の式に単位を必ず残させる
親が教える必要はありません。見張るだけで十分です。解き方を説明したくなる衝動を抑えるのが、いちばん難しい非情な決断ですが。
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