5年後期に算数が急にできなくなった理由は、真面目すぎるから

5年後期に入って、算数が急にできなくなった。前期までは週テストで安定していたのに、秋から組分けテストのたびに下がっていく。この時期になると、こうした相談が一気に増えます。そして面談で話を聞くと、崩れている家庭には驚くほど共通点があります。真面目なのです。
5年後期に算数が急にできなくなるのは、単元が「つながり始める」から
前期までの算数は、単元ごとにある程度独立していました。約数と倍数、割合、図形の角度。1つの単元が多少怪しくても、次の単元は新しい気持ちでスタートできました。
ところが5年後期、予習シリーズでいえば5年下に入ると、構造が変わります。比が登場し、その比を速さに使い、図形に使い、文章題に使う。一つの道具を、形を変えて何度も使い回すカリキュラムに切り替わるのです。
この構造では、1つの単元の完成度よりも、単元と単元のつながりのほうが得点を左右します。比が7割の状態で速さと比に進んだ子は、速さの問題を解くたびに比の練習もしていることになります。逆に、比を10割にするまで先に進まない家庭は、比の単元に何週間も費やし、その間に速さも図形も置き去りにしてしまいます。
真面目な家庭ほど崩れる、3つの落とし穴
面談でよく見る「真面目さの副作用」は、だいたい次の3つに集約されます。
練習問題まで全問やらないと、次の回に進まない
線分図や面積図を毎回ていねいに描き、1問に15分かける
解けなかった問題を、その場で理解できるまで解説を読み込む
どれも美しい努力です。ただ、5年後期の算数においては、ほぼすべて逆効果です。
1つ目は、先ほどのつながりの話です。2つ目は、比という道具の存在意義を殺しています。比は、図を描かずに済ませるための道具です。比で書ける関係をわざわざ線分図で描くのは、電卓を持っているのに筆算をしているようなものです。3つ目については、理解は一度で完成しない、ということに尽きます。今日わからない問題が、2週間後に別の単元の中で出会ったときに、あっさり解けることはよくあります。
5年後期は「8割で進む」が最適解
僕が5年後期の生徒に指示するのは、いたってシンプルなことです。
各回、例題と基本問題は9割以上を目標にします。練習問題は、難度の高いものを除いて7〜8割解ければ次に進みます。それ以上は深追いしません。そして毎日5分だけ、比の変換を計算練習として回します。たとえば、A:B=3:5、B:C=2:3のときにA:B:Cを出す(答えは6:10:15)といった連比を、考えずに手が動くレベルまで反復します。
算数を算数として丁寧に解こうとする子ほど、この「考えずに手が動く」部分を軽く見がちです。しかし、組分けテストで点差をつけるのは実はここです。比の処理が速い子は、速さでも図形でも、考える時間を問題の本質に回せます。遅い子は、比の処理だけで時間を使い切ってしまいます。
5年後期に大切なのは、1つの単元を完璧にすることではありません。比という道具を、毎日少しずつ研ぎ続けることです。
親が手放すべきもの、手放してはいけないもの
親が手放すべきものは、全問正解へのこだわりと、ノートの美しさです。5年後期のノートは汚くてかまいません。途中式が読めれば十分です。
手放してはいけないのは、毎回の例題と基本問題の精度です。ここが崩れているなら、それは本当に立ち止まるべきサインです。練習問題ができないのと、基本問題ができないのとでは、意味がまるで違います。
基本は9割、応用は7割、比は毎日5分。この3つを守れていれば、組分けテストの数字が一時的に下がっても、慌てる必要はありません。
5年後期に崩れる家庭は、怠けているのではありません。頑張る方向を間違えているだけです。全問を美しく解こうとする姿勢は、教室では褒められますが、得点表の上では1点の加点にもなりません。そうやって秋に失速していく真面目な家庭は、比を道具として割り切った受験生にとって、実に良質な養分です。明日から、難問に取り組む前に比の計算を5分やってください。そして、ノートの清書をやめてください。
5年後期に算数が急にできなくなったのは、能力の問題ではありません。完璧さに時間を使いすぎた結果です。
僕のマナリンクのプロフィールに、「【予習シリーズ5年算数】割合・比・速さを先取り攻略」というコースがあります。5年後期の比・速さ・図形のつながりを、お子さんの今の理解度に合わせて整理し、どこまでやれば次に進んでいいかの線引きから一緒に行います。無料体験もありますので、秋から数字が崩れ始めたご家庭は、一度ご相談ください。
この先生のおすすめコース
- 予習シリーズの例題はわかるのに、演習問題集や週テストになると手が出ない
- 毎週の「週テスト」や「カリキュラムテスト」を乗り切るのが精一杯で、既習範囲をどんどん忘れている
- 偏差値が停滞し、上のクラスとの距離がどんどん開いている
このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら
中学受験におすすめの指導コース
- ギフテッド(高度で特別な才能を持つお子さん)の可能性があるので、経験豊富な先生に見てほしい。
- ギフテッドに合った勉強方法や進路選択、直面する課題についていろいろ教えてほしい。
- ギフテッドかもしれないが、どう伸ばしたらいいか、どう才能や潜在能力を開花させたらよいか相談したい。
- テキストの問題が【難しすぎる】、【ヒントが無くて】理解出来ないお子さん
- 塾のスピードが【速すぎる】、テストで【もっと成績アップしたい】お子さん
- 【宿題が多すぎる】、【親の負担が大きすぎて】サポートが必要なお子さん
- サピックスに通塾中で、組分けテストで成績アップしたいお子様
- 中学受験でよく出るポイントを理解して、成績アップしたいお子様
- サピックスのテキスト課題量が多過ぎて、どこから手をつけていいか分からないお子様
- 中堅〜難関私立中学(筑駒・桜蔭・渋幕・南女・洛南・海陽など)を目指す生徒
- 社会の偏差値50前後で伸びない生徒
- 社会が足引っ張っている、あとは社会だけという生徒
- 塾などの直近授業のわからない箇所だけを確認したい生徒さん
- 単発受講で、長期休暇やすきま時間を有効活用したい生徒さん
- 先生との相性を確かめたいので単発授業から始めてみたい生徒さん