SAPIXの算数ノートは「コピー機」で取れ、アレンジは帰宅後
SAPIXの算数でノートの取り方がわからない。板書を写しきれない、写しても後から見返して使えない。そんな相談を受けたとき、僕が最初に確かめるのは写し方の技術ではありません。写している最中に、子どもが勝手な「判断」をしていないかどうかです。
SAPIXの算数ノートは、あとから使う唯一の解説書
SAPIXのように毎回の教材が配られて進む塾では、授業で先生が黒板に書いた解き方こそが、家で復習するときの一番の手がかりになります。配布教材の解説は簡潔なことが多く、授業で見せた考え方の流れまでは載っていないからです。
つまり、ノートの質はそのまま家庭学習の質になります。マンスリーの前に見返したとき、授業を再現できるかどうか。ここで点差がつきます。
授業中は「コピー機」になってほしい理由
僕は生徒によくこう言います。授業中は、コピー機になってほしい。
コピー機は、渡された原稿をそのまま写します。この行はいらないから省こう、この色は変えておこう、とは考えません。
ところが生徒の中には、ノートを全部写さない子がいます。理由を聞くと、ここは必要ないと思いました、と答えます。気持ちはわかります。ただ、何かを習っている最中の人は、まだその単元の全体像が見えていません。全体像が見えていない人に、どこが必要でどこが不要かは判断できない。これは能力の問題ではなく、順番の問題です。
わかっていないうちは、完全に真似をしたほうがいい。たとえ無駄に見えても、それが本当に無駄かどうかさえ、まだわからないのですから。
色とレイアウトまで写す
色を変える、配置を変える。これも同じです。講師は、生徒が一番わかりやすいように、色の使い分けや図の置き場所を考えて板書しています。僕自身、一つの問題をどう板書するかで一時間考えることは珍しくありません。自分で解くだけなら、色も図の配置も要りません。それでも手間をかけるのは、すべて生徒のためです。
だからこそ、赤で書いたところは赤で、枠で囲んだところは枠で写してください。色には、ここが式の核心、ここが条件、といった意味が込められています。色を変えると、その意味が消えます。
コピーとは「清書」のことではない
誤解してほしくないのは、ここで言うコピーは、きれいに書くこととは別物だということです。定規で線を引く必要も、字を整える必要もありません。求めているのは、先生と同じ順番、同じ色、同じ配置で、速く写すこと。美しさではなく、再現できることです。
綺麗すぎるノートに時間を使って、肩心の説明を聞き逃す。これは、偏差値40台で停滞する子に最もよく見る光景の一つです。
アレンジは、授業のあとなら自由
僕は、何もかも僕のやり方に従えと言っているわけではありません。授業中は完全にコピーする。授業が終わったら、自分のやり方にアレンジしてかまわない。家で見返しながら自分用のまとめを作るのは、大歓迎です。
全体像が見えてから加えるアレンジは、理解を深めます。全体像が見える前のアレンジは、理解を削ります。同じアレンジでも、時期によって意味が逆になるのです。
もう一つ、授業中に先生と同じ解き方を使ってもらうと、授業全体を一つの解き方の体系で組み立てられます。今日の問題で使った型が、来週の応用問題でもそのまま使える。子どもが授業中に自己流に切り替えると、このつながりが切れてしまいます。マンスリー前に授業ノートをどう使うか
コピー機で取ったノートは、マンスリーの前に本領を発揮します。使い方はシンプルです。ノートの問題部分だけを見て、解き方を隠し、自力で再現できるかを試す。再現できなければ、そのときに初めてノートの解き方を読みます。
ここで効いてくるのが、色と配置です。先生と同じ色で写したノートは、赤の部分だけを追えば、式の核心がすぐ見つかります。自己流の色で写したノートでは、それができません。授業中の数秒の手抜きが、テスト前の数十分の探し物になって返ってくるのです。
ノートを自己流に編集する子は、自分では効率よくやっているつもりです。実際には、先生が一時間かけて設計した説明を、数秒の判断で切り捨てています。これほど割に合わない取引はありません。明日から、授業中の判断をやめさせてください。判断は、授業が終わってからで十分です。
SAPIXの算数ノートは、コピー機で取る。それが、家庭学習でもう一度授業を受けるための一番の近道です。
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