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小問集合の取りこぼしをなくす|中学受験・小6算数の10分練習

2026/10/28

小問集合の取りこぼしが、中学受験の算数で偏差値の天井を作っています。難問が解けないことではなく、解けるはずの問題を落とすことが原因です。

先日、小6の生徒を見ていて、あらためてそう感じました。応用問題は粘り強く考えられる。授業ではポイントも外さない。ところが模試になると、大問3の小問集合で大きく点を落とす。解けなかったのではなく、解ける問題を「解けた気」になって終えているのです。答えを出した瞬間に、頭の中で試合終了のゴングが鳴っている。僕の見立てでは、そこを全問取れていれば、偏差値は大きく跳ね上がっていたはずです。難問を1問取るより、よほど現実的な伸びしろです。

なぜ小問集合の取りこぼしが、偏差値60の壁になるのか

正答率の高い問題を落とすと、その分がそのまま偏差値を押し下げます。みんなが取る問題を落とすのですから、差がつくのは当然です。逆に、ほとんど誰も解けない最後の大問を落としても、誰も気にしません。差がつかないからです。

つまり、偏差値50台から60の壁を越えられない子の多くは、難問が足りないのではなく、全員が取る問題の取りこぼしが多いのです。

しかも厄介なのは、この失点が実力ではなく習慣の問題だという点です。確認する習慣がある日は満点近くまで届き、ない日は大きく崩れる。成績が上がったり下がったりを繰り返す子は、たいていこのタイプです。本番がどちらの日に当たるかで合否が分かれるのですから、運任せの受験になってしまいます。

もう一つ、白状しておきます。応用問題中心の授業ばかり続けていると、簡単な問題を速く正確に解く練習がごっそり抜け落ちます。塾でも家庭教師でも、起こりやすい構造的な穴です。

取りこぼしの正体は「直感で答えて、条件と照合しない」こと

具体例を二つ挙げます。

一つ目。時速4kmで歩くと12分かかる道のりは何mか。直感で 4 × 12 = 48 と計算し、48kmと答える。12分を時間に直していません。正しくは 4 × 12 ÷ 60 = 0.8 なので0.8km、つまり800mです。歩いて12分の道のりが48kmのはずがない、と気づけば防げた失点です。

二つ目。5%の食塩水200gに水を加えて4%にするには、水を何g加えるか。200 × 0.05 = 10 で食塩は10g。10 ÷ 0.04 = 250 で、できあがりは250g。ここで「250g」と答えてしまう子が実に多い。問われているのは加える水なので、250 - 200 = 50 で、答えは50gです。

どちらも計算力の問題ではありません。答えを出したあと、問題文の条件と照らし合わせていないだけです。

小問集合を落とさないための3つの手順

一つ目。問題文を読むとき、単位と「何を聞かれているか」に線を引く。分なのか時間なのか、全体なのか加える量なのか。

二つ目。答えが出たら、解き直さずに、問いの文だけをもう一度読む。

三つ目。答えの大きさが現実的かを見る。歩いて12分で48km、という答えは現実にありえません。

見直しとは「同じ計算をもう一度やること」ではありません。同じ道を通ると、同じ間違いを繰り返すだけです。条件との照合という別の道から答えを確かめる、これが見直しの本体です。

授業やご家庭の頭10分で、簡単な問題を一発で正解する練習をする

取りこぼしを減らす最短ルートは、簡単な問題を短時間で一発で正解する練習を、独立した時間として確保することです。

やり方は単純です。小問集合を5〜6題、時間を区切って解く。解き終えたら答えの横に、問いの文と照合した印をつけさせる。採点では、間違いの理由を「計算」「読み落とし」「単位」「問いのずれ」のどれかに分類する。この分類を続けると、その子の失点の型が見えてきます。

過去問演習も使えます。過去問では、大問1・2の小問集合を最初に解いて、そこだけ先に採点してみてください。「ここは落としてはいけない」という実戦の感覚は、通常の問題集より過去問のほうがはるかにリアルに育ちます。難しい問題の解説を一本増やすよりも、この10分のほうが、時期によってはよほど点になります。

「うちの子はケアレスミスが多い性格だから」と諦めるのは、良質な養分コースの入口です。性格を直そうとして叱り続けても、本番では叱ってくれる人はいません。直すべきは性格ではなく、答えを出したあとに必ず通る手順のほうです。

明日から、難問の復習を10分だけ削って、簡単な問題を一発で取る練習に回してください。地味ですが、いちばん確実に点になる投資です。

小問集合の取りこぼしは、意識ではなく手順で潰せます。もしお子さんの失点がどの型なのか見極めたい、過去問演習のなかで取りこぼしを減らしたいという場合は、マナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」をご覧ください。無料相談も受け付けています。

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