物理の勉強、「わかる」と「解ける」はどちらが先?
物理の勉強、「わかる」と「解ける」はどちらが先?
物理の勉強法について、よく聞かれることがあります。「公式を覚えて解き方を身につけるのと、原理をきちんと理解するのと、どちらを先にやるべきですか」という質問です。
本来の理想は、基礎基本の積み上げ
結論から言うと、理想は基礎基本を体系的に積み上げていくことです。力学なら運動の法則から始まり、エネルギーや運動量の保存則へとつながっていく。ひとつひとつの単元が独立しているのではなく、根っこの部分でつながっていることを理解しながら学ぶと、応用問題に出会ったときにも「これは前に学んだあの考え方の延長だ」と気づける力がついてきます。物理という科目は、暗記科目というより、少ない原理から多くの現象を説明できる体系だからこそ、この積み上げ方が本来もっとも効率のよい学び方だと感じています。
苦手意識のある生徒には、遠回りに感じられることも
ただ、実際に生徒と向き合っていると、この王道の順番がうまくいかないケースもあります。特に物理に苦手意識を持っている生徒の場合、いきなり「なぜこうなるのか」を突き詰めようとすると、理解が追いつかず、途中で「やっぱり自分には無理だ」と感じてしまうことが少なくありません。体系的な理解は本来遠回りではないはずなのに、苦手な生徒にとっては、かえって遠く感じられてしまうのです。
まずは「解ける」という成功体験を
そういうときは、順番を少し変えることがあります。まずは典型的な問題のパターンに沿って、実際に「解ける」という感覚を先に持ってもらう。公式の使いどころや解法の型を先に体に染み込ませてしまう、という方法です。最初は「なぜこの式を使うのか」が曖昧なままでもかまいません。大切なのは、物理の問題が解けるという成功体験を積むことで、「自分にもできる」という感覚を取り戻すことです。
「解ける」から「わかる」へ、後から立ち戻る
そのうえで、問題演習を重ねながら、少しずつ「この解き方はなぜ成り立つのか」という理屈の部分に立ち戻っていきます。すでに解ける形を知っているからこそ、後から原理の説明を聞いたときに「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちやすくなる。順番は逆になりますが、最終的には体系的な理解にたどり着くことを目指す点は変わりません。
大切なのは、生徒に合わせて見極めること
どちらの順番が合っているかは、生徒の状態によって変わります。得意な生徒には最初から体系立てて考える力を伸ばしてあげたいですし、苦手意識の強い生徒には、まず小さな成功体験を積んでもらうことを優先したい。大切なのは、目の前の生徒がいまどちらを必要としているかを見極めることなのだと思います。
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