総合型選抜に挑戦する生徒たちは、教科の勉強とどう向き合っているのか
総合型選抜に挑戦する生徒たちは、教科の勉強とどう向き合っているのか
総合型選抜への挑戦を決めると、志望理由書の作成や面接対策に多くの時間が割かれるようになります。その一方で、多くの大学では基礎学力を問う試験や、共通テストの結果を出願条件・評価対象に含めるケースも増えており、教科の勉強を完全に手放すわけにはいきません。今回は、総合型選抜に取り組みながら教科の勉強とどう向き合っているのか、その実態を見ていきます。
「触れない期間」が学力に与える影響
教科の勉強、特に積み上げが必要な科目は、公式や知識を覚えているかどうかよりも、考え方の感覚が土台になっているものが多くあります。この感覚は、数日離れただけならすぐに戻りますが、出願準備で数週間まとまって手が離れると、戻すのに想像以上の時間がかかることがあります。
総合型選抜に本格的に取り組んでいる生徒に共通して見られるのは、「教科の勉強をゼロにする」というよりも、「触れる頻度を落とさない」という工夫です。難しい問題に新しく取り組む時間は取れなくても、それまでに解いた問題を短時間で解き直す、基本事項を確認し直す、といった形で、最低限の接触を保っている生徒は、出願準備が落ち着いた後の学習再開がスムーズです。
出願準備と教科学習は、実は相性が悪くない部分もある
意外に思われるかもしれませんが、総合型選抜の準備と教科の勉強は、完全に対立するものではありません。志望理由書や面接では、自分の興味・関心を具体的な経験や学びと結びつけて説明することが求められます。授業や探究活動で得た気づきをそのまま志望理由の材料にできる場面も多く、教科の学びを言語化する作業自体が、出願準備を兼ねることもあります。
つまり、「出願準備の時間」と「教科の勉強の時間」を完全に別物として時間配分するのではなく、重なる部分を意識的に活用できるかどうかが、負担感を左右する一つの要素になっています。
一般選抜との併願を視野に入れている生徒の場合
総合型選抜が不合格だった場合に備えて一般選抜も視野に入れている生徒の場合、教科の勉強を止めるという選択肢自体がそもそもありません。このケースでは、出願準備の繁忙期にどれだけ「最低限のペース」を保てるかが、結果的に一般選抜側の仕上がりにも影響してきます。
逆に、総合型選抜一本に絞っている生徒であっても、大学によっては基礎学力を問う試験が課される場合があるため、油断して教科の勉強から完全に離れてしまうと、想定外のところでつまずくこともあります。
おわりに
総合型選抜に取り組むということは、教科の勉強をやめるということではなく、時間の配分やペースの保ち方が変わるということではないかと思います。忙しい時期こそ、新しいことに手を広げるより、それまで積み上げてきたものへの接触を絶やさないことが、結果的に学力の維持につながっていきます。
総合型選抜は、教科の勉強か出願準備かの二者択一ではなく、両方と付き合っていくことになる挑戦です。ペースを保ちながら進めていく前提で、準備を進めていただければと思います。
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