勉強が苦手な子に、いきなり問題を解かせない理由
「うちの子、勉強が苦手で……」
保護者の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
そんなとき、私はいきなり問題集を開いて「じゃあ、この問題を解いてみよう」とはしません。
もちろん、実際に問題を解いてもらうことも大切です。
ただ、その前に確認したいことがあります。
「本当に、その子は勉強が苦手なのか?」
ということです。
「できない」の中身を見てみる
例えば、算数の問題で間違えたとします。
そのとき、
「計算ができなかった」
だけで終わらせてしまうと、本当の原因が見えなくなります。
実際には、
問題文を最後まで読めていない
何を求める問題なのか分かっていない
どの計算を使えばいいのか判断できない
計算途中で自信をなくしてしまう
一度間違えると「もう無理」と諦めてしまう
など、さまざまな原因があります。
同じ「不正解」でも、原因はまったく違います。
だから私は、間違えた答えだけを見るのではなく、「なぜその答えになったのか」を見ることを大切にしています。
いきなり正解を教えない
私の授業では、子どもが問題で止まったときも、すぐに答えを教えることはできるだけ避けています。
「何を聞かれている?」
「分かっている数字はどれ?」
「まず何を求めたらよさそう?」
そんなふうに、一緒に整理していきます。
すると、
「……あ、これを先に出せばいいのか」
と、自分で気づくことがあります。
この瞬間が、とても大切です。
答えを教えてしまえば、その問題は解けます。
でも、自分で考えて答えにたどり着けば、次に似た問題が出てきたときの力になります。
「できた」を積み重ねる
勉強が苦手だと感じている子の中には、
「どうせ自分にはできない」
と、問題を見る前から諦めてしまう子もいます。
だからこそ、私は小さな「できた」を大切にしています。
「ここまでは自分でできたね」
「今の考え方は合ってるよ」
「じゃあ、次はここまで一人でやってみよう」
少しずつ自分でできる範囲を広げていきます。
もちろん、ずっと手助けするわけではありません。
最終的には、先生がいなくても自分で考えて問題に向き合える状態を目指します。
勉強が苦手=伸びない、ではありません
私は、これまで現役塾講師として多くの生徒を指導してきました。
その中で感じるのは、
「勉強が苦手」という言葉だけでは、その子のことは分からない
ということです。
どこでつまずいているのか。
何が原因で止まっているのか。
そして、どこからなら「自分でできる」のか。
そこを一緒に見つけていくことが、個別指導の大きな役割だと思っています。
もし今、
「勉強しなさいと言っても、なかなか取り組まない」
「問題を見るとすぐに諦めてしまう」
「家では勉強が進まないけれど、塾ではどうなのか知りたい」
と感じている方がいらっしゃいましたら、まずは「何ができないのか」ではなく、「どこで止まっているのか」を一緒に見つけてみませんか。
一人ひとりの現在地を確認しながら、無理なく「できる」を増やしていく。
それが、私が個別指導で大切にしていることです。
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