中学生の数学が苦手な子は、実は計算が苦手とは限りません
「うちの子、数学が苦手なんです」
保護者の方から、よく聞く言葉です。
そして、数学が苦手と聞くと、
「じゃあ、計算問題をたくさん練習させよう」
と考えることも多いと思います。
もちろん、計算力は数学の土台です。
計算練習も必要です。
ただ、現役の塾講師として中学生を指導していると、数学の点数が伸びない原因が、必ずしも計算にあるとは限らないと感じることがあります。
むしろ、
「計算はできるのに、文章題になると急にできなくなる」
という生徒さんも少なくありません。
では、いったいどこでつまずいているのでしょうか。
「数学が苦手」の中身は、実は一つではありません
例えば、数学の問題を解いているときに、
計算そのものができない
問題文の意味が分からない
何を求めればいいのか分からない
問題に出てきた数字が何を表しているのか分からない
どの公式を使えばいいのか判断できない
式は立てられるけれど計算で間違える
答えは出せるけれど、答え方が不十分
このように、つまずいている場所はさまざまです。
つまり、
「数学が苦手」=「計算ができない」
とは限りません。
ここを見間違えると、勉強しているのに結果が出ない、という状態になってしまいます。
例えば「計算はできるのに文章題が苦手」な場合
簡単な計算問題を出してみると、
3×4=12
これはできる。
ところが文章題になると、
「何を掛ければいいの?」
となってしまう。
この場合、計算能力そのものが問題なのではありません。
「問題文を読んで、必要な情報を整理する力」
の部分でつまずいている可能性があります。
だから、この生徒さんにひたすら計算問題だけを解かせても、文章題が急に得意になるとは限りません。
必要なのは、
「この3は何を表している?」
「この4は何?」
「問題では何を求めている?」
と、一つずつ整理する練習です。
「公式を覚えたのに解けない」のも同じです
数学では、
「公式を覚えれば解ける」
と思われがちです。
もちろん、公式を覚えることは大切です。
でも、公式を知っているだけでは、問題を解けないことがあります。
例えば、
「この問題では、どの公式を使えばいい?」
という判断ができなければ、せっかく覚えた公式を使うことができません。
ここでも必要なのは、単純な計算練習だけではありません。
問題文を読んで、
「これは何を求める問題なのか」
を判断する力が必要になります。
数学が苦手な子に、まず確認してほしいこと
お子さんが数学でつまずいているとき、
「もっと計算しなさい」
と声をかける前に、一度こんな質問をしてみてください。
「この問題、何を求める問題?」
これだけでも構いません。
答えを聞くのではなく、問題の目的を説明してもらうのです。
もし、
「分からない」
となった場合は、計算以前のところでつまずいている可能性があります。
その場合は、いきなり計算問題を増やすのではなく、
問題文を読んで、条件を整理する練習
から始めたほうがよいかもしれません。
数学の問題は「計算する前」が大切です
私は数学の問題を解くとき、
① 問題を読む
② 何を求めるのか確認する
③ 分かっている数字を整理する
④ どんな考え方を使うか決める
⑤ 計算する
⑥ 出した答えが何を表しているか確認する
という流れを意識してもらうようにしています。
もちろん、すべての問題でこの順番を意識する必要があるわけではありません。
ただ、数学が苦手な生徒さんほど、
「とりあえず数字を見つけて計算する」
という解き方になっていることがあります。
これでは、少し問題の形が変わっただけで解けなくなってしまいます。
「どこで間違えたか」を見つける
数学の勉強で大切なのは、
「間違えた」ことより、「なぜ間違えたのか」を知ること
です。
例えば、
計算で間違えた
→ 計算練習が必要かもしれません。
問題の意味が分からなかった
→ 読み取りや条件整理の練習が必要です。
解き方が分からなかった
→ 公式や解法の使い分けを練習する必要があります。
答えは合っているけれど書き方が不十分
→ 答案の作り方を練習する必要があります。
同じ「数学の間違い」でも、必要な勉強は変わります。
だからこそ、間違えた問題をただ解き直すだけではなく、「どこで止まったのか」を確認することが大切です。
たくさん勉強しているのに伸びないときは
前回の記事でも書きましたが、数学では「問題をたくさん解く」ことだけが勉強ではありません。
大切なのは、
「できなかった問題を、できる問題に変えていくこと」
です。
そして、そのためにはまず、
「なぜできなかったのか」
を見つける必要があります。
計算が原因なら計算を練習する。
問題文の理解が原因なら、問題文を整理する練習をする。
解き方の選択が原因なら、類題を繰り返してパターンを身につける。
このように、原因に合わせて勉強方法を変えることが、数学の成績を伸ばすうえで重要です。
「数学が苦手」で終わらせない
「数学が苦手」と言われると、どうしても、
「この子は数学ができない」
と考えてしまいがちです。
でも実際には、
「数学のどこが苦手なのか」
まで細かく見ていくと、違う姿が見えてくることがあります。
計算はできる。
でも文章題が苦手。
公式は覚えている。
でも使い分けが苦手。
解き方は分かっている。
でも途中式や答え方でミスをする。
こうした一つ一つのつまずきを見つけていけば、対策も変わってきます。
最後に
数学の成績が伸び悩んでいるとき、
「もっと計算問題をやらせなきゃ」
と考える前に、
「この子は、数学のどこで止まっているんだろう?」
と考えてみてください。
数学の苦手には、いろいろな種類があります。
そして、原因が分かれば、勉強のやり方も変えられます。
「数学が苦手」ではなく、
「数学の○○が苦手」
まで具体的にしてあげる。
それが、数学を伸ばすための最初の一歩になると思います。
🌱 澪耶先生より
私は現役の塾講師として、中学生の数学を指導する中で、「どこでつまずいているのか」を一緒に見つけることを大切にしています。
「数学が苦手だけど、何から勉強すればいいか分からない」
「計算問題はできるのに、文章題になるとできない」
「勉強しているのに、なかなか点数につながらない」
そんな場合は、まず現在の学習状況を整理してみることから始めてみてください。
苦手なところを一つずつ見つけて、できるところから積み上げていけば大丈夫です。
マナリンクでの授業でも、お子さまの現在の理解度を確認しながら、必要なところから一緒に取り組んでいきます。
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