オンライン家庭教師マナリンク
中学数学

勉強量を増やせば、成績は上がる?」現役塾講師が感じる“やりすぎ”の落とし穴

2026/9/4

「成績を上げるために、もっと勉強させないと……」

保護者の方から、こんな相談をいただくことがあります。

もちろん、成績を上げるためにはある程度の勉強量が必要です。

勉強しなければ、できるようになることもありません。

ただ、現役塾講師として長く生徒を見ていると、もう一つ大切だと感じることがあります。

それは、

「勉強した時間や問題数」と「実際に身についた量」は、必ずしも同じではない

ということです。

今回は、私が日々の指導の中で感じている「勉強のやりすぎ」についてお話しします。

「たくさんやる=成績が上がる」ではない

例えば、数学の問題を10問解いたとします。

10問すべて終わった。

宿題もちゃんと提出できた。

これだけを見ると、

「よく頑張った!」

と思いますよね。

もちろん、頑張ったこと自体は素晴らしいです。

ただ、ここで一度考えてみてほしいことがあります。

その10問を、数日後にもう一度解いたらどうなるでしょうか?

「解き方を説明できる」

「何も見ずに解ける」

「数字が変わっても解ける」

ここまでできて、初めて「身についた」と言える問題もあります。

つまり、

10問やったことよりも、その10問が後から自力で解けるかどうかのほうが大切

なのです。

「終わらせること」が目的になっていませんか?

勉強量を増やしたときに、私が少し心配になるのがこれです。

「勉強する」ことより、「宿題を終わらせる」ことが目的になってしまう。

例えば、

「あと20問あるから、とにかく終わらせよう」

となると、1問1問を考える時間が短くなります。

間違えても、

「まあ次!」

と進んでしまう。

そして、最後まで終わったときには、

「今日の宿題は全部終わった!」

という達成感はあるけれど、

「じゃあ、何ができるようになった?」

と聞かれると、答えられない。

こうなってしまうと、少しもったいないですよね。

一番怖いのは「分かったつもり」

さらに注意したいのが、

授業直後は解けるのに、時間が経つと解けなくなる

という状態です。

先生の説明を聞いた直後なら、解き方を覚えています。

だから、

「分かった!」

「できた!」

となります。

でも、次の日に同じ問題を出されたら、

「……あれ?」

となることがあります。

これは決して珍しいことではありません。

だから私は、授業で解けたことだけを見て、

「完璧に理解した」

とは判断しないようにしています。

少し時間を空けて、もう一度自分の力で解いてみる。

そこで初めて、本当に身についているかが見えてきます。

大切なのは「量」より「定着」

では、勉強量を減らせばいいのでしょうか。

私は、そうは思っていません。

必要な勉強量は、しっかり確保するべきです。

ただし、

「何問やったか」

だけではなく、

「どれだけ自分の力として残ったか」

を見ることが大切だと思っています。

例えば、

10問を一気に解く。

↓

その日のうちに全部終わらせる。

↓

次の日には忘れている。

という勉強より、

5問を丁寧に解く。

↓

間違えた問題を確認する。

↓

数日後にもう一度解く。

↓

自力で解けることを確認する。

という勉強のほうが、結果的に力につながることがあります。

「同じ問題をもう一度やる」のは、もったいなくない

「一度やった問題を、またやるの?」

そう思う方もいるかもしれません。

でも、私はむしろ逆だと思っています。

一度解いただけで終わらせてしまうほうが、もったいない。

特に間違えた問題は、

「できなかった問題」

ではなく、

「これからできるようになる問題」

です。

だからこそ、時間を空けてもう一度確認する。

そして、

「今度は自分で解けた!」

という経験を積み重ねる。

この繰り返しが、少しずつ「できる」を増やしていきます。

ご家庭では、まず「全部終わった?」ではなく……

ご家庭で勉強を見るとき、

「宿題終わった?」

と確認することも多いと思います。

もちろん、それも大切です。

でも、たまにはこんな声かけをしてみてください。

「今日やった中で、一番難しかったのはどれ?」

「昨日間違えた問題、今日はできそう?」

「この問題、どうやって解いたか説明できる?」

こうした質問をすると、

「終わったかどうか」ではなく、

「何が身についたか」

に目を向けることができます。

私が授業で大切にしていること

私自身、現役の塾講師としてこれまで多くの生徒を指導してきました。

その中で感じるのは、

生徒によって「ちょうどいい勉強量」は違う

ということです。

同じ10問でも、すぐに終わる子もいれば、1問1問じっくり考える子もいます。

だから私は、

「とにかくたくさんやろう」

ではなく、

「今、この子に必要なのは何なのか」

を考えながら授業や宿題を組み立てるようにしています。

たくさん問題を解くことが必要な時期もあります。

一方で、あえて問題数を絞って、同じ内容をもう一度確認したほうがいい時期もあります。

大切なのは、

「やった量」ではなく「できるようになった量」。

私はそう考えています。

最後に

勉強量を増やすことは、決して悪いことではありません。

むしろ、目標に向かって努力するためには必要なことです。

ただ、

「たくさんやったから大丈夫」

とは限りません。

勉強した内容が、

「翌日もできる」

「数日後もできる」

「少し形が変わってもできる」

ところまで残っているか。

そこまで確認してあげることが、成績を伸ばすうえで大切だと思います。

勉強は、やった量を競うものではありません。

昨日できなかったことが、今日できるようになった。

その積み重ねが、 eventually……じゃなくて😂
本当の意味での「成長」につながっていくと、私は考えています。

「うちの子は勉強しているのに、なかなか成績につながらない」

そんなときは、勉強量だけではなく、

「やったことが、ちゃんと身についているか」

を一度見直してみるのもいいかもしれません。

このブログを書いた先生

この先生のおすすめコース

中学数学の月額コース
定期テスト・数学|自力で解ける状態を目指す!点数アップ講座
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
定期テスト・数学|自力で解ける状態を目指す!点数アップ講座
20,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
中学1〜3年生
  • 勉強しているのに、定期テストになると点数につながらない方
  • テスト前になると「何から勉強すればいいか分からない」となってしまう方
  • 間違えた問題を解き直しても、似た問題になるとまた間違えてしまう方
コースの詳細を見る

このブログに関連するオンライン家庭教師はこちら

中学生の数学対策におすすめの指導コース

中学数学の月額コース
不登校中学生|数学の遅れを安心サポート
三者面談あり
成功体験重視型
無料体験あり
不登校中学生|数学の遅れを安心サポート
35,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
中学1〜3年生
  • 学校を休みがちな中学生の数学学び直しに
  • 前の学年まで戻って自分のペースで進めたい方に
  • 週1回の個別指導で学習の区切りを作りたい方に
コースの詳細を見る
中学数学の月額コース
現役エンジニアによる丸暗記しない『論理的思考』で解く中学数学
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
現役エンジニアによる丸暗記しない『論理的思考』で解く中学数学
18,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
中学1〜3年生
  • 公式の丸暗記ではなく、「なぜそうなるのか」を根本から理解し、納得して学習を進めたい生徒さん。
  • 「数学は何の役に立つの?」と疑問の方。現役エンジニアが実社会での活用例を交えて教えます。
  • 文章題や初見の問題が苦手な方。問題を整理し、論理的に解く「エンジニア流の思考法」を伝授します。
コースの詳細を見る
中学数学の月額コース
【高校受験】数学だけ苦手で偏差値が伸びない中学生へ
三者面談あり
タイプ別
無料体験あり
【高校受験】数学だけ苦手で偏差値が伸びない中学生へ
24,000円/月
1回45分(月4回(週1回目安))
中学1〜3年生
  • 国語・英語は自信があるのに、数学のせいで合計得点の偏差値が下がってしまう子
  • 数学の得点向上に悩んでいる子
  • 真面目にやっているのに手応えがない子
コースの詳細を見る
中学数学の月額コース
IB・MYP数学:本質を知る元大学准教授の先手必勝指導
アウトプット重視型
無料体験あり
IB・MYP数学:本質を知る元大学准教授の先手必勝指導
39,000円/月
1回60分(月4回(週1回目安))
中学2・3年生
  • MYP(Grade 8-9)に在籍中で、学校の授業の一歩先を走る先手必勝の学習習慣を作りたい
  • 将来のDP進級を見据え、Math(HL/SL)の土台となる本質理解を今のうちに完成させたい
  • 世界で通用する論理的思考力をMYPの段階から身につけ、将来の国内外の難関大学進学へ繋げたい
コースの詳細を見る
57,000円
60分(全10回)
中学1〜3年生
  • 1学期の進度についていけず、「体系数学」や「プライム数学」で躓きを感じている方
  • 関数や図形(証明)などで「分からない」が積み重なり、数学への自信を失っている方
  • 夏休みの「中だるみ」を防ぎ、2学期からの巻き返し・先取りの貯金を作りたい方
コースの詳細を見る

中学数学のブログ

家庭学習で本当に大切なこと。勉強時間よりも大事にしたい「自分で考える力」

「毎日勉強しているのに、なかなか成績が伸びない」「宿題は終わらせているけれど、本当に理解できているのか分からない」お子さまの学習について、このような悩みを感じたことはありませんか?家庭学習というと、勉強時間や問題を解いた量に目が向きがちです。もちろん、継続して学習することは大切です。しかし、私はそれと同じくらい、勉強した内容が本当に身についているかを大切にしたいと考えています。今回は、日々の学習をより実りあるものにするために、家庭学習で意識したいことについてお話しします。1.「問題を解いた」と「理解できた」は違う例えば、算数の問題を解いたとします。答えが合っていれば、それだけで理解できたと言え...続きを見る
澪耶の写真
澪耶オンライン家庭教師
2026/10/22

中2の一次関数でつまずいたとき、最初に確認したい3つのこと

「式・表・グラフが出てきて、何をしているのか分からない」「比例はできたのに、一次関数になったら急に点数が下がった」2学期のこの時期、中学2年生の保護者の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。こんにちは。35年以上、算数・数学の指導に携わってきた、きゅうご先生です。一次関数は、中2数学の中でもつまずく子が多い単元です。ただ、「一次関数が苦手」に見えても、実際には一次関数の手前で止まっていることが少なくありません。問題集を増やす前に、次の3つを確認してみてください。① 「y=ax+b」のaとbが、何を表しているか言えるか式は覚えていても、aが「xが1増えたときのyの増え方」、bが「x=0...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/10/18

「解説を聞けば分かるのに、自分一人だと解けない」——その原因は、理解力だけの問題ではありません

「先生の説明を聞いているときは分かるんです。でも、一人で問題を解こうとすると分からなくなってしまいます」学習相談や日々の指導の中で、こうした悩みに出会うことがあります。解説を聞けば納得できる。途中式を見れば「そういうことか」と思える。ところが、同じような問題を目の前にすると、最初の一歩が出てこない。このような状態が続くと、本人も不安になります。「さっきは分かったはずなのに」「ちゃんと説明を聞いていたのに」「自分は数学が苦手なのかもしれない」しかし、ここで考えたいのは、解説を聞いて理解できることと、自分の力で問題を解けることは、必ずしも同じではないという点です。今回は、この違いと、指導の中で大切...続きを見る
澪耶の写真
澪耶オンライン家庭教師
2026/10/16

毎日 コツコツ 着実に

学力を強化する上で大切なことそれは毎日コツコツと着実に続けることです。やるきの有無だけで、勉強をやったりやらなかったりではなく毎日やると決めたことは必ずやること。勉強を習慣化することで安定した学力が身についていきます。しっかりとサポート・フォローしてまいりますので、いっしょに頑張っていきましょう。続きを見る
遠藤の写真
遠藤オンライン家庭教師
2026/10/12

HSP・発達特性のある中学生が、数学のテストで実力を出せない理由

「家では解けるのに、テストになると解けない」「授業では理解しているようなのに、点数につながらない」そんなお悩みはありませんか。35年以上、算数・数学の指導に携わってきたきゅうご先生です。数学のテストで点数が取れないと、どうしても勉強不足や理解不足を疑いたくなります。しかし、原因はそれだけとは限りません。「分からない」と「できない」は違います例えば、普段は方程式を解ける生徒でも、テストでは符号を間違えたり、途中式を書き忘れたりすることがあります。問題が多くて焦る、周囲の音が気になる、失敗したくない気持ちが強くなるなど、さまざまな要因が考えられます。HSPと呼ばれる敏感さや発達特性のあるお子さんの...続きを見る
きゅうごの写真
きゅうごオンライン家庭教師
2026/10/10

新学年の前にやっておきたい「苦手単元の棚卸し」3ステップ

「うちの子、数学が苦手で……」保護者の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。ただ、「数学が苦手」と一言で言っても、実際に授業で様子を見てみると、つまずいている場所は一人ひとり違います。計算はできるけれど文章題になると止まってしまう子。割合になると急に分からなくなる子。解き方は分かっているのに、計算ミスが多い子。問題文を最後まで読まずに、なんとなく式を作ってしまう子。このように、「苦手」という言葉の中身を具体的にしていくことが、学習を立て直す第一歩だと私は考えています。そこで今回は、苦手単元を整理するときにおすすめしたい3つのステップをご紹介します。① まずは「テスト」を見返す最初に確...続きを見る
澪耶の写真
澪耶オンライン家庭教師
2026/9/28

この先生の他のブログ

澪耶の写真

家庭学習で本当に大切なこと。勉強時間よりも大事にしたい「自分で考える力」

2026/10/22
「毎日勉強しているのに、なかなか成績が伸びない」「宿題は終わらせているけれど、本当に理解できているのか分からない」お子さまの学習について、このような悩みを感じたことはありませんか?家庭学習というと、勉強時間や問題を解いた量に目が向きがちです。もちろん、継続して学習することは大切です。しかし、私はそれ...
続きを読む
澪耶の写真

「解説を聞けば分かるのに、自分一人だと解けない」——その原因は、理解力だけの問題ではありません

2026/10/16
「先生の説明を聞いているときは分かるんです。でも、一人で問題を解こうとすると分からなくなってしまいます」学習相談や日々の指導の中で、こうした悩みに出会うことがあります。解説を聞けば納得できる。途中式を見れば「そういうことか」と思える。ところが、同じような問題を目の前にすると、最初の一歩が出てこない。...
続きを読む
澪耶の写真

過去問は解けるのに、本番で解けない。その原因は「解き方の暗記」かもしれません

2026/10/10
「過去問を何度も解いているのに、なかなか成績が安定しない」「前に解いた問題ならできるのに、少し問題の聞き方が変わると解けなくなる」中学受験を控えたお子様について、このようなお悩みをお持ちの保護者様はいらっしゃいませんか?受験が近づくと、過去問演習に取り組む機会が増えていきます。もちろん、過去問を解く...
続きを読む
澪耶の写真

「分かっているのに点が取れない」を減らす。中学生のテストで大切な“最後の詰め”

2026/10/3
中学生の指導をしていると、「この問題、考え方は合っているのに……」「途中まではできているのに、最後で間違えている……」という答案を目にすることがあります。こうした場合、単純に「勉強が足りない」とは限りません。実は、知識や考え方は身についてきているのに、それを最後まで正確に答案へ落とし込む力が不足して...
続きを読む