勉強しているのに、なぜか成績が伸びない?中学生に多い『やったつもり勉強』の正体
「毎日ちゃんと勉強しているのに、テストになると点数が取れない」
「宿題もやっているのに、前にやった問題をもう一度出すと解けない」
「勉強時間はそれなりに確保しているはずなのに、成績が上がらない」
中学生のお子さんを見ていて、こんな悩みを感じたことはありませんか?
実は、こうしたケースでは勉強量そのものではなく、「勉強のやり方」に原因があることがあります。
今回は、現役塾講師として多くの生徒を指導してきた経験から、「やったつもり勉強」になってしまう原因と、そこから抜け出すための方法についてお話しします。
「勉強した」と「身についた」は違う
まず、一番大切なのがここです。
問題を解いたことと、その問題ができるようになったことは別物です。
例えば、授業で先生から解き方を教えてもらい、その場では正解できたとします。
「分かった!」
と思って次の問題へ進む。
ところが、数日後に同じ問題を解いてみると……
「あれ?どうやるんだっけ?」
となる。
これは珍しいことではありません。
その場で理解できたことと、自分一人で再現できることには大きな違いがあります。
だからこそ、勉強では「一度できたか」ではなく、
時間を空けても、自分の力でできるか
を見ることが重要です。
宿題を終わらせることが目的になっていない?
もう一つ気をつけたいのが、宿題の取り組み方です。
もちろん宿題をやること自体は大切です。
ただ、
「早く終わらせよう」
という気持ちが強くなりすぎると、いつの間にか
勉強する → 理解する
ではなく、
問題を解く → 答え合わせする → 終了
という作業になってしまうことがあります。
特に疲れているときや、宿題の量が多いときには起こりやすいです。
これでは、たくさん問題を解いているように見えても、実際には知識や考え方が十分に定着していないことがあります。
「間違えた問題」は宝物
では、どうすればいいのでしょうか。
私が大切にしているのが、
間違えた問題を、もう一度解くこと
です。
ここでポイントなのは、答えを写して終わりにしないこと。
例えば数学で間違えた問題があったら、
① なぜ間違えたのか確認する
↓
② 解き方を理解する
↓
③ もう一度、自分だけで解く
↓
④ 数日後にもう一度解く
↓
⑤ 数字や条件を変えた類題に挑戦する
という流れを作ります。
「一回間違えたから、次は気をつけよう」
だけでは、なかなか定着しません。
同じ考え方を何度も使ってみることが大切です。
新しい問題をどんどん進めればいいわけではない
勉強が苦手なお子さんほど、
「もっとたくさん問題をやらなきゃ!」
と考えてしまうことがあります。
しかし、必ずしも問題数を増やすことが正解とは限りません。
例えば、
Aというタイプの問題を解く
間違える
解説を見る
次のBという問題へ進む
また間違える
Cへ進む
これを繰り返していると、「問題を解いた数」は増えても、「できるようになった問題」は増えていないということがあります。
それなら、
10問を1回ずつやるより、
3問を「自力でできるまで」繰り返す。
という勉強の方が効果的な場合もあります。
もちろん、必要な演習量はお子さんによって違います。
だからこそ、量と定着のバランスを見ることが重要です。
「同じ問題」を繰り返すのは恥ずかしいことじゃない
「もうこの問題やったから、次に行こう」
と思うお子さんもいます。
でも、私はむしろ逆だと考えています。
一度やった問題を、
「今なら一人で解けるかな?」
と確認することは、とても大切な勉強です。
さらに一段階進めるなら、数字や条件を少し変えた類題に挑戦します。
同じ問題なら解ける。
でも、数字が変わったら解けない。
ここまで来たら、まだ「完全に身についた」とは言えません。
形が変わっても同じ考え方を使えるか。
ここまでできるようになって、初めて本当の意味で「理解した」と言えるのではないでしょうか。
国語でも「やったつもり」は起こります
これは数学だけの話ではありません。
国語でも、
「文章は読んだ」
「答えは書いた」
「丸つけもした」
だけで終わってしまうことがあります。
しかし、国語の記述問題では、
なぜその答えになるのか
を説明できることが重要です。
例えば、
「主人公は悲しかった」
と答えたとしても、
「本文のどこからそう判断したの?」
と聞かれたときに説明できなければ、まだ十分とは言えません。
本文中の根拠を見つけ、
「この部分があるから、こういう気持ちだと考えられる」
というところまで考える。
これも「解いた」から「身についた」への大切な一歩です。
家庭でできる「定着チェック」
ご家庭でも簡単にできる方法があります。
お子さんが問題を解き終わったら、
「今日できた?」ではなく「明日もう一回できそう?」
と聞いてみてください。
そして翌日、実際に1〜2問だけ確認してみる。
さらに数日後にもう一度確認する。
これだけでも、
「分かったつもり」
と
「本当に身についた」
の違いが見えてきます。
大切なのは、毎回大量の問題をやらせることではありません。
忘れかけた頃に、もう一度思い出す。
この繰り返しが、学力の土台を作っていきます。
成績を伸ばすために大切なのは「量」だけではない
勉強では、どうしても
「何時間やったか」
「何ページやったか」
「何問解いたか」
という数字に目が向きます。
もちろん、それらも大切です。
ただ、本当に見てほしいのは、
「昨日できなかったことが、今日はできるようになったか」
です。
そして、
「先生がいなくても、自分一人で再現できるか」
です。
勉強は、やった量だけで決まるものではありません。
理解する → 解く → 間違える → 直す → もう一度解く → 類題で確認する
このサイクルを丁寧に回していくことが、確かな力につながります。
まとめ
「勉強しているのに成績が伸びない」というとき、まず確認してほしいのは勉強時間だけではありません。
問題を解いて終わりになっていないか
間違えた問題をもう一度解いているか
時間を空けて再確認しているか
数字や条件が変わっても解けるか
「なぜそうなるのか」を説明できるか
このあたりを一度チェックしてみてください。
「やったつもり」を「できる」に変える。
そのためには、むやみに新しい問題を増やすのではなく、今まで学んだことを確実に定着させる時間も必要です。
お子さんによって、必要な勉強量も、つまずいているポイントも違います。
「勉強しているのに結果につながらない」
そんなときは、勉強時間を増やす前に、勉強の中身を一度見直してみることをおすすめします。
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