2学期から世界史は何をする?|バラバラ暗記から「流れ」で得点につなげる学習法
夏休みが終わり、2学期に入ると、
「まだ世界史の通史が終わっていない」
「一問一答なら答えられるのに、模試になると点数が取れない」
「中国史とヨーロッパ史が頭の中でバラバラになっている」
「そろそろ過去問を始めた方がいい?」
と不安になる受験生も多いと思います。
世界史は覚える人物・国・制度・出来事が多いため、焦るほど一問一答などの暗記に時間を使ってしまいがちです。
しかし、2学期から特に意識してほしいのは、
知識を増やすだけでなく、「つなげて使える知識」に変えること
です。
今回は、2027年入試を目指す受験生に向けて、9月以降の世界史をどのように勉強すればよいのかを整理します。
共通テスト世界史は「用語を知っている」だけでは解きにくい
大学入試センターが公表している2027年度(令和9年度)の「歴史総合,世界史探究」の問題作成方針では、個別の事実に関する知識だけではなく、歴史的事象の意味・特色・相互の関連を考察する力を重視しています。
また、教科書などでそのまま扱われていない資料から情報を読み取り、学習した知識と関連付けたり、時代や地域を超えて特定のテーマを考察したりする問題も想定されています。 (デジタルネイティブカレッジ)
つまり、
「ルター=宗教改革」
「コロンブス=アメリカ大陸到達」
と単語だけを覚えるのではなく、
なぜその出来事が起こったのか
↓
同じころ他の地域では何が起きていたのか
↓
その結果、社会や世界はどう変わったのか
まで考えることが大切になります。
そこで、2学期から意識してほしいのが、
「タテ×ヨコ×因果関係」
です。
まず、自分がどの段階にいるか確認しよう
9月になったからといって、全員が同じ勉強をする必要はありません。
まず現在地を確認しましょう。
① まだ通史が終わっていない
この場合は、細かな用語を完璧にするよりも、まず一度最後まで進むことを優先します。
たとえば、
「古代オリエントはかなり詳しいけれど、中国近現代史はほとんど手をつけていない」
という状態は避けたいところです。
最初の1周では、すべての用語を覚える必要はありません。
古代から現代まで、
「どのような国・社会が生まれ、何が原因で次の時代へ移っていったのか」
という大きな流れをつかみます。
細かな知識は2周目、3周目で足していけば大丈夫です。
② 一問一答はできるのに模試で取れない
このタイプは、問題演習を増やす段階です。
たとえば、
「三十年戦争」
という言葉だけを覚えるのではなく、
「なぜ始まった?」
「主な舞台はどこ?」
「どの条約で終わった?」
「その後のヨーロッパの国際関係はどう変化した?」
と確認します。
知識を「点」で持つのではなく、線につなげるイメージです。
③ 地域ごとの歴史がバラバラになっている
世界史で特に起こりやすい悩みです。
「中国史は中国史」
「ヨーロッパ史はヨーロッパ史」
「イスラーム史はイスラーム史」
として勉強していると、地域をまたぐ問題や年代整序で混乱します。
この場合は、
「そのころ、世界の別の地域では何が起こっていた?」
と考えてみましょう。
これが世界史の**「ヨコ」**です。
9月|まず「タテ」の流れを完成させる
9月に優先したいのは、地域ごとの歴史の流れです。
たとえば中国史なら、
秦→漢→魏晋南北朝→隋→唐→宋→元→明→清
と王朝名だけを言える状態から一歩進めます。
「なぜ漢は衰退したのか」
「隋と唐の制度にはどのようなつながりがあるのか」
「唐から宋になると政治・社会・経済はどう変わったのか」
まで確認していきます。
ヨーロッパ史でも、
古代ローマ
→ゲルマン諸国家
→フランク王国
→中世ヨーロッパ
→ルネサンス・宗教改革
→主権国家体制
という大きな流れを、自分の言葉で説明できるか確認してみましょう。
最初から細部を完璧にする必要はありません。
まずは歴史の骨組みを作ります。
10月|「ヨコ」のつながりを作る
通史がある程度進んだら、今度は地域同士をつないでいきます。
たとえば13世紀。
ヨーロッパだけを見れば中世ですが、ユーラシア大陸全体に視点を広げると、モンゴル帝国が急速に拡大した時代でもあります。
そこで、
「モンゴル帝国が成立したころ、中国では?」
「イスラーム世界では?」
「ヨーロッパとはどのような交流があった?」
と見ていきます。
18世紀後半であれば、
アメリカ独立革命
フランス革命
産業革命
を別々の単元として覚えるだけではなく、
「なぜこの時期に政治・社会・経済の大きな変化が相次いだのか」
と考えてみます。
世界史は、このヨコのつながりが見えてくると、バラバラだった知識が一つの世界としてつながってきます。
11月|「なぜ?」を説明する練習を増やす
11月頃から意識したいのが、因果関係です。
たとえば、
「なぜ第一次世界大戦が起きたのか?」
と聞かれたとき、
「サラエボ事件」
だけで終わっていないでしょうか。
サラエボ事件は戦争開始のきっかけですが、その背景には、
帝国主義、列強間の対立、軍拡競争、民族問題、三国同盟と三国協商などがあります。
つまり、
背景
→きっかけ
→出来事
→結果
という形で整理します。
「なぜ?」と「その後どうなった?」をセットで考える習慣をつけると、正誤問題にも強くなります。
選択肢を見たとき、
「この制度は、この出来事より後だからおかしい」
「この人物の時代とは合わない」
と判断できるようになるからです。
11月以降は史料・地図・グラフにも慣れよう
共通テストを受ける方は、文章だけではなく、
史料、地図、年表、写真、統計、複数資料の比較などにも慣れておきたいところです。
大切なのは、
「見たことのない資料だから分からない」と諦めないこと。
まず、
「何時代だろう?」
「どの地域について書かれている?」
「知っている人物・制度・地名はない?」
と探します。
大学入試センターの問題作成方針でも、初めて見る資料から得られる情報と、それまでに学習した知識を関連付けて考える問題が想定されています。 (デジタルネイティブカレッジ)
資料問題は、
「知らない資料を暗記する問題」ではなく、「知っている知識を使う問題」
と考えてみてください。
12月|過去問で「知識の穴」と「つながり」を見つける
12月に入ったら、共通テスト形式や志望校の過去問を使った演習を増やしていきます。
ただし、過去問は単に、
「何点取れたか」
を確認するためだけのものではありません。
世界史では問題を解くことで、
覚えたつもりだった知識
地域同士のつながりが曖昧な部分
時代の前後関係を混同している部分
を見つけることができます。
たとえば中国史の問題を間違えたとしても、
「この人物を覚えていなかった」
だけで終わらせません。
「この王朝の前後関係は説明できる?」
「同じ時代のヨーロッパでは何が起きていた?」
「この制度が生まれた背景は?」
と、周辺まで広げて確認します。
間違えた原因も、
「用語そのものを知らなかった」
「年代や王朝を混同した」
「似た制度・人物を取り違えた」
「地域同士のつながりが分かっていなかった」
「原因と結果を理解していなかった」
「資料から必要な情報を読み取れなかった」
などに分けてみましょう。
たとえば「ウィーン体制」で間違えたなら、
フランス革命
→ナポレオン戦争
→ウィーン会議
→ウィーン体制
→1848年革命
→国民国家形成
まで戻って確認します。
12月は新しい知識を大量に増やすというより、
これまで覚えてきた知識を整理し、つなぎ直す時期
と考えるとよいでしょう。
2027年入試に向けて復習しておきたい世界史テーマ
ここからは、2027年という年をきっかけに復習しておきたいテーマを紹介します。
もちろん、
「○周年だから入試で必ず出題される」という意味ではありません。
実際の入試問題を予測することはできません。
ただし、節目となる出来事を入口に、その前後の歴史をまとめて復習することには意味があります。
① 1777年から250年|アメリカ独立革命
1777年にはサラトガの戦いがあり、イギリス軍が降伏しました。米国国立公園局も、サラトガでの勝利を独立戦争の転換点として位置付け、外国からの支援獲得につながった重要な出来事と説明しています。 (国立公園局)
ここではサラトガの戦いだけではなく、
七年戦争
→イギリスの植民地政策
→アメリカ独立戦争
→フランスの参戦
→アメリカ独立
→フランス革命
までつなげてみましょう。
さらに、
アメリカ独立革命・フランス革命・ラテンアメリカ独立
を比較することで、18~19世紀の大西洋世界を広く復習できます。
② 1947年から80年|インド独立と脱植民地化
インドは1947年8月15日に独立しました。インド政府の公式資料でも、この日を植民地支配からの独立達成として位置付けています。 (広報情報局)
ここでは、
イギリスのインド支配
→インド国民会議
→民族運動
→ガンディー
→第二次世界大戦
→インド・パキスタン分離独立
という流れを確認します。
さらに、
「なぜ第二次世界大戦後、アジアやアフリカで独立が相次いだのか」
まで広げてみましょう。
インド史だけで終わらせず、
帝国主義から脱植民地化へ
という大きな歴史の変化として捉えることがポイントです。
③ 1957年から70年|ローマ条約とヨーロッパ統合
1957年3月25日にはローマ条約が署名され、EEC(ヨーロッパ経済共同体)設立へとつながりました。現在のEUへ至るヨーロッパ統合の重要な節目です。 (European Union)
ここでは、
第二次世界大戦
→ヨーロッパ復興
→冷戦
→ECSC
→EEC
→EC
→EU
という流れを確認します。
単に、
「EEC=1957年」
と覚えるのではなく、
「なぜ二度の世界大戦を経験したヨーロッパが統合へ向かったのか」
まで説明できると理解が深まります。
④ 1967年から60年|第三次中東戦争と中東問題
1967年6月5日から10日にかけて、第三次中東戦争(六日戦争)が起こりました。米国務省の公式史料でも、この期間の戦争とその後の外交過程が整理されています。 (歴史省)
このテーマでは、1967年だけを覚えるのではなく、
第一次世界大戦と中東
→パレスチナ問題
→イスラエル建国
→第一次・第二次中東戦争
→第三次中東戦争
→その後の中東和平・パレスチナ問題
と長い時間軸で整理してみましょう。
中東史は国名・人物名・戦争名を個別に覚えると混乱しやすい分野です。
そこで、
「誰と誰が、何をめぐって対立しているのか」
を図にして整理するのがおすすめです。
「2027年予想テーマ」だけを丸暗記しない
ここまで4つのテーマを紹介しましたが、
「2027年はインド独立80年だから、インド史だけ覚えよう」
という勉強はおすすめしません。
たとえばインド独立を勉強するなら、
帝国主義
→民族運動
→二つの世界大戦
→独立
→脱植民地化
まで広げます。
サラトガの戦いなら、アメリカ史だけでなく、イギリス・フランスや大西洋革命へ。
ローマ条約なら、第二次世界大戦と冷戦からEUまで。
一つの出来事を入口に、
タテにつなげる
+ヨコへ広げる
+なぜ起きたか考える
ことが大切です。
まとめ|2学期は「バラバラ暗記」から卒業しよう
2学期の世界史では、
9月:タテの流れを完成させる
↓
10月:地域同士をヨコにつなげる
↓
11月:因果関係+資料問題
↓
12月:過去問で知識の穴を見つけ、つなぎ直す
という流れを意識してみてください。
そして、一問一答をするときも、
「何年?」
だけで終わらず、
「そのころ中国では?」
「なぜこの戦争が起きた?」
「その結果、何が変わった?」
と、もう一歩踏み込んで自分に問いかけてみてください。
世界史は覚える量が多い科目です。
だからこそ、すべてをバラバラに覚えようとすると大変です。
歴史を「タテ×ヨコ×因果関係」でつなげること。
2学期からは、覚えた知識を少しずつ**「入試で使える知識」**へ変えていきましょう。
参考資料
大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト問題作成方針」 (デジタルネイティブカレッジ)
U.S. National Park Service「Saratoga National Historical Park」 (国立公園局)
Government of India, Press Information Bureau (広報情報局)
European Union「History of the European Union 1945–59」 (European Union)
U.S. Department of State, Office of the Historian「The 1967 Arab-Israeli War」 (歴史省)
※「2027年入試に向けて復習しておきたいテーマ」は、周年や世界史上の重要性をもとにした学習上の提案であり、実際の入試での出題を予測・保証するものではありません。
この先生のおすすめコース
- まだ世界史の通史学習が終わっていない
- 世界史の勉強方法そのものが分からない
- 偏差値40~50台から大学受験に向けて力を伸ばしたい
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大学受験におすすめの指導コース
- 東大・京大・一橋大をはじめとする最難関大を志望する生徒
- 国公立二次・私大入試の日本史で論述問題が出題される生徒
- 日本史論述頻出のテーマ・書き方・思考法をマスターしたい生徒
- 大学受験を控えた&考え始めている高校2年~3年生
- 受験はまだ先だけれど早めに発音への意識を高めたい高校1年生
- 共通テストのリスニング対策も意識して学習に取り組みたい高校生
- 生物の受験対策で何をすればいいのかわからない
- 大学受験のプロに対策をつくってほしい
- いつまでに何をするのか、といったスケジュールが組めていない
- 医学部や難関国公立の入試で物理を得点源にしたい高2・高3・浪人生・再受験生!
- 説明された問題は解けるけれど「応用出来ない」「すぐに忘れてしまう」生徒さん!
- アウトプット中心の理解度を見える化しながら学ぶ授業に挑戦出来る頭の柔らかい生徒さん!
- 演習だけでなく、考え方をイチからていねいに学び直したい方
- 学校の授業や定期テストでの理解を、入試基礎~共通テストレベルまで引き上げたい方
- 解法だけでなく、考え方・学び方まで導いてもらいたい方