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英語

受験英語は間違いだらけ その2

2025/3/29

受験英語は間違いだらけ: 本当の英文法とは


自動詞も他動詞の仲間である


最近では動詞を自動詞(Vi)と他動詞(Vt)に分けて考えることそのものを公然と排除する教師が多いそうです。しかし、英語が伸びずに悩んでいる受験生の現状を日々目撃している立場からすると、そのような排除の姿勢は逆効果になっていると言わざるを得ません。自動詞と他動詞の区別は必須事項なのです。


とはいえ、自動詞と他動詞の従来からの区別に問題がないわけではありません。問題があるからこそ排除の風潮が出てきたのです。


従来、他動詞は目的語を取る動詞、自動詞は目的語を取らない動詞と説明されていました。この説明には次のような問題点があります。


⑴    目的語が


「に」と訳す目的語(専門的には与格とか3格と言われる。OⅠと表記する)

「を」と訳す目的語(専門的には対格とか4格と言われる。OⅡと表記する)


と分類されることが十分に説明されていません。


⑵    従って他動詞には


「S Vt OⅠ.」(SはOⅠに~する)

「S Vt OⅡ.」(SはOⅡを~する)

「S Vt OⅠ OⅡ.」(SはOⅠにOⅡをあげる/与える/~してあげる)


という3種類の構文が存在することが十分に整理されていません。


ちなみに、「S Vt OⅠ OⅡ.」(SはOⅠにOⅡをあげる/与える/~してあげる)はすべて「give」の意味を内包します。この構文はある条件によって


「S Vt OⅠ.」(SはOⅠに~する)

「S Vt OⅡ.」(SはOⅡを~する)

「S Vt OⅠ OⅡ.」(SはOⅠにOⅡをあげる/与える)=「S Vt OⅡto OⅠ.」

「S Vt OⅠ OⅡ.」(SはOⅠにOⅡを~してあげる)=「S Vt OⅡ for OⅠ.」


と細分化できます。この条件に付いては今は保留します。


⑶    自動詞を「目的語を取らない動詞」と規定することにはそもそも、「物事は否定文で規定してはならない」という大原則の違反が含まれています。そもそも最初から、学問の水準に至っていないのです。


⑷    自動詞は実は、「前置詞の助けを借りて目的語を取る」のです。これが正しい規定です。自動詞は他動詞の仲間なのです。自動詞と他動詞を区別するのは大きな間違いなのです。


「S Vi 前 O.」=「S Vt O.」


他動詞「Vt」と同じ内容を「Vi 前」で示すものを群動詞とか動詞句と呼んでいます。これはアングロサクソン系の表現法です。


「Vi 前」の中核は「Vi」ではなく「前」の部分です。これを他動詞的前置詞と言います。


前置詞は他動詞と同じで目的語を取りますが、これは前置詞がもともと他動詞だったことを示しているのです。


「Vi 前」の「前」を接頭辞として「Vi」の前に付けて「前-Vi」とひとつの動詞にするのはラテン系の表現法です。群動詞や動詞句はすべて同義の他動詞が存在しています。具体例をごく一部だけ下に示します。


「She takes after her mother.」=「She resembles her mother.」(似ている)

「She is searching for the room.」=「She is seeking the room.」(探している)

(「She is searching the room.」は「探している」ではない!「調べている」である。)


⑸    「S Vi 前 O.」を常に


「S Vi〈前 O〉.」


と分析する教師がいますが、それは間違いです。正しくは、


「S Vi 〈前 O〉.」 前置詞句(副詞句) 時、所、程度を表す時に限定 5%

「S 〈Vi 前〉 O.」=「S Vt O.」 動詞句(群動詞) 95%


となります。前置詞は前置詞句を構成する用法以上に動詞句を構成する用法が重要なのです。学校文法ではこの辺がすっぽりと抜け落ちています。このことを知らないでいると、例えば以下のような書き換えが理解できなくなります。


She looked at me. = I was looked at by her.

(「at」は「me」ではなく「looked」に付いて他動詞句を構成しているから、他動詞として受け身にできるのです)


「think」は自動詞か他動詞か


「I think him to be my teacher.」(私は彼のことをわが師と考えている)


この表現を見て「think」を他動詞と考える教師がいます。そうして、「I think that he is my teacher.」の「think」も他動詞である。「that he is my teacher」は「think」の目的語。だから名詞句。「彼はわが師であると」と訳すのは意訳。「彼がわが師であるということを」と訳すのが直訳などと、間違いの上に間違いを上塗りしていきます。これが間違いなのは「I think so.」という表現があっても「I think it.」とは決して言わないことがそれを端的に示しています。


実は「think」は自動詞でも他動詞でもありません。人間の心の作用を表していて、人間の體の行為を表していないからです。人間の體の行為を表すのが他動詞で、「transitive Verb」の「transitive」とは「この感性界の時空を移動する性質をもった」の意味なのです。「目的語」と訳す「Object」とは「人間が身體を使ってかかわるこの感性界内の物体」という意味です。こう考えると「think」が他動詞でないのは明らかでしょう。that節は名詞節でもなく、目的語でもありません。目を閉じたときに広がるイメージの世界(叡智界)をthatでひと括りにして漫画の吹き抜けのようにその内容を示しているだけで、決して「Object」などと称することはできないのです。


「think」と同じようにthat節を取る動詞は、人間の言語表現にとってより重要なのが心であることを反映して、他動詞や自動詞より数も使用頻度も大きくなっています。つまり、他動詞や自動詞よりもはるかに重要なのです。それにも拘わらずこれを不当にも他動詞、that節を名詞節などと称して放っておく訳です。こんな調子でいる限り本当の英文法が理解できるはずありません。英文法が理解できないのは現在のいい加減な間違えた学校文法のせいであって、決して皆さんのせいではないのです。


「think」のように「that節を取る動詞」のことを私は心理作用動詞と名付けます。心理作用動詞の文は以下のように変形されます。この変形法の理解も英文法の最重要テーマのひとつになります。


①    「I think that she is a teacher.」


②    「I think she is a teacher.」

(thatの省略。直後に主語がある語彙はthatでも関係詞でも省略可)


③    「I think her to be a teacher.」

(that節の短縮。「her」は見かけ上目的格になっていますが実際は主格として機能しています。見かけ上の格と実際の格の二重構造になっているのです)


④    「I think her a teacher.」

(「to be」の省略)


⑤    「It is thought to me that she is a teacher.」

(心理作用動詞の受け身はbyではなくtoを用います。他動詞の受け身がbyを用いるのは主語と目的語がこの感性界で空間的に隣接しない限り他動詞が成立しないことをよく表しています。イメージの世界に空間的な隣接などないから心理作用動詞の受け身はtoを使用するのです)


⑥    「She is thought to me to be a teacher.」

(「She」を主語としてとる動詞は「is thought」ではありません。「be」です。「is thought」の主語は見えなくなっている「it …… that」の「it」です。「It is thought that」を「it …… that」の部分を消去して「she is」の「is」の部分に移動し「is thought to be」と助動詞化しているのです。)

=「She may be a teacher.」

(「is thought to me to」=「may」!)


⑦    「It is thought to me that she is a teacher.」=「It seems to me that she is a teacher.」=「It appears to me that she is a teacher.」=「It looks to me that she is a teacher.」

cf.「It occurred to me that she was a teacher.」=「It hit me that she was a teacher.」=「It struck me that she was a teacher.」


⑧    「She is thought to me to be a teacher.」=「She seems to me to be a teacher.」=「She appears to me to be a teacher.」=「She looks to me to be a teacher.」


⑨    「She is seemingly to me a teacher.」=「She is apparently to me a teacher.」

(文修飾の副詞。「見かけ上」と訳しても通用しません)



②から⑨はどの表現を見ても常に①に戻して理解するのが正しい理解の第一歩となります。


心理作用動詞の中にはごく一部、that節ではなく疑問節を取るものがあります。


I know that it is an animal.

I know what it is. (疑問節ではなく先行詞を含む関係代名詞節。「それの本質が分かる」)

I don’t know what it is. (疑問節。「それが何であるか分からない」)

I wonder what it is. = I don’t know what it is.(「か分からない」と訳します。「かしら」は誤訳)

I wonder what it is. --- It’s my favorite CD.(疑問文扱い。これは「かしら」と訳します)

= What is it.? --- It’s my favorite CD.


She asked what it was. = She said, ”What is it?”

It is certain that she loves you.

It is not certain whether she loves you.(疑問節)

It is uncertain whether she loves you.(疑問節)

etc.



 「S V O C.」など存在していない


「I think that she is a teacger.」は「S V that S’ is C’.」と分析できます。とすると、「I think

that she is a teacger.」のthat節短縮である「I think her to be a teacher.」は「S V O(S’) to

be C’」と分析すべきです。「her」は見かけ上はthinkの目的語で実際は「be」の主語と、二重構造になっていることを理解すべきです。これを


「I think her to be a teacher.」

  S  V  O   C


と説明する教師が非常に多くいます。これは完全に間違いです。この文の「to be」省略文を


「I think her a teacher.」

S  V  O    C


と説明する教師も多い。これも間違いです。これは正しくは、


「I think her a teacher.」

S  V  O(S’) C’


なのです。


そもそも「to 原形 ……」は補語にはなりません。補語とは、純粋に動詞とは言えず他の一般動詞とは明確に区別されるbe動詞の後ろに来るもので、以下の3種類しか存在していません。


①    「He is a fool.」=「He is a fool of the fools who …….」

(a+名詞。who以下の特徴を持った馬鹿者は何人かいるが、彼もまたそのうちのひとりである。「a」は不定表現で集合表現「of the 複数名詞」の存在を前提とします。「of the 複数名詞」の「the」は確定表現で何らかの内容を持った関係文の存在を前提とします。従って「a 名詞」を見たら必ず「of the 複数名詞 {関係文}」を復元して理解しなければならないのです)


②    「He is fool.」

(無冠詞名詞。彼は馬鹿だ)


③    「He is foolish.」=「He is like a fool.」

(名詞+接尾辞=形容詞。彼は馬鹿っぽい)


この前提が理解できていないから、be動詞の後ろに来るから補語と考えて何でも補語と言ってしまう風潮が広がるのです。それが明らかに受験生の足を引っ張っています。


例えば「To see is to believe.」は、「S is C.」ではありません。これは無生物主語構文の一種で「[To see] is [to

believe].」と分析し、「実際に自分の目で見たらいいよ。そうすれば君もちゃんと信じられるよ」と訳すのが正解です。「見ることは信じることだ」は完全な間違いです。どんな動詞も主語が人以外になっていれば擬人法を除いてすべて、時には見かけ上人が主語になっているように見える時でも、無生物主語構文として取り扱うべきです。詳しくは無生物主語構文の解説の時に。因みに、「Seeing is believing.」は似た意味でも微妙に違っています。この微妙な違いをちゃんと理解すべきです。これは「実際に自分の目で見れば必ず信念が付いてくるものだ」と訳します。どちらも同じと説明するのは完全な間違いです。



基本動詞型をまとめると


①    S is C. 第2文型


②    S 自 前 O.


③    S 他 OⅠ. 第3文型

④    S 他 OⅡ. 第3文型

⑤    S 他 OⅠ OⅡ. 第4文型



⑥    S 心 that S’ V’ ………. → S 心 O(S’) to 原形 …….

⑦    S 心 that S’ is C’. → /S 心 O(S’) to be C’.→ S 心 O(S’) C’. 第5文型(の一部)

⑧    S 心 wh- ……….


この基本動詞型が発展して最終的には29動詞型になります。この基本動詞型のことは、29動詞型を理解するための出発点と考えればいいでしょう。


学校で習う5文型という考え方は、明らかに実態に合いません。できるだけ早く捨て去るべきです。世界ではもう100年も前に放棄されています。ガラパゴス化しているのは携帯電話だけではないのです。


上のまとめには「S V.」(第1文型)を敢えて入れていません。これは無生物主語構文の一種として理解すべき構文です。詳しくは無生物主語構文の解説の時に。


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