歌の技法【本歌取り】
こんにちは、講師のニシオカです。
古典で歌(うた)といえば、「5・7・5・7・7」のかたちの和歌です。千年以上の歴史があり、現代でも短歌として残っていますね。
今日は【本歌取り(ほんかどり)】という、歌の技法についてのご紹介です。大学受験や全国模試にもたびたび登場しますので、知っておくといいですよ。
歌には、オリジナルなものが多い一方で、「別のある歌を念頭において作られた歌」というものがあります。オマージュ、という表現がわかりやすいでしょうか。これが本歌取りという技法です。例えば、有名な短歌で次の歌がありますね。
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ by.俵万智
教科書などにも載っている、冬を代表するような短歌ですね。「5・7・5・7・7」のリズムで音読すると、その嬉しさもより一層伝わるように感じます。たしかに冬は寒いけれど、「寒いね」と言い合える人がそばにいることで、心にあたたかさを感じる、というステキな歌です。
この歌を踏まえたと考えられるのが、次の短歌です。
寒いねといったらすぐにあたたかなコーヒー淹(い)れてくれないか犬 by.しまいく
思わずくすっと笑いたくなるような、おもしろい短歌ですね。これも音読してみましょう。この人には、俵万智さんの歌のように、「寒いね」と言い合える人はそばにいないようですが、きっとこっちを向いているワンちゃんがいるんですね。その光景が目に浮かぶようです。俵万智さんの歌の一部をただパクっているのではなく、その対比(返事してくれる人がいるかいないか)も効果的に表現されています。
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