「やる気がない」の中身を、分けてみます

面談でいちばん多く出てくる言葉です。「うちの子、やる気がなくて」。
言いたくなる気持ちは分かります。ただ、この言葉が指しているものは、実は一つではありません。私が見てきたかぎり、少なくとも4つくらい、別のものが混ざっています。
ひとつめは、要領がよくて手を抜いている子です。やればできることが自分で分かっているので、最小限で済ませます。点もそこそこ取れてしまうので、本人は困っていません。この子に必要なのは量ではなく、今のやり方だとどこで頭打ちになるかを見せることです。
ふたつめは、自分の得意不得意が分かっていない子です。本人は「全部苦手」と言います。でも実際に見ると、できている単元とできていない単元がはっきり分かれています。分かれているのに、自分では区別がついていない。だから全部が嫌になります。
みっつめは、何から始めればいいか分からない子です。これがいちばん多いです。やる気がないのではなく、開いたページの前で止まっている。ワークを開いて、どこからやればいいか分からないまま10分経って、閉じる。傍から見ると、何もしていないように見えます。
よっつめは、やる量が見えていない子です。「ちょっとやった」で終わります。本人に悪気はありません。どれくらいやれば足りるのかを、一度も具体的に示されたことがないからです。
この4つは、対応が全部違います。1つめは量を増やしても効きません。3つめに「がんばれ」と言っても動きません。
ですので、まずどれなのかを分けます。
ただ、話を聞いただけでは分かりません。本人は「やってます」と言いますし、実際やっているつもりでいます。
私の場合は、授業で出てきたことを1件ずつ書き残していて、その日に解決しなかったものは消さずに次回へ持ち越しています。同じ項目が今回で何回目かも分かるようにしてあります。
すると、3回目が出てきたときに判断できます。同じことが3回出てきて、まだ解決していない。これは不注意ではありません。原因が、もっと手前にあります。
「やる気がない」で止まっていると、ここまで辿りつけません。回数が見えると、その子が手を抜いているのか、そもそも届いていないのかが分かれます。
そして、たいていは後者です。
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