最近増えている「IB(国際バカロレア)認定校」って何?
最近、中学受験の学校案内や説明会などで、「IB認定校」という言葉を目にする機会が増えてきました。
「国際的な教育をする学校なのかな?」
「英語で授業をする学校?」
「海外の大学へ進学するためのもの?」
このようなイメージを持つ方も多いかもしれません。
最近「国際バカロレア(International Baccalaureate:IB)認定校の分析:入試データ・IB教育・大学進学実績」という記事(https://chugaku-juken-data.doorblog.jp/archives/17286807.html)をまとめたので、今回はIB認定校についての簡単なご紹介を進めてみようかと思います。
【IB(国際バカロレア)とは?】
IBとは、International Baccalaureate(国際バカロレア)の略称です。
国際バカロレア機構が提供している国際的な教育プログラムで、知識を覚えることだけではなく、
「なぜそうなるのか」
「自分はどう考えるのか」
「別の見方はできないか」
といったことを考えながら学んでいく点に大きな特徴があります。
授業では、調べ学習やレポート、ディスカッション、プレゼンテーションなども取り入れながら、知識を使って考えたり、自分の考えを表現したりする力を育てていきます。
【中学受験でよく聞くMYPとDP】
IBには、年齢に応じていくつかのプログラムがあります。
中学受験との関係でよく目にするのが、MYP(Middle Years Programme/中等教育プログラム)と、
DP(Diploma Programme/ディプロマ・プログラム)です。
MYPは11~16歳、DPは16~19歳を主な対象としています。
日本の学校制度に当てはめると、MYPは中学校から高校前半、DPは主に高校後半で導入されることが多いと考えると分かりやすいでしょう。
ただし、IBのプログラムと日本の学年区分が完全に一致するわけではありません。どの学年で、どのプログラムを導入しているかは学校によって異なります。
【日本でもIBを導入する学校が増えています】
IBというと、以前はインターナショナルスクールなど一部の学校の教育という印象が強かったかもしれません。しかし現在では、私立だけでなく、国立や公立の学校でもIBを導入する例が見られるようになっています。
文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、2026年6月30日時点で、日本国内のIB認定校・候補校は、PYP・MYP・DP・CPをプログラム単位で数えると273校あります。(同じ学校が複数のIBプログラムを実施している場合は重複して数えられるため、この数字は学校そのものの実数とは異なります。)
また、「候補校」は、すでに正式なIB認定を受けた学校という意味ではなく、認定に向けた準備を進めている学校です。2026年6月30日時点では、MYPの認定校は48校、DPの認定校は80校となっています。
日本国内でもIBを導入する学校が広がっており、中学受験でも「IB」、「MYP」、「DP」といった言葉を目にする機会が増えてきています。
【IB認定校なら、どこでも同じではない】
ここは特に注意したいところです。
ひとことで「IB認定校」といっても、学校によって導入の仕方はかなり違います。
どのIBプログラムを導入しているのか。
どの学年で実施しているのか。
学校の教育課程の中で、IBをどのように位置づけているのか。
こうした点は学校ごとに異なります。
そのため、「IB認定校だから、入学すればどこでも同じような教育を受けられる」と考えるのは少し違います。
もし、IB認定校だからという理由で学校を調べるのであれば、
・どのIBプログラムを導入しているのか
・どの学年でIB教育を行っているのか
・高校でDPを履修できるのか
・DPを履修するための条件や校内選考があるのか
といったところまで確認しておく必要があるでしょう。
【IB=英語教育、ではありません】
もうひとつ注意しておきたい点は、「IB=英語をたくさん勉強する教育」というイメージです。
もちろん、英語を使った授業を多く行う学校もありますが、IBそのものの中心にあるのは英語力だけではありません。ただし、特にDPでは授業言語や履修できる科目が学校によって異なるため、実際の授業が日本語中心なのか、英語を多く用いるのかについても確認が必要です。
IBでは国際的な視野や多文化理解も重視されるため、英語教育や国際教育に力を入れている学校も多く見られます。一方で、IB教育そのものでは、
「問いを立てる」
「調べる」
「考える」
「自分の考えを説明する」
といった学び方そのものを重視しています。
ですから、「英語が得意だからIBに向いている」というだけでなく、
「自分で調べることが好き」
「なぜそうなるのかを考えることが好き」
「自分の考えを文章にしたり、人に説明したりすることが好き」
という生徒にとっては、興味深い学び方だと思います。お子様の特性がIBの教育の方向性と合っているかどうかを考えることも大切かと思います。
【高校ではIBディプロマという選択肢も】
高校段階にあたるDPでは、6つの教科群に加えて、
TOK(Theory of Knowledge/知の理論)
EE(Extended Essay/課題論文)
CAS(Creativity, Activity, Service/創造性・活動・奉仕)
などにも取り組みます。
所定のカリキュラムを履修し、最終試験などで所定の成績を収めると、「IBディプロマ(国際バカロレア資格)」と呼ばれる、国際的に認められる大学入学資格を取得することができます。
海外大学への進学との関係でよく紹介されますが、現在では国内大学でもIBを利用した入試を行う大学があります。
ただし、「IB認定校に入学すれば、自動的にIBディプロマを取得できる」というわけではありません。
学校によってDPを履修できる条件や、履修までの進み方は異なります。
【学校選びでは「どのように学ぶか」という視点も大切】
中学受験では、どうしても偏差値や大学合格実績に目が向きがちです。
もちろん、それらも大切な情報です。
一方で、「入学してから、どのような方法で学ぶのか」という点も、学校選びでは大切ではないかと思います。IB認定校は、その「学び方」という視点から学校を見るきっかけのひとつになります。
学校説明会やパンフレットなどで、「IB」、「MYP」、「DP」といった言葉を見かけたら、「国際教育をしている学校なんだな」で終わらせず、「この学校では、どのプログラムを、どの学年で、どのような形で行っているのだろう?」というところまで確認してみると、それぞれの学校の特徴がより深く見えてくるかもしれません
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