【情報I】IPアドレスはネットの住所。現役エンジニアが役割を解説

こんにちは!オンライン家庭教師のこばやしです。普段はフリーランスのITエンジニアとして働きながら、中高生に「情報I」「理系数学」「英語」を教えています。
情報Iのネットワーク分野で必ず出てくる「IPアドレス」。言葉は知っていても、「何のためにあるの?」と聞かれると、うまく説明できない方も多いのではないでしょうか。数字の羅列にしか見えず、苦手意識を持ってしまう人もいます。
説明できない原因は、IPアドレスをただの数字として覚えているからです。でも、IPアドレスは"ネットの住所"だと分かれば、一気に腑に落ちます。
■ IPアドレスは「ネット上の住所」
IPアドレスとは、ひとことで言えば、ネットにつながっている機器一つひとつに割り当てられた「住所」です。
手紙を送るとき、宛先の住所がなければ届きませんよね。ネットの世界も同じで、データを正しい相手に届けるためには、「どこに届けるか」を示す住所が必要です。その役割を果たすのがIPアドレスなのです。
実際のIPアドレスは、「192.168.1.10」のように、0〜255の数字4つをドットで区切った形をしています。これは「IPv4」と呼ばれる形式で、中身は32ビットの2進数です。32ビットで表せるのは約43億通り。一見たくさんに思えますが、世界中のスマホやパソコンが増えた結果、住所が足りなくなってしまいました。そこで今は、128ビットに桁を増やした「IPv6」への切り替えが進んでいます。ビットの数が増えると表せる数が一気に増える、という2進数の考え方がここでも生きてきます。
■ 住所がなければ、データは届かない
もし住所がなかったら、どうなるでしょうか。書いたデータは、どこへ送ればいいか分からず、宙に浮いてしまいます。
私たちが動画を見たり、メッセージを送ったりできるのは、送り先と受け取り先の住所(IPアドレス)がはっきりしているからです。ネット上のあらゆる通信の"大前提"が、この住所なのです。
■ 「外向け」と「家の中だけ」の住所がある
もう少し踏み込むと、IPアドレスには2種類あります。世界中どこからでも届く「グローバルなIPアドレス」と、家や学校の中だけで使う「プライベートなIPアドレス」です。
これは、たとえるなら「郵便で使う正式な住所」と「社内の内線番号」のようなもの。外の世界とやり取りする住所と、内輪だけで使う住所を分けている、というイメージを持つと分かりやすいです。
たとえば、家のWi-Fiにつながったスマホには「192.168.〜」で始まるプライベートな住所が割り当てられます。そして外のサイトと通信するときは、ルーターが持っているグローバルな住所を家族みんなで共有して出ていきます。住所が足りない問題を、こうした工夫でしのいでいるのです。
■ 現場でも、通信の起点は必ずIP
私がエンジニアとしてネットワークのトラブルを調べるときも、まず確認するのは「どのIPアドレスと、どのIPアドレスが通信しているか」です。
実際の現場では、最初に「ping(ピング)」というコマンドを使うことがよくあります。相手のIPアドレスに向かって「聞こえますか?」と呼びかけ、返事が返ってくるかを確かめる道具です。返事が来れば、少なくともその住所までは届いている。来なければ、住所までの道のりのどこかで止まっている。これだけで、調べる範囲をぐっと絞り込めます。
住所さえ分かれば、「どこで通信が止まっているのか」を追いかけられます。IPアドレスは、通信の世界を理解し、問題を解決するための出発点なのです。決して、意味のない数字の羅列ではありません。
■ 「一意の名前をつけて識別する」発想
一つひとつを区別するために、重複しない住所や番号をつける。この発想は、IPアドレスに限りません。データベースでデータを管理するときも、物事を整理するときも、同じ考え方が使われます。とても応用の効く、大事な考え方です。
ところで、私たちはふだん「192.168.1.10」のような数字ではなく、「manalink.jp」のような名前でサイトを開いていますよね。名前から住所を調べる仕組み(DNS)については、次回の記事で解説します。
私の授業では、手紙の宛先に例えて「なぜ住所が要るのか」から入ります。数字の暗記にせず、役割から理解してもらいます。
・「IPアドレスの役割が分からない」という方
・「用語だけを覚えてしまっている」という方
・「通信の全体像をつかみたい」という方
そんな方は、ぜひ一度体験授業にいらしてください。現役エンジニアと一緒に、ネットの"住所"から通信を理解しましょう!
【プロフィール】
こばやし|納得感を大切にするフリーランスエンジニア
北海道大卒。約10年間にわたり金融決済システムなどの基幹開発に携わった後、フリーランスのエンジニア・IT講師として独立。企業の新人IT研修のメイン講師も務めるプロが、「仕組みから理解する」論理的な指導を行います。
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