くじけたときにどうする? ― 伸びた生徒・親子が次に取ったアクション ―
くじけたときにどうする?
― 伸びた生徒・親子が次に取ったアクション ―
進路、英検、定期試験。
一生懸命頑張ったつもりなのに、うまくいかなかった。
これは、誰にでもあることです。
しかし、私は教師として、そして家庭教師として多くの生徒さんを見てきて、「結果が出なかったあとにどう動いたか」で、その後の伸び方には大きな差が出ると感じています。
一番落ち込むのは、実は親かもしれない
私自身、二人の子どもを育てた親として感じることがあります。
子どもがうまくいかなかったとき、実は親の方が落ち込むことがあるのです。
「もっとこうしてあげればよかった」
「このままで大丈夫なのかな」
「次はどうなるんだろう」
親として心配になるのは自然なことです。
これは決して特別なことではありません。
ただ、その一方で、子ども本人も悩んでいます。
だからこそ大切なのは、“親の不安”だけで家庭を埋め尽くさないことだと思うのです。
真面目な生徒ほど、深く悩んでいる
教師時代、私は多くの生徒さんと関わりました。
その中で強く感じたのは、「本当に真面目な生徒さんほど、結果に対して深く悩む」ということです。
悔しさの表現の仕方には、いくつかのタイプがあります。
例えば、プライドの高い生徒さんは、
「問題の質がおかしい」
「採点基準に納得がいかない」
「この問題は意地悪だ」
という形で表現することがあります。
一方で、真面目な生徒さんは、
「もっと頑張ればよかった」
「自分の勉強が足りなかった」
「悔しい」
と、自分の思いを素直に口にします。
どちらにも共通しているのは、「本当は悔しい」という気持ちです。
大切なのは、“発信できるか”
私は教師時代、前者の生徒さんのように「設問の質」に不満が出ないよう、試験問題を作る際にはかなり時間をかけていました。
同僚とも共有しながら、
誤解を招かないか
難易度は適切か
表現は公平か
を何度も確認していました。
そこまで丁寧に作ると、実際には「問題がおかしい」というクレームはほとんど出ません。
つまり、多くの場合、生徒さんは“悔しさ”をどこかに向けて表現しているのです。
そして私は、後者の真面目な生徒さんとの関わりも大切にしていました。
朝の学活後。
掃除の時間。
放課後。
なんとなく教室に残っている。
少し元気がない。
どこか悔しそう。
そんな生徒さんに、さりげなく話しかけます。
すると、かなりの確率で、
「実はすごく勉強したんです」
「本当に悔しくて…」
と話してくれます。
そこから、
どこが課題だったのか
次に何を変えるか
どんな勉強が必要か
を一緒に考えていく。
この積み重ねが、信頼関係になり、成長につながっていきます。
伸びる生徒さんには共通点がある
結果が出なかったあとに、
先生に話す
家族に話す
家庭教師に相談する
こうして“言葉にできる”生徒さんは、必ず伸びます。
なぜなら、一人で抱え込まないからです。
周囲を「味方」にして、次の課題に一緒に取り組めるからです。
だから私は、「発信力」は学力以上に大切な力だと思っています。
親に必要なのは、“スナフキン”のような距離感
親は、心配するとつい言葉にしてしまいます。
「勉強大丈夫?」
「ちゃんとやってる?」
「次はどうするの?」
でも、親は立場が強い存在です。
だからこそ、言われ続けると、子どもは逆に話さなくなってしまうことがあります。
すると、
親は不安になる
↓
さらに言葉が増える
↓
子どもは黙る
↓
何を考えているかわからなくなる
という“負のスパイラル”が起こります。
私自身、親としてその難しさを経験しました。
だからこそ感じるのは、親は「心配していないふり」を少しできるといい、ということです。
私はそれを、ムーミンの「スナフキン」のような距離感だと思っています。
必要なときにはそばにいる。
でも、過度に支配しない。
黙って見守る余白を持つ。
子どもが「話しても大丈夫」と思える空気を作る。
これが、くじけたあとに再び前を向くための土台になるのだと思います。
最後に
うまくいかなかった経験は、決して無駄ではありません。
本当に大切なのは、そのあとです。
悔しさを誰かに言葉で伝えられること。
そして、その言葉を受け止めてくれる大人がいること。
その積み重ねが、子どもを大きく成長させます。
くじけたときこそ、一人で抱え込まない。
先生、家庭教師、保護者を「味方」にして、一緒に次の一歩を考えていく。
私は、それが伸びる生徒さんと親子に共通する姿だと感じています。