国語 記述問題 書き方|3手順で書く〈算数屋の国語③〉
国語の記述問題の書き方が分からない。文章をぼんやり眺めて、何を書けばいいか手が止まる。この状態のお子さんに、僕は毎回同じことを言います。記述にはコツがあります。センスではなく、手順です。
僕は算数を専門とする講師です。だからこそ、記述を才能の問題ではなく、再現可能な作業として教えています。
記述が書けない子は、読んでから書こうとしている
手が止まる子の多くは、こういう順番で作業しています。文章を最初から読む。設問を読む。もう一度文章を読む。頭の中で答えをまとめようとする。まとまらない。時間が過ぎる。
問題は、すべてを頭の中で処理しようとしていることです。長い文章の内容を記憶に保持したまま、答案の構成まで組み立てる。大人でも難しい作業を、小学生にやらせているわけです。
解決策は単純で、頭の外に出すことです。
手順1:大切なところに線を引く
設問を読んだら、まず本文に戻って、答えの材料になりそうな箇所に線を引きます。
この時点で、うまくまとめようとしなくて構いません。関係ありそうな部分を機械的に拾うだけです。線が3本引ければ、材料は3つ揃ったことになります。ゼロから考えるのではなく、拾った材料を組み立てる作業に変わります。
ここを飛ばす子が本当に多い。そして、線を引かない子は伸びません。
手順2:例が入っていたら消す
次に、線を引いた部分を見直して、具体例の部分を消します。
本文では「たとえば」「〜のように」といった形で、主張を説明するための例が入っています。この例は、筆者の主張そのものではありません。記述に例をそのまま書き写すと、字数を食うだけで内容が薄くなります。
例を消すと、残るのは主張の骨格です。この作業だけで、答案の密度が上がります。
手順3:接続語で繋ぐ
残った材料を、接続語で繋ぎます。「そして」「しかし」「だから」の三つが使えれば十分です。
材料AとBが並ぶ関係なら「そして」。逆の関係なら「しかし」。原因と結果なら「だから」。この判断をするだけで、バラバラの材料が一つの文章になります。
記述の採点は、内容が入っているかと、論理が通っているかで見られます。材料を線引きで集め、例を消して密度を上げ、接続語で論理を通す。この三手順で、両方を満たせます。
字数は、指定の8割を超えればいい
もう一つ、生徒によく聞かれるのが字数です。
僕の基準は、指定字数の8割以上です。60字以内なら48字を超えていればよい。ぴったり埋めようとして、意味のない言葉で水増しするほうが減点されます。
逆に、8割に届かない場合は材料が足りていません。本文に戻って、線を引き足してください。字数は目標ではなく、材料が足りているかを測る目安として使います。
これは算数でやっていることと同じです
算数の授業で、僕は暗算を減らすように言います。図を描け、表を作れ、番号を振れ、と。頭の中だけで処理すると、試験の後半で脳が疲れ切ってしまうからです。
国語の記述もまったく同じです。線を引く、例を消す、接続語で繋ぐ。すべて紙の上で行う物理的な作業です。頭の中の負荷を下げるほど、正確に、速く書けるようになります。
読解のセンスを鍛えるのは時間がかかります。しかし作業手順は、今日から変えられます。
明日から親がすべき、非情な決断
お子さんの記述の答案を見る前に、問題用紙を見てください。線が引いてありますか。
引いていなければ、答案の中身を添削しても意味がありません。材料が揃っていない状態で書いた文章を直しても、次も同じことが起きるからです。
まず、線を引かせる。話はそれからです。
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