N進法がわからない中学受験生へ|位取りの罠を先に潰す
N進法がわからない中学受験生の多くは、計算力が足りないのではなく、位取りの出発点を間違えています。
2進法や8進法の問題で手が止まる子の答案を見ると、転ぶ場所はだいたい同じです。10進法の癖が抜けないまま、位の数を1、10、100と並べてしまう。これは頭の良し悪しではなく、ただの癖です。そして癖は、手順を決めてしまえば消えます。
N進法の位取りは、どんな進数でも1から始まる
N進法の位は、右端が必ず1で、左へ進むごとにN倍になります。
・3進法なら 1、3、9、27
・4進法なら 1、4、16、64
・8進法なら 1、8、64、512
先日、小6の生徒に3進法から10進法への変換をやらせました。位に1、10、100と書いてしまい、答えが1000を超えた。本人も「おかしい」と気づいているのに、手が止まらない。そこで、計算の前に位の数を1から書き出す一行を挟ませました。それだけで、その後は迷わなくなりました。
8進法の345を10進法に直すと、こうなります。
3 × 64 + 4 × 8 + 5 = 192 + 32 + 5 = 229
位の数を先に書く。N進法から10進法への変換は、ほぼこれで終わりです。
10進法からN進法へ。割り算は読む場所が決まっている
逆向きの変換は、Nで割り続けます。10進法の22を2進法に直してみます。
22 ÷ 2 = 11 あまり 0
11 ÷ 2 = 5 あまり 1
5 ÷ 2 = 2 あまり 1
2 ÷ 2 = 1 あまり 0
1 ÷ 2 = 0 あまり 1
商が0になるまで割り、あまりだけを下から読みます。答えは 10110 です。読むのはあまりの列だけで、商は読みません。
ここで多い失点が、割り切れたときのあまり0を書き忘れるミスです。12を4進法に直すと、12 ÷ 4 = 3 あまり 0、3 ÷ 4 = 0 あまり 3 で、答えは 30。0を落として 3 と書けば、それは別の数です。あまり0も、立派な1桁です。
「何番目」は、どんなときも10進法で考える
N進法の応用で点差がつくのが、いわゆる偽N進数の問題です。たとえば、4の付く数字を使わない部屋番号があるとします。1、2、3、5、6、7、8、10、11……と続く番号の、100番目の部屋は何号室か。
手順は4つだけです。
・100番目の100は、10進法の数。何番目と聞かれたら、いつでも10進法。
・これを8進法に直す。100 ÷ 8 = 12 あまり 4、12 ÷ 8 = 1 あまり 4、1 ÷ 8 = 0 あまり 1 で、144。
・本物の数字0、1、2、3、4、5、6、7を、偽の数字0、1、2、3、5、6、7、8に置き換える対応表を書く。
・144を置き換えて 155。答えは155号室です。
使える数字が8個なので、本物の8進法に直してから、最後に偽に戻す。この往復さえ知っていれば、見た目ほど難しくありません。
中学受験算数の得点設計の中で、N進法をどう扱うか
N進法は、単元として小さく、手順を固定でき、練習した分だけ点が安定する種類の問題です。入試で見かけることもあるので、過去問演習で出会ったら取り切りたい単元です。
一方で、授業では、桁の解釈がややこしいマニアックな問題を、あえて一度保留にしました。N進法の基本が固まっていない段階で凝った問題に突っ込むのは、得点設計として割に合いません。基本の変換を往復で確実にし、凝った問題は後回しにする。この切り分けも、算数の戦略のうちです。
位の数を1、10、100と並べ続けて、毎回おかしな答えに首をかしげる親子は、実に良質な養分です。ただ、直すのは難しくありません。明日から、算数ノートの一行目に、位は1から、左へ行くほどN倍、と書かせてください。それだけで、N進法は怖い単元ではなくなります。
N進法のつまずきの正体は、位取りの出発点と、あまりの読み方と、何番目は10進法という3点です。この3点を型にして定着させたい場合は、マナリンクのプロフィールにある「中学受験プロによる予習シリーズ専門の算数サポート」をご覧ください。無料相談も用意していますので、まずはお気軽にどうぞ。
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