カタカナ語に注目してみよう!
2020/10/21
こんにちは。若田部です。
前回外国語分野として話した「カタカナ語」について、今日は小論文・表現の観点から話してみたいと思います!
さて、カタカナ語をどれくらい意識していますか?
以前、アンケートは元々フランス語だから、英語でアンケートと言っても通じない。
”questionnaire” “survey”という単語を使おう。という話をしました。これは、日本語で使われているカタカナ語を英語にした場合の話でした。
今回は、逆です。外国の言葉を取り入れている日本語側の話をします。
カタカナ語、もっと大きく括ると「外来語」というカテゴリーの言葉です。
外来語は、辞書上の意味で、「外国語から取り入れられて同化し、自国語のように使われる語」を表します。
そして、ここで大切なのは、外来語を取り入れる動機です。
なぜ外来語があるのでしょうか?
現在の言語学では、大きく2つの理由が言われています。
一つ目が、物自体は古くからあるが、新しい感じを持たせるために使われる場合。
例えば、元々日本語にも「豪華な」という言葉はありましたが、「デラックス」と言い換えた商品が、現在スーパーでもおもちゃ売り場でも、よく見かけます。こちらの場合は、正直言い換えなので、小論文や表現ではあまり使えません。デートで使ったらカッコよく見えるかもくらい(笑)
二つ目がポイントです。
新しい事物や新しい考え方を取り入れる場合。
例えば、事物で言えば、「パーソナルコンピューター(パソコン)」や「スマートフォン(スマホ)」です。パソコンなど、かつてはどこにもありませんでしたし、今では普通に使っているスマホも、10年前にはありませんでした。
考え方で言えば、「インフォームド・コンセント」といえば、医療業界で使われる専門用語で、医師が病状や医療行為の内容を正しく患者に伝え、患者がそれを納得・同意した上で医療に参加することを指します。(今の皆さんからすると意外かもしれませんが、昔は、医師が決めた方向性に患者は従うしかない時代がありました。)
日本語は、新しい事物や考え方を取り入れる場合、外来語のまま受容する傾向のある言語なのです!特に専門用語の場合、積極的に取り入れられる傾向にあります。
外来語に注目すると、「新しい物や考え方」に触れることができると考えてもよいでしょう。
では、これがどのように小論文に活きてくるのでしょうか?
例えば、2020年の入試問題だけでも、こういったテーマで出題されています。
(原文があるのが普通ですが、著作権の問題もあるので、テーマだけでご容赦ください)
青山学院大学地球共生科学部
「ソーシャル・エクスクルージョン」
宇都宮大学共同教育学部
人文系「アクティブ・ラーニング」 自然科学系「カーボンニュートラル」
慶應義塾大学文学部
「マイノリティ・多文化主義・リベラル社会」
名古屋大学法学部
「ハイブリッド社会」「プラネタリティ」
横浜市立大学国際商学部
「イノベーション」「スタートアップ」
これらは、あくまでも一例です。が、探せばいくらでも出てきます。
大人では知っている言葉でも、高校生では触れない言葉も多いですし、また、大人でも知らない言葉もあります。
小論文は、「その場の閃きとアイデアで、話を作る」イメージが多いですが、内実は全くの逆です。表現力だけでなく、思考力だけでなく、内容理解のための知識を入れる必要も試験では必要です。もちろん、課題文があり、発展的な知識はそこで仕入れることができますが、基本的な知識となると知っている必要があります。
かなりの時間を「事前準備」に時間を割く必要があるのです。
例えば、大人でも難しいと思うのが次の問題。
先ほどのテーマのところでもあげた横浜市立大学国際商学部の問題(一部抜粋)
【「仮に日本でGoogleが生まれていたとしても、衰退する既存企業に取って代わるのが非常に難しい」状況に対して、日本政府はどのようなことに取り組むべきか。あなた自身が考える具体的な取り組み内容を300字以内で説明しなさい。】
もちろん、課題文があります。ただ、この問題は、60分の制限時間。全部で3問あるうちの1問。単純計算これを20分で考え、300字書かないといけません。課題文を読む時間を考えると、15分あればよい方です。この問題を15分で書き切るために、「事前準備として」言葉をたくさん知っておいたり、事前に考えを深めておく必要があるのです。
え…どうやってやればいいの…?めっちゃむずそう…。ってなりますよね。
大丈夫。まずは、「外来語」「カタカナ語」から調べたり、考えたりしてみましょう!
新しい考え方について、元々日本に無かった考え方についての言葉が「カタカナ語」になる可能性が高いのですから!!
ぜひ、事前準備として知識を入れる。
そのときに「外来語」「カタカナ語」に注目してみてください!!
今日のお話はここまで。お読みいただきありがとうございました!
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