倒置&情報構造
英文にはある程度決まった情報の流れがあります。ふつう、この流れは「旧情報から新情報へ」と言われています。確かにそうなのですが、もうちょっと違う側面もあります。それは、「短い情報から長い情報へ」ならびに「重要性の低い情報から重要性の高い情報へ」といった流れです。英文では、このような情報の流れに沿った英文を書くために、しばしば語順をひっくり返すことがあり、これが「倒置」と呼ばれる文法事項となっています。以下、例文で確認してみましょう。
1) A house stands on the hill.
2) On the hill stands a house.
さて、上の2つの例文では、どちらのほうが自然でしょうか。1) の英文では、A house と a のつく名詞が先にあり、その後で the hill と the のつく名詞が後にあります。しかし、この英文の流れは情報構造の規則に反します。なぜなら、a は新出単語を表すのに対して、the は既出単語を表すので、この英文は「新情報から旧情報へ」と流れているからです。そこで、このような場合には、2) のように先に the hill を置いて、その後に a house を置く方が自然なのです。これを文型の観点からすれば、1) は「SVM」という形になっており、2) は「MVS」という形になっています。2) の英文は倒置となりますが、なぜ倒置されるのかといえば、情報構造がその理由になるのです。
他にも例文を確認しましょう。
3) People who have more than one pet are happy.
4) Happy are people who have more than one pet.
3) の英文では、主語の部分が People who have more than one pet でとても長いものになっており、述語の部分が are happy と短くなっています。そうなんです、これでは「短い情報から長い情報へ」といった流れに反するのです。だから、3) の英文は少し不自然であって、4) のように順序を変えるのが望ましいのです。文型の観点からは、3) の文は、「SVC」となっていますが、4) の英文は「CVS」となっています。これも倒置ですね。倒置とは、情報構造にのっとった英文をつくることから生じるのです。
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