英語

東大の和訳をしよう(2023年)3-1

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2023/4/10

(いままで自分の書いたものを読み返してみると、ちょいと難しいようなので、今回以降はできるだけ平明たらんと心がけよう…とぼそっと呟く)


大問4のBを訳してみよう。著作権の問題からここに英文の全部は挙げないが、以下のURLで見つけられる。ただし、ここでは完全な訳は示さない。受験生諸君、各自まずは自分なりに頑張ってみよう。

https://www.yomiuri.co.jp/nyushi/sokuho/k_mondaitokaitou/tokyo/mondai/img/tokyo_zenki_eigo_mon.pdf


さて、下線部(ウ)に進もう(今回は、複数回にわけて解説していく)。ここで最重要なのは、depend onの解釈だ。Depend onには知っておくべき解釈が3つほどある。1)主語が物の場合、2)因果関係、3)determineとの書き換え、だ。


1)主語が物の場合

Depend on~は、以下の2つが基本的用法だ。


a)人主語+depend on~「人は~に頼る」
b)主語[物①]+depend on+目的語[物②]「①かどうかは~②かどうかによる[次第だ]」


Depend onは主語が人か物かによって訳し方が異なる。人が主語の場合は、お馴染みの「~に頼る」となるが、物が主語の時には「~による、~次第だ」となり、しかも主語も目的語も疑問詞的に訳される。例えば、I depend on my wife for three meals.ならば、人が主語であるので「~に頼る」と理解できて、「私は女房に三度の飯を頼っている」となるが、Success depends on diligence.となれば、主語も目的語も物なので、「成功は勤勉による」となってdepend onが「~による」と訳さる。


これでもいいのであるが、さらにはSuccessという主語とdiligenceという目的語を疑問詞的に訳し、「成功するかどうかは勤勉であるかどうかによる」といったふうになると、より日本語らしくなる(文脈によっては、「成功するかどうかは、どれくらい勤勉であるかによる」ともなり得るのが興味深い)。もうちょっと詳しく言うと、depend onで主語も目的語も物であるばあいには、主語も目的語も疑問詞節に書き換えられるのだ。


Success depends on diligence.「成功は勤勉による」
=Whether you succeed or not depends on whether you are diligence or not.
「成功するかどうかは、勤勉であるかどうかによる」
=Whether you succeed or not depends on how diligent you are.
「成功するかどうかは、どれくらい勤勉であるかによる」



2)因果関係

因果関係については、「物①+depend on+物②」においては、物②がいわば原因となって、物①が結果だ、とも言えそうだ。先ほどの例文で言えば、


Success depends on diligence.


ここでは、diligenceが原因であってsuccessが結果だ、という解釈もできるだろう。勤勉であるかどうかが原因となって、その結果として成功するかどうかが決まってくるのだ。


3)determineとの書き換え

簡単に言えば、「物①+depend on+物②」=「物②+determine+物①」となる。Determineには「~を決定する、~に強い影響を与える」といった意味があり、これが因果関係を示すことにも通じ、それでdepend onとの書き換えも可能なのだ。そして物①も物②もどちらも疑問詞節を使うことができる。


Success depends on diligence.
=Diligence determines success.
Whether you succeed or not depends on whether you are diligent or not.
=Whether you are diligent or not determines whether you succeed or not.


で、物①と物②がどのような疑問詞に相当するのかは、語法や文脈次第となりそうだ。さて、下線部(ウ)であるが、この英文はちょっと難しい文なのだが、The choice…depends on unique memories~. となっていて、簡潔に言えば、「どれを選ぶのかは、どれくらい独特な思い出なのか次第なのだ」といったふうになりそうだ。

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