【中学数学】「サンヘーホーの定理」になってない?|数学の苦手から抜け出すための「国語」の話
こんにちは、マナリンク講師の浦野です。
突然ですが、
「サイダイコーヤクスー」「サンヘーホーの定理」……
こんなふうに、数学の用語をインプットしていませんか?
これは何かというと、「最大公約数」や「三平方の定理」を“音だけ”で覚えてしまっている状態のこと。
どちらも中学校までの数学の授業でよく聞く用語ではありますが、言葉の意味まで考えず、音だけでインプットしてしまっている子は案外たくさんいます。
この記事では、そんな風に数学に向き合って理解のチャンスを減らしてしまっている学習方法に警鐘を鳴らしていきます!⚠
音だけで覚えても困らない言葉と、困る言葉
たとえば、「チンジャオロースー」や「ホイコーロー」
これらは中国料理の名前ですが、漢字が分からなくても大丈夫。
「ああ、あの料理ね」くらいに音で覚えていても、生活に支障はありません。
そもそも外国語なので、意味がピンとこなくても不思議ではないですよね。
他にも、「寿限無寿限無五劫のすり切れ…」とか。
これも一つ一つの単語には意味があるらしく、とても長くて縁起の良いものを集めた言葉のようです。
しかし漢字や音を覚えていても、意味を一つ一つイメージしながら唱えている人はほとんどいないですね。
でも、「最大公約数」や「三平方の定理」はちがいます。
これらはしっかり現代の日本語の言葉であり、しかもそのまま意味を表してくれているのです。
意味を知らずに「サイダイコーヤクスー」と丸ごと音だけで覚えてしまうのは、せっかくの“ヒント”を見逃してしまっているのと同じなんです。
数学用語の名前にはヒントがいっぱい
たとえば「最大公約数」。
これは、文字通り「最大の・共通の・約数」のこと。
「12と18の最大公約数は6だよ」と言われたとき、「ああ、12と18に共通している約数のうち、一番大きいやつなんだな」とわかれば、もう説明の半分は終わったようなものです。
「三平方の定理」もそう。
「三つの平方数が登場する定理」という意味で、a² + b² = c² のように、「三辺の長さの二乗(=平方)を使った関係なんだな」と気づくことができます。
他にも、「共通因数」「平均」「中央値」「対称」など、数学用語の多くは“日本語の意味をそのまま表した言葉”なのです。
たとえば、「平均」って何?と聞かれたとき、「全部足して個数で割ること」と答えがちですが、
それが「バラバラな量を“同じくらい”にそろえるイメージ」と分かっていれば、応用問題にも強くなれます。
計算が苦手でも、“言葉の意味”がわかると強くなる
数学というと、「暗記が苦手」「計算ができない」といった苦手意識を持つ人が多い教科ですが、実は“国語的な力”でカバーできる場面も多いんです。
たとえば、
「この用語の名前って、どういう意味なんだろう?」
「なんでこういう名前になってるんだろう?」
と自分で考えてみるだけでも、理解が深まります。
用語が“ただの記号”ではなく、“意味のある言葉”に変わることで、ぐっと身近に感じられるようになるんですね。
今日からできる! 数学用語の読み解きトレーニング
もし、数学の授業で出てきた言葉の意味がよく分からなかったときは、次のようなことをやってみてください。
・その言葉を「漢字ごとに区切って」読んでみる(例:最・大・公・約・数)
・なんとなく分かる部分だけでも意味を考えてみる
・国語辞典やネット検索を使って調べてみる
・家の人や先生に「これってどういう意味なの?」と聞いてみる
こうした習慣を身につけていくと、数学の“言葉の壁”が少しずつ低くなっていきます。
おわりに 〜言葉の意味に目を向けよう〜
数学は、「わからないことをそのままにしない」ことがとても大切な教科です。
その第一歩として、「言葉の意味をちゃんと考えてみる」ことから始めてみてください。
計算が得意じゃなくても、言葉の力で数学の理解がぐっと楽になること、実はたくさんあるんです。
そういった一つ一つの小さな心がけが、ゆくゆくは数学的や思考力や記述式答案の作成力につながります。
このブログでは、普段の授業の中で取り上げる雑談や小話、学習を身近に感じるためのちょっとしたテクニックなども、今後紹介していく予定です。
「数学が少しでも身近になった」と思ってもらえたら嬉しいです。