「先生ってやっぱり計算速いんでしょ?」
2021/8/2
こんにちは、家庭教師の浦野です。
今回のテーマは、数学の授業中に生徒さんから頂いたこんな質問です。
「先生って計算が速いんでしょ?」
やっぱりそう思いますよね、、僕も学生の頃はそう思っていました。生徒に勉強を教える立場の先生が、教わる側の学生よりも計算が遅かったらメンツが立たないですからね。
でも実際のところ、自身を持って僕のほうが計算が速いです!とは言えません…。なぜでしょうか?
ここで一度、「計算の速さ」について細かく考えてみたいと思います。
▼「計算」の変遷
小学校までの計算とは、ほとんど数字同士の足し算やかけ算などを指していたと思います。
数字の桁数が増えたり小数点以下ずっと続く中途半端な数が出てきたりすると難しいな~と思いましたね。他にも小学校高学年で習う円周率(3.14)を使った計算に手こずった人もいたでしょう。
一方、中学校にあがると算数は数学になり、数字のみだった数式は文字を含んだ文字式へと変わります。
具体的なところでいうと、3.14として計算していた円周率はπ(パイ)としてxやyなどの文字と同様にして扱うようになります。中学3年生で習う平方根(ルートの数)なんかも結局は文字式として処理することになります。
まとめると、小学校までの算数と中学校以降での数学では「計算」自体の内容が大きく変化します。
それだから「計算の速さ」について一概にお答えするのは難しいんですね。
個人的には、恥ずかしい話ではありますが僕はかけ算の筆算や引き算のくり下がりがそこまで速くなく、その辺で計算ミスをすることが多々あります。計算スピードや正確性だけで言えば、これから中学受験に臨む小学校6年生のほうがよっぽど速かったりもします。
しかし因数分解や平方完成、文字式の整理についてはそれなりの自信があります。素早く行うコツやテクニック、ミスを誘発しないための工夫をいくつも持ち合わせているからです。
計算ミスって「注意して計算しなさい!」と精神論に持ち込まれがちなポイントなんですが、もっと合理的に、もっと効率よく対処できる方法が実はあるんですよね。(この話はまた別で。)
▼じゃあ算数って必要ないの?
とはいえ、中学・高校の内容でも「算数」が速い人はやはり有利です。小さい頃からそろばんを習っていた友人は2桁×2桁の計算をサクサクと暗算していました。そういうスキルはいつになっても輝きますし、羨ましくもあります。
しかし「数学」が速くなる方法はそれだけではない、というのが僕の伝えたいことです。どんなに難しい計算をガシガシこなせる人も、工夫して計算できる力を持つ人には敵わないと僕は考えています。
小学校の教科書にも〈工夫して計算しよう!〉という趣旨の単元があります。「そんな事しなくても筆算しちゃえば答え出るじゃん…」と軽視されがちな単元ですが、計算内容が煩雑になればなるほど、工夫して計算できることのアドバンテージは増えていきます。
▼天才じゃないから工夫する
僕はよく「自分が天才じゃないと理解した人は強い」という話をします。
自分は計算が遅くて…と悩んでいる人ほど、計算の工夫を取り入れるべきなんです。そうすることで、鬼のように手計算が速い人とも勝負できるようになります。凡人には凡人なりの勝負スタイルがあります。自分の持つ手札をしっかり把握して勝負できる人は強い、ということです。
話が膨らみすぎてしまいました。
「先生は計算が速いんですか?」という質問でしたね。
こんなことを考えながら、僕だったら「算数は遅いけど数学は割と速いと思うよ」と答えますかね。。。こういった素朴な質問をしてくれる子はそもそも単純計算が速い傾向にあるので、メンツが潰れないように必死です。笑