「将来なんて勝手に決まると思ってた」高校生の私へ。いま、進路を考えているあなたへ
2025/3/27
「行きたい学部ってあるの?」と聞かれるたびに、答えに詰まる
高2の秋、模試の志望校欄はいつも空欄だった。周りの子は「〇〇大学に行きたい」とか「国際系かな〜」なんて話してるのに、私はうまく答えられなかった。
国際?心理?教育?どれもそれっぽいけど、「自分に合ってる」って思えなかった。
でも焦るのは、先生や親に聞かれたときよりも――自分で自分に問いかけたときに、何も出てこないときだった。
でも実は、私も“なんとなく”で生きていた
ここから、ちょっと私の話をさせてください。今でこそ教育に関わる仕事をしているけれど、高校生の頃の私は、将来のことなんて「30代になったら自然に決まってる」と思っていました。
なんとなく就職して、なんとなく出世して、なんとなく家庭を持って、“普通”に生きていくんだろうな、って。
でも、全然違いました。
答えのない仕事と、自分を見失う日々
社会に出てすぐ気づいたのは、「仕事って、正解がない」ということ。
マニュアル通りじゃ通用しないし、誰かの言うとおりにやっていても評価されない。
何より、自分のやっていることが「本当にやりたいこととつながっていない」というのが、じわじわと苦しくなっていきました。
「自分のやりたいこと」がわからなかった
なぜこんなにモヤモヤするのか。それは、自分の“やりたいこと”を言葉にできていなかったから。
だからギリギリまで、「誰かのビジョン」に乗り続けていました。
自分で選んだわけじゃないのに、なんとなく「これが正しい道」と思い込んでいた。
鬱になって、全部を手放して、ようやく見えたこと
「もう無理だ」と思ったとき、すべてを手放して、はじめて見えてきたものがあります。
その答えは、すごくシンプルでした。
その2つがあれば、私はもう一度、生きていけると思えた。
もっと早く、その“軸”に気づけていたら…
進路って、ただ大学や学部を選ぶだけじゃない。「自分の幸せの輪郭を決める行為」なんだと思います。
そして、それに気づける“問い”や“考え方”を、誰も教えてくれなかった。
だから私は、今、教育に関わっています。
学びの形がどうであれ――ユーチューバーでも、作家でも、会社員でも、塾の先生でも。この想いを伝えられるなら、私は何にでもなれると思ってる。
たまたま“総合型選抜”という手段があったから、今はそれを通して、あなたの問いに伴走しています。
じゃあ進路って、どうやって考えればいいの?
焦らなくて大丈夫。あなたのペースで、“答え”じゃなく“問いの順番”を整えていけばいい。
自分の進路を“問い直す”ための3ステップ
Step ①|興味の向き先を知る
→ 人? 社会? モノ・技術?
Step ②|その興味をどう扱いたいか
→ 知りたい? 使いたい? 変えたい?
Step ③|どんなスタイルで学びたい?
→ 教わりたい? 自分で問いを立てたい?
この3つの視点だけで、ぼんやりしてた進路が少しずつ言葉になる。
たとえば、こんなふうに見えてくる
「自分には無理かも」って思ってた子が、たった3つの問いをもとに整理していくだけで、“あ、自分ってこういう方向性が合ってるんだ”って表情が変わる瞬間が、何度もありました。
たとえば…
🧒Case①:漠然と「人の役に立ちたい」と言ってたAさん
→ 人間福祉や教育系の中でも、“制度を変える側”に興味があることがわかって、社会福祉・政策系・NPOフィールド系の学部に進路を定めました。
🧑🎨Case②:「デザインが好きだけど、どう繋げていいかわからない」Bさん
→ 社会課題×デザインの切り口がある大学(例:SFC、芸術工学、サービスデザイン系)にピタッとハマり、面接でも“納得して話せる自分”になっていました。
たった3つの視点だけど、ここから出てくる「自分らしい答え」は、偏差値やイメージでは見つからないものです。
最後に、あなたに伝えたいこと
たとえ今、将来のことがぼんやりしていても大丈夫です。誰かに「ちゃんと決めなさい」と言われても、決めきれない自分を責めないでください。
進路は「早く決めた人がエライ」わけじゃない。“ちゃんと考えた人”が、一番納得できる選択をするんです。
あなたには、あなたのペースと視点があります。あなたの「こう生きたい」をつくるための進路選び、私は心から応援しています。
もし自分と向き合うタイミングが来たら、すぐに答えが出なくても後伸ばしにせず、がんばって脳に汗をかいて、しっかり向き合って考え続けてほしいなと思います。
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