雨
2022/7/15
大学受験の古文で「身をしる雨」という表現があります。
有名な和歌を一つ。
かずかずに 思ひ思はず 問ひがたみ 身をしる雨は 降りぞまされる
(あれこれと、あなたが私を想ってくれているのかいないのか、知りたいけれど聞けないので、そんな私が自分の身の程を知るための雨が、あぁどんどん降ってきたなぁ)
「身の程を知る」とは、自分の立場や身分、状況などを「この程度である」とわきまえる、という意味です。「どうせ私なんて」の気持ちがにじみ出る表現なんです。
上の和歌も、付き合っているはずの恋人が、ほんまに自分のことを大事に想っているのかどうか、知りたいけれど聞くのもためらう切ない気持ちが込められています。だって、「別に好きじゃない」なんてもし返されたら、もう辛過ぎですからね。また、「雨」などの水分を含む言葉は、多くの場合「涙」を連想させるのが古典常識です。雨は、身の程を思い知った私が今泣いていることも示しています。
こんな切なくておしゃれで美しい和歌を詠んだのは、在原業平(ありわらのなりひら)さんです。平安時代初期の歌人です。教養があって、恋愛が大好きな彼をモデルに、『伊勢物語(いせものがたり)』という作品も作られました。きっと教科書にもありましたよね。「東下り」「芥川」「筒井筒」などのタイトル、見たことあると思います。
雨の日の和歌。晴れた日の和歌。旅立ちの和歌。失恋で寝られなかった翌朝の和歌。
思い切って告白する和歌。夫の浮気に怒り狂う和歌。亡き人への追悼の和歌。
いろんな和歌があります。
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以下、雨の日の髪型について。
雨の日だ、と知っただけで、前夜からすでにテンションが下がる。
そんな君へ。
中学時代の私は、それこそ梅雨の時期なんて、日本に生まれたことすら恨んだものです。アイロンで伸ばしたり、スプレーで固めたりしても、結局努力は無意味でした。玄関を出て10分でうねり出す前髪。それでも、むなしい工夫をやめられず、鏡の前であれこれする時間が増え、整髪料をあれこれ試したり、頭の中は常に「髪の毛のこと」でいっぱい。その上、親には「見た目ばかり気にして」と(ウザい)小言を言われ、鏡やお店のガラスに映る自分の髪の毛が気になり、勉強に身が入らず、ほんまに自縄自縛なつらい状態でした。
そして、ある時、「あきらめの時」が来ました。
「曲がるものをまっすぐサラサラにするのは、そもそも無理や~」とやっと納得します。
1.湿気の多い日は、前髪を横に持っていき、ピンで止めてしまう!
2.髪を伸ばし始めたら、前髪もあげて、後ろとまとめてお団子にする!(気持ちは宝塚受験です)
3.自分の汗(これも湿気)で乱れることも多いから、こまめにハンカチで顔や首を拭く!
4.人前で髪の毛を触らない!(「いかにも気にしている人」だと見えたら、ますますいやだから。)
この4点で自分なりの解決としました。ちょっと工夫して足し算して解決できるなら、それもいいけど、でもやっぱりうまくいかない時は、引き算するのもありですね。
髪の毛は雨に負けてしまうけど、髪の毛くらい負けてあげてもええやん。
一番大事な気持ちだけは、(なるべく)負けずにいきましょう。
古文を読んでいると、湿気を気にする場面に出会います。昔から日本人は湿気とたたかっていたのだと思います。
エアコンのない時代です。雨が降っても、夏なら特に窓全開でした。
きっと、書籍も手紙も着物も、もちろん髪の毛も、今以上に湿気の影響を受けたはず。
古文の世界には、今の私たちと共通することが沢山あります。
「現代に生きてるから古文なんていらない」??
いえいえ、今の私たちの暮らす社会も文化もものの考え方も、1000年以上の歴史の中でゆっくりゆっくり作られてきました。
その土台に目を向けて、今をもっともっと楽しく生きるために、古文の学習があるんです。
和歌にも、生身の人間のいろんな思いがダイレクトに込められています。
1000年も前も人の気持ちが、その人の言葉のまま、理解できたら。共感できたら。
なんだかわくわくして来ませんか。
これを読んでくれた受験生に、少しでも役に立てたら嬉しいです。
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