1日10分、ノートに「しゃべらせる」だけで算数の成績が上がった
2025/6/12
──“書くだけ”のノートを卒業したら、見える世界が変わった。
はじめに:「ちゃんとやってるのに伸びない」子の共通点
「毎日問題集を解いている」「授業中はノートをしっかり取っている」
「ケアレスミスが減らない」──でも成績が伸びない。
そんな子に共通していたのは、ノートが“記録”で終わっていることでした。
だから私はある日、ひとつの課題を出しました。
「この問題、ノートにしゃべらせてみよう」
最初はキョトンとしていた生徒も、1週間、2週間と続けるうちに…
気づけば、模試での偏差値が10以上アップしていました。
今日は、その“ノートにしゃべらせる”学習法について、実例とともにご紹介します。
ノートに「しゃべらせる」とは?
ノートにしゃべらせるとは、
「自分が考えたことを、言葉で書き残す」ことです。
たとえばこんな感じ:
「この問題、引き算じゃなくて割合で考えるんだ」
「AとBを分けて考えたら整理できた」
「図を書いたら関係が見えた。次もそうしよう」
「“全体100と考える”が鍵だった」
つまり、ノートを「式を書く場所」ではなく、
“思考を見える化する場所”に変えるのです。
実際にやってみた:小学6年生・算数苦手な女子の例
この子は、模試で平均点に届かず、
特に「速さ」や「割合」の問題で毎回つまずいていました。
解き直しはしているけれど、
「どう考えて間違えたか」までは意識していないタイプ。
そこで私はこう伝えました。
「式を書く前に、“どう考えるか”をノートに書いてみよう」
「間違えたら、“なぜそう思ったか”も書いてね」
最初は、「よくわかんなかった」「とにかく足しちゃった」など
シンプルすぎる感想だったのが、3週間後にはこうなっていました。
「距離をxとおいて時間を出したけど、速さが一定って読めてなかった」
「図を描けば、前回の水槽の問題と同じ構造って気づけたはず」
明らかに、“考え方の質”が変わっていたのです。
成績アップの理由①:「自分の考えにツッコミが入る」
“しゃべらせるノート”を使うことで、
子どもは「自分の考え方を客観視する力」を身につけていきます。
・なぜこの式にしたのか?
・どこで判断ミスをしたのか?
・他に方法はなかったのか?
この振り返りが自然とできるようになると、
初見の問題でも“似た思考回路”が浮かぶようになるのです。
成績アップの理由②:復習のとき「思い出しやすい」
勉強を頑張っていても、見返したときに
「えーと、なんでこう解いたんだっけ…?」となるノートは多いです。
でも“しゃべるノート”は違います。
そのとき考えていたこと、迷ったこと、気づき…
全部がセリフ付きで残っているから、
まるで過去の自分と会話するように復習できる。
つまり、再現性が格段に上がるのです。
成績アップの理由③:間違いを「記録」で終わらせない
多くの子は、間違えた問題を「正解を写して終わり」にしてしまいます。
でもノートにこう書かせることで…
「なんで間違えた?」
「どこで判断ミスした?」
「次はどう考える?」
ミスを“素材化”する習慣がつきます。
これが、苦手を武器に変える子のノートです。
最後に:ノートは“しゃべらせる”と、成長が始まる
「ノートにしゃべらせる」というと、ちょっと変に聞こえるかもしれません。
でも実際には、
考える前に書く
→ 書きながら思考を整理する
→ 書いたものを見て、次につなげる
このサイクルを通して、
ノートが「自分の先生」になる感覚が生まれます。
勉強時間は変えなくていい。
1日10分、ノートに言葉を加えるだけで、算数は大きく変わります。
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