算数が好きになる秘密は、毎日の“一緒に”にありました
✏️ はじめまして!一緒に考える算数のお話
こんにちは。このたびマナリンクの講師として登録させていただきました、家庭教師の横山です。
このブログでは、日々の授業や子どもたちとの関わりを通じて感じたことを、皆さんと分かち合っていきたいと思います。
小学生から中学生まで、それぞれの成長に合わせて、算数や数学とどう向き合えばいいのか。家庭での声かけやちょっとした工夫なども、少しずつお伝えしていけたらと思っています。
勉強のやり方はもちろん、何より大切にしたいのはお子さんの気持ちに 寄り添う姿勢。一緒に悩んだり、発見したりしながら進んでいけたらいいですね。
🌱 算数の土台は、毎日の生活にあります
「うちの子、算数が苦手で…」というお話をよく聞きます。でも実際に見てみると、計算の仕方が分からないというより、「数の大きさってどのくらい?」「長さや重さの感覚」がまだ育っていないことが多いんです。
小学校低学年のうちに、お買い物や料理、遊びの中でこうした感覚を少しずつ育てておくと、高学年になってからがぐっと楽になりますよ。
🛒🍳⏰ 生活の中で自然にできること
特別なことは何もいりません。日常のちょっとした場面で、こんな風に声をかけてみてください。
- 数の大小を感じる:「100円と300円、どっちが大きい?」
- 長さを比べる:「鉛筆とリモコン、どっちが長いかな?」
- 重さを体感する:買い物袋を持って「こっちとあっち、どちらが重い?」
- かさ(量)を知る:コップの水で「半分」「いっぱい」を比べる
こんな体験が積み重なると、教科書の単位や図形の学習につながるだけでなく、「数って身近にあるんだ」と実感できるようになります。
📏 高学年になると出てくる“つまずき”
低学年のころに数や量の実感が少ないままだと、高学年の応用問題で困ることがあります。
たとえば小4〜5でよく出てくる「線分図」を使う問題。A君はB君の2倍のお金を持っています。2人合わせて1500円です。A君はいくら持っていますか?
本来なら、A君の線はB君の2倍の長さで描けるはずです。でも感覚が育っていない子は、2本の線をほとんど同じ長さで描いてしまいます。
「2倍」が“ちょっと多い”程度にしか感じられていないのです。これは才能の差ではなく、小さいころに「長さを比べる」「量を測る」といった経験が少なかったために、頭の中のイメージがまだ育っていないことが原因です。
💎 私の体験から:子どもとの“共有体験”が一番の宝物
私自身も、小さいころに数や量を感じる遊びをしていました。母がアートフラワーの先生をしていて、色とりどりの紙の切れ端をもらっては、ベランダで水に溶かして「色水遊び」をするのが大好きでした。
赤と青を混ぜると紫になり、水の量で色の濃さが変わる。遊びながら自然に“比べる感覚”を身につけていたんだと思います。
また、息子が小さいころに一緒に国立博物館へ行ったときに買った本を、今でも手元に置いています。内容を「教えた」ことよりも、一緒に展示を見て驚いたり、会話を交わしたりした時間の方が、彼にとって楽しい記憶として残っているのだと思います。
子どもにとって大切なのは、知識を教え込まれることよりも、大人と一緒に体験を共有すること。その中で自然に「学ぶって楽しい」と感じる瞬間が芽生えるんですね。
こうした小さな体験の積み重ねが、後の学習につながっていくのだと実感しています。
🤝 親も一緒に迷っていいんです
お子さんがつまずいているとき、実は親御さんも「どうやるんだっけ?」と迷うことってありますよね。
そんなときに大事なのは、完璧に説明することではなく、寄り添う姿勢で一緒に考えること。
「お母さんも忘れちゃった」「一緒に調べてみようか」
そんな何気ないやりとりが、お子さんに安心感を与えます。さらに、一緒に学んだり調べたりする姿を見せることで、「学ぶことって大切なんだな」と自然に伝えられます。
子どもは、大人の言葉よりも行動や姿勢をよく見ています。親が「分からないけど一緒に挑戦してみよう」と動くことが、子どもにとって何よりの教材になるのです。
🌟 最後に
算数の土台は、机の上のドリルだけでは育ちません。生活の中のちょっとした体験や、親子で一緒に「あれ?」「なるほど!」と感じる時間が、お子さんの学びを大きく支えます。
親が全部分かっていなくても大丈夫。寄り添う姿勢を大切にしながら、「数って面白いね」と一緒に感じられる時間こそが、算数への一番の入り口になるのだと思います。
これからも、そんなお話を皆さんと分かち合っていけたらうれしいです。