現代文の入試問題に出る「概念」とはなにか?

抽象的なことが書かれてある文章を読むのが苦手だという人に向けて、今回は「抽象」についてお話したいと思います。
抽象とは「同じ」ということ
抽象は同じということです。例えば、動物という言葉は抽象名詞です。なぜなら、動物という「もの」はこの世に存在しないからです。
「うちの猫」とか「となりのわんこ」のような具体的な生き物は具体です。
他方、「うちの猫」と「となりのわんこ」の共通点、すなわち動物は抽象です。
では、猫と犬とライオンとオランウータンと象とカブトムシと人間を1つの抽象名詞で言い表せばどうなるのか?
例えば、生き物になります。
理性と感性とはなんぞ?
つまり、個別具体的なものの同じところを抽出した結果生まれた言葉が、抽象です。
ところで、大学入試に取り上げられる多くの現代文のベースにある概念は、理性と感性の対立です。もちろん理性も感性もともに抽象です。
理性とは、言葉や数字でなんらかを表そうとする脳の作用のことです。これはみんなと共有することができます。1+1=2というのはみんなで共有可能です。
他方、感性とは、言葉や数字で完全に表すことのできないすべてのことです。すなわち私たちの個別具体的な経験のことです。昨日友達とLINEをしていて面白かったけど悲しかった、という個別具体的な経験をいくら他人に説明したところで、そのディテールやニュアンスまでをもあなたと同じように理解してくれる人はいないでしょ? 感覚というのは究極的には他者と交換不可能なものだからです。
安上りかつ近道とは?
大学入試の現代文の問題文は抽象を表すさまざまな言葉が使われています。すなわち具体的なものやこと煎じ詰めた結果生まれた、不可算名詞が散りばめられています。その言葉の意味を機械的に覚えても、あまりいいことはありません。「どのような個別具体的なものたちを寄せ集めた結果生まれた言葉なのか?」が分かれば、やがて抽象的なことを書いてある現代文がすらっと読めるようになります。
こういうのは高校生一人で勉強するには限界があるので、塾や家庭教師に頼ったほうが結果的にお得です。とりわけ早稲田大学の入試問題は、学部生が読むような哲学の入門書や概説書から問題文が引用されています。哲学なんて抽象の塊のようなものですから、哲学を学んだことのある先生、かつ哲学に酔いしれていない先生の教えを乞うた方が、結果的に安上りかつ近道です。
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