中高一貫校の英語をマジメにやったとして「大学受験直前につまずくところ」はどこか?
2025/3/20
中学生は大学受験から逆算して、今どのような英語力を身につければよいのかが、まだ見えません。見えなくて当然です。大学受験がどのようなものなのかを知らないのですから。したがって、学校から出された大量の課題を1つずつ必死になってこなします。あるいは、学校で文法をあまり教えてくれなければ、文法の細かな説明をしてくれる先生に文法を教わろうとします。それはそれで当然のことだと思います。
しかし、以前のブログにも書きましたが、文法は説明を聞くというより、まず自分で手と頭を動かすことが最も重要です。説明は本質だけを簡単に伝えるのでOKです。まず幹を知り、手と頭を動かしながら枝葉を理解するのです。
簡単な文法の説明を聞いたのち、「それ以上に説明されるのを待つ」のではなく「みずから主体的に手と脳を動かす」のです。問題集の説明書きのページを見ながら。
世界の多くの人が「生活」の中で使っている言葉が英語ですから、英文法がそんなに複雑怪奇にできている「はずがありません」。英語の文法というのは、その本質は実はとても簡単なのです。その簡単な原理原則を聞いたのち、即座に問題を解くことです。ひとまずそれが出来ていればまったく問題ありません。
さて、そのようにして、例えば、高校3年生の春を迎えたとき、そういう人は英語のどこでつまずくのでしょうか。これに関して、私はたくさんのデータを持っています。ほぼ10年にわたって毎晩、英語を教えていますし、毎年寒くなる頃に必ず、英語のスコアが伸びない大学受験生が私のもとを訪れるからです。
結論から言いましょう。早稲田を受験するような生徒さんであっても、文と文の関係を理解することが出来ない。そのことに大きくつまずくのです。言い方を変えれば、一文ずつは皆さん訳せます(訳せないのは単語の意味を覚えていないから、というくらいなものです)。したがって、共通テストの第5問くらいまでは、時間をかければ多くの生徒さんは解けます。
しかし、第6問以降の長文問題は日本語の論説文の問題と全く同じです。日本語で文と文の関係を洞察できなければ、すなわち今読んでいる文章と前に読んだ文章の関係を言うことができなければ、問題を解けません。選択肢を切ることができません。そこにつまずくのです。
中高一貫校の中学生で、学校から大量に課題を与えられている生徒さんは、簡単な情報処理が素早くできるスキルが身につきます。だから、共通テストで言うところの第5問あたりまではどうにか解けるのです。しかし、文と文の関係、あるいは段落と段落の関係を洞察できない、要するに論理的思考が育っていない、言い方を変えれば、現代文の能力を鍛錬して磨いてこなかった。そのことにつまずくのです。
私の授業はそこから逆算して設計されています。したがって、相手が中学2年生であろうと中学1年生であろうと、今読んでいる文章と前の文章の関係を授業内で言わせます。関係というのは順接か逆接か言い換えの3つしかありません。
また、その前提として、指示代名詞が指し示すものを本文の言葉を使って英語で言わせます。
英語は現代文と同じだとよく言われますが、では英語をそのように理解して授業をしている先生がいるかといえば、多くの先生はそんな風に授業をしていないと私は思います。なぜなら、現代文を教えることができる英語の先生は極めて少ないからです。このマナリンクでも、英語と国語の両方を教えている先生が少ないのを見れば、そのことがわかると思います。
文と文の関係、段落と段落の関係、それらに依拠して一文ずつ丁寧に読んでいく訓練が、大学受験を見据えた(中学)英語の勉強法なのです。
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