共通テスト国語で正答率9割を出す方法
2025/6/12
例えば、東進ハイスクールの講師であった出口先生などが一生懸命、論理国語を教えておられますが、共通テストは実は、論理的思考力を問う問題ではありません。文法に依拠して解かせる言語ゲームです。
最も簡単なのは、傍線部および傍線部の前後に指示代名詞がある問題です。当たり前ですが、その指示代名詞が指し示すものを明らかにすることによって、選択肢を消すことができます。
あるいは、傍線部の理由を尋ねる問題。これは本文に理由が書かれてある箇所を求めればいいわけですが、そのときに絶対にやらなくてはいけないのは、傍線部が引かれている文章と、その直後の文の関係です。
文の関係というのは、順接、逆接、言い換え、の3つしかありませんが、しばしば順接と言い換えは同じこととして処理されます。このことは自分で文章を書けば即座に分かることです。私たちはなぜか、言い換え表現をもってその物事の理由だと認識する脳のクセをもっているので、同じように処理されるわけです。
共通テストの第3問の図表の問題など、あからさまに情報処理問題であり、文法に依拠して解かせるだけの問題です。
英語も似たようなものです。長文読解問題における空所補充問題は、大抵の場合、空所の前後に接続詞や指示代名詞がおかれています。現代文と全く同じ要領で解けばいいのです。
というような感じで、皆さん、小学生の頃から論理的思考力を伸ばそうと必死になってやっていますが、最終的に大学受験に必要な国語力というのは、文法に依拠して選択肢を消す能力であり、論理的思考力ではありません。その認識がないまま、むやみやたらに論理的思考力を伸ばそうと思っても、共通テストの得点が伸びることはまずありません。わたしのせいではありません。文科省がベネッセと組んで、そのようにしてしまったのです。
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