読めている“つもり”から抜け出す 国語・読解力の正体 第9回 「本文のどこを使えばいいか分からない理由」 ―― 記述問題で迷わないための“根拠の見つけ方”を具体的に解説します
「なんとなく分かるけど、どこを書けばいいか分からない」
記述問題で止まる人の多くが、この状態です。
結論から言うと、
👉 “探し方”を知らないだけです
本文の中には必ず根拠があります。
ただし、それは“そのまま”書いてあるとは限りません。
今回は、
迷わず根拠を見つけるための具体的な手順を整理します。
① 「全部読んでから考える」が原因
多くの人は、
本文を読む
なんとなく理解する
記述で迷う
という流れになっています。
このやり方だと、
👉 どこが重要か分からないまま読むことになる
ため、根拠を見失います。
② 正しい順番は「設問 → 本文」
記述問題で最初にやるべきことは、
👉 設問を細かく分解すること
です。
例①(理由説明)
問:なぜAはBしたのか。
このとき考えるべきは、
「なぜ」→ 理由を聞いている
A → 主語
Bした → 行動
👉 「AがBした理由」が書かれている場所を探す
③ 根拠は“近く”にある
基本ルールとして、
👉 答えの根拠は該当箇所の前後にある
ことがほとんどです。
例②(具体例)
本文:
太郎は周囲の期待に応えようと努力していた。
しかし、その重圧に耐えきれず、部活動を辞める決断をした。
問:太郎が部活動を辞めた理由を説明せよ。
❌ よくある誤答
「部活動を辞めたから」
→ これは“結果”であって理由ではない
✅ 正しい探し方
「辞めた」→ 行動
その直前を見る
👉 「重圧に耐えきれず」が理由
✅ 模範解答
「周囲の期待による重圧に耐えきれなかったから。」
👉 行動の直前に理由があるという典型例です。
④ 言い換えを見抜く
記述問題で多いのが、
👉 “そのまま書いていない”パターン
です。
例③(言い換え)
本文:
現代社会では情報があふれており、何が正しいか判断することが難しい。
問:現代社会の特徴を説明せよ。
❌ そのまま書く
「情報があふれている」
→ 不十分
✅ 言い換える
「情報が多く、正しい判断が難しい社会」
👉 2つの情報をまとめて書くことが必要
⑤ 「接続語」に注目する
根拠を見つけるうえで重要なのが、
👉 接続語(しかし・だから・つまり など)
です。
例④
本文:
彼は努力を続けていた。
しかし、結果は思うように出なかった。
👉 「しかし」の後ろに重要な情報がある
このように、
逆接(しかし)→ 結論・変化
因果(だから)→ 理由・結果
を見ることで、
重要な部分を特定できます。
⑥ 複数箇所をつなぐ問題
難しい問題ほど、
👉 1か所ではなく“2か所以上”から根拠を取る
必要があります。
例⑤
本文:
都市では便利な生活が可能である。
一方で、人とのつながりが希薄になる傾向がある。
問:都市生活の特徴を説明せよ。
✅ 解答の作り方
便利 → メリット
つながりが希薄 → デメリット
👉 両方を入れる
✅ 模範解答
「便利な生活ができる一方で、人とのつながりが弱くなる点。」
👉 両方入れて初めて満点になる
まとめ
「どこを使えばいいか分からない理由」は、
設問を分解していない
根拠の場所を探せていない
言い換えができていない
ことにあります。
解決するためには、
設問から探す
前後を見る
接続語に注目する
複数箇所をつなぐ
この手順を意識することが重要です。
記述問題は、
👉 探し方が分かれば安定する分野です。
次回予告
「記述問題で“時間が足りない”を解決する方法」
―― 限られた時間で正確に書くための
“効率的な解き方”を解説します。