【高校受験・大学受験】英語長文は「全部訳さなくていい」――9月から身につけたい速く正確に読む3つの習慣
◎「1文ずつ日本語にする読み方」から卒業して、英語を前から理解する
9月に入り、受験勉強もいよいよ秋の段階に入ってきました。
これから高校受験・大学受験では、英語長文に取り組む機会がさらに増えていきます。
そんな中で、生徒からよく聞く悩みがあります。
「英語長文を読むのに時間がかかります」
「最後まで読めません」
「知らない単語があると止まってしまいます」
「頭の中で全部日本語にしないと意味が分かりません」
こうした悩みを抱えている人は、決して珍しくありません。
しかし、英語長文を速く読めるようになるために、単純に「読むスピードを上げよう」とするだけでは不十分です。
むしろ重要なのは、
「どのように英語を読んでいるか」を見直すこと
です。
今回は、9月から意識したい「英語長文を速く、そして正確に読むための3つの習慣」を紹介します。
◎英語長文は「全部日本語に訳す必要」はない
まず、最も大切なことから。
英語長文を読むとき、すべての英文をきれいな日本語に訳す必要はありません。
もちろん、学校の授業や英文解釈の学習では、一文一文を丁寧に訳すことも重要です。
しかし、入試本番では事情が違います。
例えば、500語、800語、1000語といった長文を読むときに、
英文を読む
↓
日本語に訳す
↓
意味を確認する
↓
次の文へ進む
という作業をすべての文で行っていたら、時間が足りなくなってしまいます。
入試で必要なのは、
英文を日本語に変換する能力だけではなく、英文のまま内容を理解していく力
です。
① 英語を「前から読む」習慣をつける
英語長文を速く読むために、まず意識したいのが、
前から読むこと
です。
例えば、
I was surprised to find that many students were interested in the history of the town.
という英文があったとします。
これを、
「私は驚いた……見つけて……多くの生徒が……」
と一語ずつ日本語に並べ替えて読む必要はありません。
まず、
I was surprised
「私は驚いた」
↓
to find that many students were interested...
「~ということが分かって」
というように、英語の語順のまま意味を取っていきます。
最初は難しく感じるかもしれません。
しかし、英語を読むたびに日本語の語順に並べ替える癖がついていると、長文になったときに非常に時間がかかります。
◎「返り読み」が長文読解を遅くする
英語を読むとき、
「この部分は何にかかっているんだろう?」
と何度も前に戻る人がいます。
もちろん、文構造を確認することは必要です。
しかし、すべての文で何度も戻ってしまうと、読むスピードはなかなか上がりません。
特に長文では、
「多少分からない部分があっても、まず先へ進む」
という判断も必要です。
例えば、長い修飾表現が出てきたとしても、
「ここは○○について説明している部分だな」
くらいで読み進められることがあります。
最初から100%理解しようとしないことも、長文読解では重要です。
② 「段落ごとの役割」を考える
長文を速く読むためには、
一文一文だけを見るのではなく、段落全体を見る
ことも重要です。
例えば、説明文や評論文なら、
第1段落
→ 問題提起
第2段落
→ 具体例
第3段落
→ 別の例や反対意見
第4段落
→ 筆者の主張
というように、文章全体にはある程度の流れがあります。
もちろん、すべての英文がこの形になるわけではありません。
しかし、
「この段落は何を言っているのか」
を意識するだけでも、長文の見え方が変わります。
段落の最初と最後に注目する
段落を読むときには、特に、
段落の最初
but、however、thereforeなどの接続語
段落の最後
などに注目してみましょう。
例えば、
However
が出てきたら、
「ここから話が変わるかもしれない」
と考えます。
Therefore
が出てきたら、
「ここまでの内容から結論が出てくるかもしれない」
と考えます。
このように、単語を一つひとつ日本語に訳すだけではなく、
文章の流れを予測しながら読む
ことが大切です。
③ 知らない単語が出ても、すぐに止まらない
英語長文を読んでいると、知らない単語は必ず出てきます。
特に大学受験では、
「この単語、知らない……」
という場面が珍しくありません。
ここで大切なのは、
知らない単語=読めない
と考えないことです。
例えば、
The village was surrounded by dense forest.
という英文で、denseという単語を知らなかったとします。
それでも、
「village=村」
「surrounded by=~に囲まれている」
「forest=森」
が分かれば、
「その村は何かの森に囲まれている」
という大まかな内容は推測できます。
つまり、
一つの単語が分からなくても、文章全体の意味は取れることがある
のです。
分からない単語は「推測してから確認する」
知らない単語が出てきたときには、
① その単語を飛ばして読む
↓
② 前後の文脈から意味を推測する
↓
③ 必要なら後で確認する
という方法がおすすめです。
もちろん、設問を解くうえで重要な単語なら確認する必要があります。
しかし、
「知らない単語が出るたびに辞書を引く」
という読み方では、入試本番のスピードには対応しにくくなります。
◎高校受験の英語|まず「文章の流れ」をつかむ
高校受験では、長文の中に比較的分かりやすい文章構造が使われることも多いです。
そのため、
「誰が」「何をした」「なぜそうした」
という基本的な内容を押さえることが重要です。
例えば、
「ある人物が困っていた」
↓
「友達が助けた」
↓
「その経験から新しい考えを持った」
という文章なら、
細かい表現をすべて日本語に訳さなくても、ストーリーを追うことができます。
特に物語文では、
出来事の流れ
を意識して読むと理解しやすくなります。
◎大学受験の英語|「文章の構造」を意識する
大学受験では、より複雑な文章を読むことになります。
そのため、
「この段落では何を説明しているのか」
「筆者は何を主張しているのか」
「具体例は何のために出てきたのか」
といった視点が重要になります。
例えば、
主張
↓
具体例
↓
別の具体例
↓
結論
という流れが見えてくれば、一文一文を完全に日本語に訳さなくても、文章全体の意味を追いやすくなります。
大学受験の長文では、
「英語を読む」だけでなく「文章を読む」
という意識を持ってみてください。
速く読むために「雑に読む」のは違う
ここで注意したいことがあります。
「全部訳さなくていい」
と聞くと、
「じゃあ適当に読めばいいんだ」
と思ってしまう人がいるかもしれません。
これは違います。
目指したいのは、
雑に読むことではなく、重要な情報とそうでない情報を区別すること
です。
例えば、
「この一文は具体例だから細かい部分までは覚えなくてもいい」
「ここはbutがあるから重要そうだ」
「この段落は筆者の主張について話している」
というように、
情報に優先順位をつけながら読む
ことを目指します。
◎9月からできる「英語長文の読み方」練習
では、実際にどのように練習すればいいのでしょうか。
おすすめは、同じ長文を使って、
「読む練習」と「解く練習」を分けること
です。
STEP1 まず時間を測って読む
最初から完璧に理解しようとせず、文章全体を読みます。
↓
STEP2 段落ごとに内容を確認する
「この段落は何を言っていた?」
と簡単に振り返ります。
↓
STEP3 問題を解く
設問に答えます。
↓
STEP4 間違えた問題を復習する
本文のどこが根拠だったのか確認します。
↓
STEP5 もう一度読む
最後にもう一度文章を読みます。
最初に読んだときよりも、文章の構造が見えやすくなっているはずです。
この「2回目の読み」が非常に重要です。
音読・シャドーイングも「読む力」につながる
英語長文を速く読めるようになるためには、読む練習だけでなく、
音読やシャドーイング
も役立ちます。
英文を何度も声に出して読むことで、
「英語の語順のまま意味を取る」
ことに慣れていきます。
特に、
「英文を見ると、一度頭の中で日本語にしないと理解できない」
という人には、音読を取り入れる価値があります。
ただし、毎日長時間やる必要はありません。
5〜10分程度でも構いません。
重要なのは、
英語を英語の語順で処理する経験を積むこと
です。
英語長文は「読む量」も大切
そして、もう一つ忘れてはいけないのが、
読む量
です。
長文を速く読むためには、
「速く読む方法」を知るだけでは足りません。
実際にたくさんの英文を読む必要があります。
最初は時間がかかっても構いません。
短い文章から始めて、
少しずつ長い文章へ。
そして、
「昨日より少し速く読めた」
「前より返り読みが減った」
という変化を積み重ねていきましょう。
英語長文は、スポーツと同じで、練習によって少しずつ処理速度が上がっていきます。
まとめ|9月から「全部訳す読み方」を少しずつ変えていこう
英語長文が遅い人は、
「英語が苦手だから」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、実際には、
読み方に原因がある
ことも少なくありません。
9月からは、
・英語を前から読む
・返り読みを減らす
・段落ごとの役割を見る
・接続語に注目する
・知らない単語ですぐに止まらない
・文章全体の流れを意識する
・音読やシャドーイングで英語の語順に慣れる
・たくさんの英文を読む
ということを意識してみてください。
特に大切なのは、
「全部を日本語に訳してから理解する」という読み方から少しずつ卒業すること。
入試で求められているのは、英文を美しい日本語に翻訳することではありません。
限られた時間の中で、英文から必要な情報を正確に読み取ること
です。
9月以降、英語長文に取り組む機会はどんどん増えていきます。
最初から速く読めなくても大丈夫です。
一文ずつ、少しずつ。
英語を英語の語順のまま理解する経験を積んでいきましょう。
秋からの数か月で、長文を読む感覚は大きく変わっていきます。
「速く読む」ことを焦るのではなく、「正しく読む」ことを積み重ねる。
その先に、自然と読むスピードがついてきます。
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