SFC算数で時間が足りない子へ|45分の設計図
慶應義塾湘南藤沢中等部、いわゆるSFCの算数で時間が足りない。過去問を解かせるたびに、後半の大問が手つかずのまま45分が終わる。ご家庭でその会話が続いているなら、原因はお子さんの計算速度ではありません。45分をどう使うかを、誰も設計していないだけです。
なぜ「全部解く」と必ず破綻するのか
近年のSFCの算数は、試験時間45分・100点満点で、大問6題程度の構成が続いています。前半は計算3題程度と応用小問、後半は立体図形の表面積や体積、図形の移動、条件整理、そしてつるかめ算や流水算といった特殊算が並びます。
ここで、多くのご家庭がやってしまう計算があります。45 ÷ 6 = 7.5。1題あたり7分半。この数字を見た瞬間に、設計は破綻しています。
現実には、前半の小問は1問1分から2分で片づきます。一方、後半の図形の移動や条件整理は、方針が見えなければ、1題で10分を溶かします。つまりSFCの45分は均等に割る時間ではなく、取れる問題に寄せて配分する時間です。平均という考え方そのものが、この学校では通用しません。
偏差値が届いているのに落ちる子の共通点
僕が過去問の答案を見せていただいて、最初に確認するのは正答率ではありません。空欄の位置です。
落ちる答案には、判で押したような特徴があります。大問1から順に解き、大問3か4で詰まり、そこで粘る。7分粘って解けず、慌てて次に進んだところで終了の合図。そして最後の2題は、問題文すら読んでいない。
ここで何が起きているか。解けなかった問題で点を失ったのではありません。解けたはずの問題を、解かずに落としているのです。実力ではなく、順番で落としている。
この状態のまま、もっと演習量をと新しい問題集を買い足すご家庭は、塾にとっては実に良質な養分ですが、2月の結果は変わりません。買うべきは問題集ではなく、時計です。
45分を3つに切る
SFCの算数は、次の3つの区切りで設計します。
・0分から12分:大問1と大問2を確実に取り切る。ここでの失点は致命傷です。計算と応用小問は、難易度こそ高くないものの、小数と分数が混ざった四則計算や逆算が並び、油断すると落とせます。速く解くのではなく、確実に取る時間帯です。
・12分から35分:残りの大問を、解く前に全部ざっと見る。手がつきそうなものから3題を選んで処理する。上から順に解かない。
・35分から45分:見直しに使う。新しい問題には手を出さない。
最後の10分で新しい大問に手を出して1点も取れなかった答案と、その10分で計算ミスを2つ見つけた答案。後者のほうが点数は高い。当たり前のことですが、本番でこれができる小学生は驚くほど少数です。
SFCの算数は、実力ではなく設計で決まります。45分を3つに切り、取れる問題に時間を寄せる。同じ実力のままでも、点数はここで動きます。
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