カタカナ語に気をつける!
2020/10/19
こんにちは。若田部です。
今日は、外国語学習の中での「あるある」についてです。
カタカナ語を、どれくらい意識していますか?
日本で生きていく上で、日本語を使う上では全く気にしなくてもいいのですが、「カタカナ語=英語で使える」と思っていると、全然伝わらなかったり、全く違う意味で伝わってしまったりします。気をつけてみましょう。
例えば、有名どころでいうと、
「マンション」というと、日本では「分譲型の集合住宅」のイメージがあります。
ところが、英語で“mansion”というと「豪邸」という意味です。
集合住宅と豪邸では全然違いますよね。
分譲型住宅のことを言いたいのであれば、”apartment”や”condominium”を使います。
他にも、「パソコン」も通じません。”PC”か”personal computer”を使います。最近日本でもパソコンとあまり言わないですね…。「スマホ」も和製英語。”smartphone”が正しい言い方。
それから、意外と知られていないのが「アンケート」。これ、そもそも英語じゃないです。元はフランス語です。日本語でのいわゆるアンケートは、”questionnaire”や”survey”を使います。
同じフランス語語源のものだと、秋の味覚、栗。「マロン」も英語じゃないです。英語では”chestnut”と言います。まあ、マロンに関しては、グルメな人相手だと通じてしまいますけどね。
最近の例で言うと、
「ソーシャルディスタンス」というと、密を避けるために「人と人の物理的な距離を取る」ことを意味します。
ところが、英語だとこれは”social distancing”や”physical distance”と言います。
なぜかというと、厳密には、”social distance”という言葉は社会心理学の用語で、「人と人との親密性」といった心の距離を表す言葉です。例えば、
The intimate social distance between the teacher and the students implies that the teacher showed her students she belonged to their community and to their culture.
(和訳はブログ末尾へ!)
本来、病気や公衆衛生とは全く異なります。もしアメリカの方が日本のニュースを見たら、感染拡大を防ぐために「人と親密になるのを避けましょう」と言ってるように聞こえちゃうこともあると思います。おもてなしの国とはとても思えませんね…。
余談ですが、WHO(世界保健機関)は、”social distancing”や”physical distance”と、正しい名称で呼ぶように指導しているみたいです。
ということで、本日は「カタカナ語」についてお話してきました。
正しい言葉を、正しく使えるようになると、会話の場面では「誤解」が少なくなります。入試やテストの場面では、「誤答」が少なくなります。
また、カタカナ語をスタート地点にして、興味を持って言葉を調べることで、自分の語彙力がさらにどんどん増えていきます!
いいことづくしの「カタカナ語の使い方を正しくする」
ぜひやってみてはいかがでしょうか!?
それでは、今日はこの辺で。
お読みいただきありがとうございました!
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ちなみに、こういった外来語自体は、忌み嫌うものではありません。
歴史を辿ると、古今東西、外来語の事例を見ることができます。
例えば、1066年ノルマン=コンクェストという事件で、英語の中にたくさんのフランス語の言葉や文法が流入しました。中世においてイスラム教の影響が色濃く残るスペインでは、今でもアラビア語に語源を持つ言葉がたくさんあります。現代でも、”sake”といえば日本酒を表す言葉として英語の辞書にも載っています。
あらゆる言語、あらゆる文化で外来語が生じるのは自然なことで、それらは言語の長~い歴史を通じて、徐々に定着していくのもまた確かです。
言葉の歴史や外来語面白い!と思った方は、大学で「言語学」をやってみてください。めちゃくちゃ面白いですよ!!
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The intimate social distance between the teacher and the students implies that the teacher showed her students she belonged to their community and to their culture.
(直訳)
教師と生徒の親密な社会的距離は、先生が生徒へ生徒のコミュニティと文化に所属しているということを示したということを含んでいる。
↓↓
(和訳)
教師と生徒が親密であるということは、生徒たちがコミュニティや文化の一員になっていたということを、先生が生徒に示していたということが暗示されている。
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