#28 アメリカ独立戦争~「13植民地」から「13州」へ~
2021/6/16
ブログ#24では、南北アメリカ大陸にはヨーロッパ人がやって来る遥か昔から先住民が暮らしていたこと、ヨーロッパ人が武力で彼らの土地を掠奪(りゃくだつ)したことなどを見ました。
北アメリカの東海岸にヨーロッパ人が植民し始めたのは1607年と言われています(江戸幕府開府の4年後)。18世紀前半までに、「13植民地」と呼ばれるイギリス人の植民地ができました。この時はまだ「イギリスの植民地」なので、アメリカ合衆国という独立国ではなく、あくまでもイギリスという国の支配地域であったことに注意してください。
ちなみに、この13植民地を北から南の順に全て列挙すると次のようになります。
New Hampshire ニューハンプシャー
Massachusetts マサチューセッツ
Rhode Island ロードアイランド
Connecticut コネチカット
New York ニューヨーク
New Jersey ニュージャージー
Pennsylvania ペンシルベニア
Delaware デラウェア
Maryland メリーランド
Virginia バージニア
North Carolina ノースカロライナ
South Carolina サウスカロライナ
Georgia ジョージア
今回のテーマは、イギリスの支配地域だったこれら13の植民地が、どのようにしてイギリスから独立しアメリカ合衆国になったか、というものです。
これらの植民地のそれぞれには植民者の代表から成る議会があり、イギリス本国からは政治的な自由が認められていたそうです。しかし、18世紀後半からはイギリス本国は植民地に重税を課すようになり、植民地の間ではそれに対する不満が高まっていきます。彼らの不満の根底にあったのは、植民地に課す税金を決めているイギリスの国会に、税金を課される植民地側の代表者がいなかったことです。
No taxation without representation.「代表なくして課税なし」
これが、植民地側が強く訴えていたことでした。イギリスの国会に植民地側の代表(representation)がいないなら、植民地に課税(taxation)をすべきではない、という主張です。これは至極真っ当な意見ですよね。私たちだって、自分が全く関わっていないところで、勝手に私たちのお金の処分について話されたりしていたら「ふざけるな!」と怒りたくなりますよね。
植民地側の不満は1770年代に頂点に達し、ついに1775年に植民地とイギリスとの間で武力衝突が生じてしまいます。こうして始まったアメリカ独立戦争は1783年に植民地側の勝利という形で終わりを迎えました。戦争最中の1776年7月4日に植民地側は「アメリカ独立宣言」を発布し、イギリスから独立したアメリカ合衆国の成立を宣言しました。(7月4日は「独立記念日(Independence Day)」と呼ばれ、アメリカの祝日になっています。)
▲アメリカ独立戦争の緒戦となったレキシントンの戦い
アメリカ合衆国の国旗である「星条旗(the Stars and Stripes)」ですが、皆さんは左上の星がいくつあり、そしてその数にどういう意味があるのか、また紅白の縞(「条」は「縞」のことです)は何本あり、それが何を意味しているのかを知っていますか?
星の数はちょうど50個ですが、これはアメリカ合衆国の州(state)の数を表しています。「13」から始まったアメリカの州の数は、西漸運動によって増えていき、ハワイ併合によって「50」となりました。
紅白の縞は13本ありますが、ここまできたらピンときますよね。そうです。この13という数字はアメリカ合衆国が始まった時の13州を表わしているのです。ちなみに、まだ13州しかなかった頃(18世紀後半)の星条旗はこういう図案でした。星の数も13しかないですね。
よくアメリカは「若い国」と言われますが、今年の7月4日で誕生してから245年、たしかに国としては若いと言えます。日本史で言えば、アメリカができたのは十代将軍徳川家治(いえはる)の頃。よく「四千年の歴史」を持つと言われる中国から見たら、アメリカは赤ちゃんのようなものなのでしょうか?そんな「若造」の国が超大国になるというのも不思議であり、すごいことのような気がしますね。
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