学校推薦型選抜と総合型選抜の違いとは~学校長の推薦書がポイント~
2025/4/4
2017年に大学を離れてから、入試の呼称が変わっていることに気が付き、オンライン家庭教師に従事するようになって、いろいろ調べてみると理解できたことがあります。
2021年度の入試より文科省は、学校長の推薦書を必要とする推薦入試を学校推薦型選抜、またこの推薦書を必要とせず小論文や面接・口頭試問・プレゼンなどで総合的に受験生を選抜する、従来の自己推薦入試やAO入試を総合型選抜と呼ぶことに決めたという背景を知りました。
この4月の初め、いよいよ腹を括って入試に臨むとお考えの生徒さんや保護者様も意外とご存じでない、あるいは混同されているのではと考え、推薦入試について少しまとめてみました。
ポイントは学校長の推薦書
学校長の推薦ということですから、いわゆる学校推薦、つまり学校推薦型選抜の入試になります。総合型選抜は、学校長の推薦書を必要としません。
(学校推薦型選抜)
指定校推薦と公募制に分類できます。
・指定校推薦
指定校推薦は、大学が高校に対して「本学を志望する生徒を推薦してほしい」との趣旨で高校に推薦依頼を送ります。1学部につき1高校(1名)がほとんどではないかと考えられます。同じ大学でも3学部が別々に同じ高校に推薦依頼をした場合は、1学部につき1名で高校としては3名の依頼を受けたことになります。
指定校推薦は、大学と高校との信頼関係に基づきますので、基本的には高校が推薦した生徒は余程の問題点がない限り不合格となることは考え難いです。
よく耳にするのは、指定校推薦では高い評定平均を求めることが多いので、評定平均の順を巡って学内選考の厳しい競争があるという点です。
・公募制
公募制も評定平均などの出願条件がありますが、これを満たして学校長の推薦書を得ることができれば出願することが可能です。
ただ、指定校推薦とは異なり、選抜試験を受験しますので、必ず合格できる保証はなく、人気がある点からしても難易度は高いです。
また、自己推薦という学校長の推薦書を必要としない入試がありますが、これはその名の通り自分で自分を推薦することから、多くは総合型選抜に分類されます。
(総合型選抜)
従来のAO入試や自己推薦入試に相当します。
傾向として、大学では総合型選抜を重視し、高校や受験生からも最も注目されている選抜入試と言っても過言ではないでしょう。
一般選抜は、学科試験により学力を問う選抜となりますが、総合型選抜は、受験生の人柄、感性、創造性、これまでに打ち込んだ活動や内在する人間的な魅力により判断される選抜と言えます。
よくある試験内容として下記が挙げられます。
・志望理由書による書類選考を経たのち、小論文や面接・口頭試問・プレゼンが課され、最終的な合否が決められます。
・学力試験がないので安易に合格するだろう考えていては、とても合格に達する試験ではなく、論理的な思考やさまざまな文章を読解する力量、ライティングのスキルなどさまざまな側面や視点から選考されます。
早いタイミングから志望理由書や小論文、面接・口頭試問・プレゼンに対する十分な準備が必要です。
学校推薦型選抜と総合型選抜の違いを大まかに示しましたが、推薦と名のつく入試であっても、もちろんのこと先手必勝にて対策を進める点が重要です。
【志望理由書~面接】学校推薦型・総合型選抜(総合対策)
https://manalink.jp/teacher/15118/courses/17381
【志望理由書~面接】同志社自己推薦・推薦選抜(総合対策)
https://manalink.jp/teacher/15118/courses/17376
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