【国語の勉強法】国語は感性で解くと失敗します「中高生共通」
2024/8/5
現代文は感性の教科だから教えられない。
中学高校の国語の定期試験は学校の先生が言ったことが正解。
こういった誤解を抱いている人が多いのが現状です。
しかし国語は、論理の科目であり、教えることができます。
「学校国語」が少々「特殊」なわけであって、入試問題は参考書に載っている「正解」を覚えて正解できるものではありません。
論理とは何か
論理とは文章が持つ構造のことです。よく「論理的に考えなさい」とか「主観を排して読みなさい」などと言われますが、それはすべて、文章が持つ構造を洞察してください、ということを言っています。そもそも主観を排するなんて脳の構造に逆行するようなことなど、私たちはできるはずがないのです。そうではなくて、問題文が持つ構造を読み解くこと、これを論理的思考といい読解力と言います
どのように構造をとるのか
問題文の中から言い換え表現と反対表現をとることによって、文章が持つ構造が見えてきます。よく学校の先生が「接続詞に気をつけて読みなさい」とか「接続詞に印をつけなさい」とかと言いますが、それは問題文の中から言い換え表現と反対表現をとるために必要だからです。
私のもとには、「学校の先生の言いつけどおり接続詞に印をつけて読んでいますが、ちっとも国語の成績が上がりません」という人がしばしば訪れますが、彼ら彼女らは、なぜ印をつける必要があるのかを学校の先生から教えられていないのです。
著者の主張の取り方
中学生のうちはまだマシかもしれませんが、高校生にもなると著者の主張が明示されていない論理的文章を読まされます。そういう時はどのように著者の主張をとるのか?
問題文の中から発見した言い換え表現と反対表現をもとに著者の主張を取ります。
例えば、倫理と科学が対立構造を成している場合、著者がどちらに重心を置いているのかが分かれば、著者の主張をとることができます。
古文漢文も同じ
以上のことは古文漢文についても言えることです。
古文漢文は中高生が一人で解釈を取れない場所にしばしば傍線が引かれます。「この言葉の意味、学校で教わっていない」とか、「この語は『古文単語 315』に載っていない」とか、そう思って「独自の単語集」を作って覚える方もいらっしゃると思いますが、その勉強法は間違いです。
そういった傍線部というのは、「前後の文脈から推論する」ことによって、単語の意味をとるというのが正攻法の解き方です。
漢文は接続詞が少ないですが、古文はいくつか重要な接続詞があります。この場合の接続詞というのは順接の接続詞であり、逆接の接続詞のことです。それらに依拠して文脈をとっていけば学校で習ってない古文単語が傍線部に含まれていても正解することができます。
というわけで、国語を感性で解いている方はぜひ、私の授業を受けてください。これだけ世の中に国語の優れた参考書が出回っているというのに、論理とは文章の持つ構造のことであり、読解力とはその構造を読み解く力のことだと認識している国語の先生がまだまだ少ないのが現状です。それがわかっていない参考書は解説がやたら複雑で中高生が一人で勉強できないでしょう。
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