【英語】受験直前に困ることは何か?
2025/5/19
中学英語はじつはそうむずかしくありません。むずかしいと感じる生徒さんや、おちこぼれている生徒さんというのは、膨大な量の学校の課題を前にパニックになっているだけです。
特に、昨今の中高一貫校における英語の課題は、子どもをいじめ倒しているのではないかというほどの量が出ます。大人でもそれらを一つずつ整理するのが大変ですから、子供にとってはもうパニックになるしかないほどの量です。
私の頃は(30年前!)教科書の本文を丸暗記して、単語と熟語を書いて覚えて、教科書本文の和訳ができれば定期試験は満点でした。それで大学受験まで困ることはほとんどありませんでした。もちろん早稲田の英語とか慶應の英語は別ですが、本当に困ることがなかった。こうやって英語の授業ができるほどの力がつきました。
英語に限らず言語というものは、ある程度、型を覚えないと運用できない、使えないものですから、教科書の本文を丸暗記するとか、しかるべき例文を暗唱するということがないとどうしても、力がつきません。
暗唱というのは、脳にインプットするのみならず、身体に言葉を覚え込ませるということです。そして実は、それが非常に重要です。が、身体に言葉を覚え込ませるというのは、データで表すことのできないなんらかが身につくということで、データに現れないものを推奨する傾向は最近、激減していますから、皆さん頭で英語を処理しようとします。膨大な量の課題を頭で処理しようとすれば、誰だってパニックになります。
さて、受験直前に困ることは何か。論の流れをとることができない。言い換え表現をとることができない。そういった現代文のスキルが不足していることに困る生徒が多い。
たいていの生徒さんは受験直前の12月にもなれば、1文ずつ和訳することができます。しかし、段落ごとに何を言ってるのかを取る力とか、今読んでいる文章とすぐ直前の文の関係がどのようなものであるのか、接続詞に依拠して接続詞の前と後の文の関係をとるなど現代文の力がないゆえに、選択肢問題が解けないという現象が起こります。
12月の時点でそうなれば、もう終わりです。手詰まりです。なぜなら、現代文の力というのは、一朝一夕につくものではないからです。
したがって私は、1文ずつの英文和訳の授業はさっさと終わらせて、夏以降は半分日本語で英語の授業をします。要するに1文ずつの和訳はできて当たり前であり、文と文の関係や論の流れといったものを、日本語で追わせるのです。
英検二級には、そういったスキルを試す問題が少しあります。少しだけです。問題は共通テストの第3問以降でしょう。現代文のスキルがないと必ず間違うように選択肢が設計されています。
そのことに今から気づいて、ぜひ現代文のスキルをつけてください。
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