高校数学

【3分で読める】呪文のような三角関数と、仲直りする方法

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2025/7/8

「三角関数でつまずいた」その原因は?

「数学はそんなに苦手じゃなかったんだけど、三角関数でつまずいた」

そんな声を、生徒や保護者の方からよく耳にします。

実際、数ⅠAまでは、宿題をこなしていれば定期テストもそれなりに取れていた。

ところが三角比・三角関数に入ると、急に式が複雑になり、ついていけなくなる生徒が目立ちます。


板書には加法定理や2倍角などの公式が並び、それを理解しないまま写すだけ。

気がつけば、黒板の文字が呪文のように見えてくる。

ノートには意味のわからない式が並び、見返しても何も思い出せません。


三角関数だけ「学び方」が違う

こうした生徒の多くが陥っているのは、

「覚えていないから解けない → 解けないから意味がわからない → 意味がわからないから覚えられない」

という負のループです。


でも、これはその子が怠けているわけではありません。

三角比・三角関数は、他の単元とは“学び方”が違うのです。


この単元に限っては、

「意味を理解してから覚える」では間に合いません。

まずは公式を覚えて、繰り返し使う。理解はそのあとからでも間に合います。



先に覚えて、あとから“わかる”

ある生徒には、まず加法定理・2倍角の公式をカードにまとめ、

音読と計算練習を繰り返してもらいました。


最初はピンとこない様子でしたが、あるとき問題を解きながらこう言いました。




“考えて導いた”というより、“手が覚えていた”反応でした。

でもその小さな成功体験が、理解への扉を開いてくれたのです。


そこからは、ノートに正しい式が並ぶようになり、

黒板の呪文も、少しずつ「意味のある言葉」として見えるようになってきました。




仲直りの第一歩は、“まず覚える”こと

三角関数は、「覚えてからわかる」タイプの単元です。

苦手意識があっても、形から入ることが近道になります。


公式に抵抗を感じなくなってこそ、応用に手が届く。

まずは手を動かし、公式を身体に覚えさせる。

三角関数と、ちゃんと仲直りできる日は必ず来ます。

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