【3分で読める】呪文のような三角関数と、仲直りする方法
「三角関数でつまずいた」その原因は?
「数学はそんなに苦手じゃなかったんだけど、三角関数でつまずいた」
そんな声を、生徒や保護者の方からよく耳にします。
実際、数ⅠAまでは、宿題をこなしていれば定期テストもそれなりに取れていた。
ところが三角比・三角関数に入ると、急に式が複雑になり、ついていけなくなる生徒が目立ちます。
板書には加法定理や2倍角などの公式が並び、それを理解しないまま写すだけ。
気がつけば、黒板の文字が呪文のように見えてくる。
ノートには意味のわからない式が並び、見返しても何も思い出せません。
三角関数だけ「学び方」が違う
こうした生徒の多くが陥っているのは、
「覚えていないから解けない → 解けないから意味がわからない → 意味がわからないから覚えられない」
という負のループです。
でも、これはその子が怠けているわけではありません。
三角比・三角関数は、他の単元とは“学び方”が違うのです。
この単元に限っては、
「意味を理解してから覚える」では間に合いません。
まずは公式を覚えて、繰り返し使う。理解はそのあとからでも間に合います。
先に覚えて、あとから“わかる”
ある生徒には、まず加法定理・2倍角の公式をカードにまとめ、
音読と計算練習を繰り返してもらいました。
最初はピンとこない様子でしたが、あるとき問題を解きながらこう言いました。
“考えて導いた”というより、“手が覚えていた”反応でした。
でもその小さな成功体験が、理解への扉を開いてくれたのです。
そこからは、ノートに正しい式が並ぶようになり、
黒板の呪文も、少しずつ「意味のある言葉」として見えるようになってきました。
仲直りの第一歩は、“まず覚える”こと
三角関数は、「覚えてからわかる」タイプの単元です。
苦手意識があっても、形から入ることが近道になります。
公式に抵抗を感じなくなってこそ、応用に手が届く。
まずは手を動かし、公式を身体に覚えさせる。
三角関数と、ちゃんと仲直りできる日は必ず来ます。