化学

公式はすべて覚えるべきなのか?という話

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2019/10/14

先日、こちらの家勉応援先生とTwitterでやりとりしていたときのこと。

このようなリツイートをいただいた。


やまざきようこ@冷却中 on Twitter

“化学は公式覚えずに比で解いちゃうクセがある。 公式覚えるの面倒くさい。比使えばだいたい解けるし。”



家勉応援 on Twitter

“ううむ……やっぱり理系ネタには僕の知らない宝庫がたくさんある。こういうのはきっと、知っている人にとっては当たり前なんだろうな。こうして垣間見るだけでも視点が変わって面白い。勉強になる。 https://t.co/pjGof9Fo53”



数学や理科の解き方に関して言えば、

私は他の人とは異なる、ちょっと変わった解き方をする場合が多い。

どう解くのかと言うと、たいていは公式を覚えずに比を使って解いてしまう。


例えば、化学で出てくるモル計算。

molから質量(g)を求めたいときには、通常はmolに分子量(g/mol)をかける。

質量(g)からmolを求めるときは、質量を分子量(g/mol)で割る。

なんて感じで覚えている人が多いはず。

こんな感じで、多くの人は膨大な公式を覚えて、計算を頑張っていると思う。


けれどね、このやり方、

頭がこんがらがりませんか?

たくさん公式を覚えなければならなくて、

覚えた公式を忘れてしまって解けなくなる。

しまいにはその科目ができなくて嫌いになったり、意欲が出なくなったりする。



じゃあどうやって解くのかと言うと、

私の場合は基本的にはすべて比で解いてしまう。


たとえば、2molの水は何gか。(水の分子量は18とする)という問題。

分子量というのは、1molのときの質量を表している値。

これさえ知っていれば、比で解くことができる。

1molに対して18gだから、2molのときの質量をxとおくと、

1:18=2:x

あとはこれを解いて、36g、と出せばよい。


逆の場合はどうだろう。

36gの水は何molか。(水の分子量は18とする)という問題。

これも同様に、1molあたりの質量が18gだから、36gの水がymolだとして

1:18=y:36

これを解いて、2mol、と出せばよい。



多くの人が苦手な割合も、実は比を使って解くことができる。

濃度15%の食塩水200gに含まれる食塩の量は何gか。


食塩水全体が200g、そのうち15%が塩。

全体量は100%と表すことができるので、食塩の量をxgとすると、

100:200=15:x

これを解いて、30g。


食塩30gを使って、15%の食塩水を作りたい。加える水の量は何gにすればよいか。

食塩30gが15%にあたるので、水は100-15=85%に相当する。

水の量をygとすると、

15:30=85:y

これを解いて、170g


今回はモル計算と割合の問題のみで例を挙げたが、

他にも比を使って求めることのできる問題は山ほどある。


比を使うことで、「公式を丸暗記」する負担が減るので、

余った時間は他の科目の勉強にあてることができる。



私は極度の面倒くさがり屋で、

本当に必要な公式以外は頭に入れない。

それを知らなきゃ解けない、という公式もあるので、

そういうものは無理してでも覚えてしまうけれど、

知らなくても他の何かで代用できるものに関しては覚えていない。


数学で言えば、三角比や三角関数の公式。

これらは半分も覚えていないんじゃないかなあ。


三角比でよく出てくる、

cosθ=sin(90°-θ) とか、

cos(180°−θ)=−cos θ とか、

こういうのはいちいち覚えると面倒なので、

すべて単位円を書いて考える。


三角関数の加法定理は覚えているけれど、

二倍角の公式は覚えていない。

加法定理のαとβを同じ文字に変えて計算すれば、

二倍角の公式は自分で作ることができるから。


もっと言えば、sin60°やcos45°の値もいちいち覚えていない。

1:2:√3、あるいは1:1:√2の直角三角形を書けばわかるから。


丸暗記しようと思うと、意外と多くの時間が必要になるが、

1:2:√3の直角三角形を書くだけなら、5秒あれば十分だ。

ノートのすみっこに、ちょろっと書くだけでいいのだから。


どれだけ暗記できるかというのは個人差が激しい。

また、覚えたものは、使わなければどんどん忘れてしまう。

でも、こうして「覚える負担を減らす」工夫をすることで

10年たっても20年たっても忘れない知識に変わる。


数学や理科の公式を暗記できなくて、

あるいは暗記してもすぐに忘れてしまって解けなくなる場合は、

ぜひ参考にしていただければ。

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