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総合型・学校推薦型対策

数学や物理が苦手なんだけど理工系に進んでも大丈夫?

2025/8/15

就職がいいから理工系?

理工系に進むと就職がいいというのは、よく聞く話です。

確かに、大手メーカーやインフラ企業、IT企業は理工系出身者を多く採用しています。景気の悪いときでも、理工系、特に機械・電気電子・建築土木は必ず仕事があります。

でも、その就職の良さは、理工系で学んだ専門知識やスキルがあることが前提です。

もし数学や物理が苦手なまま入学したら…?

残念ながらそこから先は厳しい現実が待っています。この記事ではそんな現実を紹介します。

最近増えている「入れてしまう」ルート

昔は一般入試がメインで、理工系に入るには数学IIIや物理の筆記試験で点を取るしかありませんでした。受験生たちは当然ですが数学IIIや物理の勉強に力を入れていましたし、これらの科目が苦手なら理工系の学部学科には合格できませんでした。

ところが近年は、総合型選抜や推薦入試、内部進学といった制度が充実し、高校で数学や物理が苦手でも入学できてしまうルートがあります。

そういうルートで入学してしまった学生は、みな口をそろえて「初回の授業からもう全く理解できないんです…」と言います。

機械工学科の1年次は数学と物理だらけ

例えば東大の機械工学科の時間割の一部を覗いてみましょう。(東京大学工学部機械工学科のウエブサイトから引用)

科目名を見ただけで数学・物理が中心、というより数学と物理しかないという印象ですよね。そして実際その通りなのです。

しかもこれらの授業は、高校の数学・物理を完全に理解している前提で進みます。高校では正直なところ苦手だから避けてきたのですよね。それでもなんとかやり過ごすことができました。

でも大学では高校程度の内容を爆速で復習し、そのままさらに難しい専門的な内容に一気に突入します。大学や科目によっては高校内容の復習など全くナシで始まるものもあります。

そしてこれは東大の授業だけが難しいというわけではなく、理工系の学部学科であればどの大学でも同じことです。

「頑張れば何とかなる」は危険な考え

努力は大事です。

でも、基礎がない状態で大学の理工系科目に挑むのは、泳げないのに海に入って沖に出るようなものです。

授業は週ごとに進み課題も大量に出ます。1つつまずくと翌週には内容がさらに進み、どんどん遅れてあっという間に取り返しがつかなくなります。

さらに、まわりの友人たちは数学や物理が得意な学生ばかりなので質問などはしにくく、どうしても孤立感・劣等感が強まってしまいます。

そして大学の先生は高校の先生ほど親切ではありません。ついてこれない学生は必修科目でも容赦なく不可(落単)の評価となり、どんどん切り捨てられます。そして落単が続けば留年~中退となります。

そこにはがんばる、努力するではどうにもならない壁が存在するのです。

入学後のリアルな声

「1年の最初のテストで半分以上落単」

「材料力学は教科書の最初のページから全く理解できない」

留年か中退かの二択に追い込まれた」

これは珍しい話ではなく、総合型や推薦で入った学生に繰り返し起こっています。

それでも理工系に行きたいなら

もし本気で理工系を目指すなら、入学前に数学IIIと高校物理を徹底的に学習してください。特に力学(運動方程式・エネルギー保存)と微積分は必須です。

それができないなら自分の得意分野を活かせる学部の方が、将来の自分のためになります。

また同じ理工系でも、情報系や経営工学などは、数学・物理的要素が比較的少なめではあります。それでも数学・微積分は必須でしょう。

なお当方では、既に理工系に入学した大学生で基礎科目に苦戦している人向けに、以下の講座を開設しています。

「理工系・機械工学の力学 ~大学生・高専生向け~」

最後に

就職がいいからという理由だけで理工系を選ぶのはとても危険です。

「そうは言っても入試に合格はしたんだから、入学すれば面倒を見てもらえるはず」というのは幻想です。

理工系学部は、数学や物理が苦手な人が技術系で就職に成功するための学部ではありません。数学と物理が好きな人・得意な人がさらに自分を伸ばせる場所です。苦手な人が無理に進んでも入学後の数年間が苦しさだけで埋まってしまい、最悪の場合卒業できないという事態になります。

進路は「就職の良さ」だけでなく、「自分が戦えるフィールドかどうか」で選びましょう。それが結果的に就職も人生も自分を有利に進めることができ、自分の幸せにつながります。

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